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気になるノウハウ!

ライター:一色先生

2024.10.31

教えて!一色先生~オフィスの環境課題別オフィスカイゼン策を紹介します!

一色です。こんにちは。
オフィスはつくることが目的ではなく、使いこなして組織のパフォーマンスを高め、新しい価値を生み出すために存在しています。組織が成長発展していくために運営維持がとても大事です。

その運営維持のポイントとなるのは、PDCAサイクルを回すこと。今号では、その中でも「カイゼン」することについて、オフィス環境課題別の具体例をたっぷり紹介していきます。

運営維持のポイントはPDCAサイクルを回すことです。オフィスをつくるときは目先の課題をどうすれば解決できるかと考えて計画することが多いと思いますが、うまくいっているオフィスは、つくるときから将来どうなるかを考えています。計画、運営、評価、改善のサイクルを、全社員を巻き込みながら常に変化させています。

オフィスの運営維持を促進するためには、オフィスカイゼンに対する捉え方を全社で共有させることがポイントです。

では、改善の定義について確認しておきましょう。

①手段選択・方法変更
②大変ではなく小変
③制約対応・現実対応


つまり、やり方を変える、小さく変える、できる範囲で変える、ということです。 筆者がオフィスカイゼンとカタカナで表記しているのも、「大きく変えなくてもいい、小変で」の意味合いを強調するためです。

今回は、どんなオフィスでも発生するオフィス環境に関する課題と、対応するカイゼン策を紹介します。(筆者がコクヨのオフィスカイゼン委員会のカイゼンマンとして約10年取り組んできたことを基にしています)

オフィスカイゼン活動は、「安全対策」をふまえたうえで「5Sのうちの3S(整理・整頓・清掃)」と、「わかりやすく」を考慮すると取組みやすくなります。下記に代表的なオフィスカイゼン策を順次紹介していきます。

1. 安全対策
①消火器の場所が分からない

オフィスのどこに消火器があるか知っていますか?
知らない人、結構多いようです。そんなときは、消火器を置いている場所の上部に「消火器サイン」を表示してあげるだけでほら、もう探さなくてよくなりますよ。

②避難路を把握していない
テナントビルの高層階で働いている人ほど、オフィスからの避難経路を把握していないことがあるようです。 執務スペースの出入口扉に避難路を表示した案内を掲示していると、もしもの時に迷うことなく避難経路に誘導できます。

2.整理
①オフィスのなかに不要なものがすぐに増えてしまう

オフィスの中にいつ誰が置いたのか分からないものが、増えていくという声もよく聞きます。 いつから置いているモノなのか、気付いた日付を表記した放置禁止シールを貼ることで、放置されたままの状態を軽減できるようになります。

②傘立ての傘があふれている
晴れた日が続いているのに、傘立ての傘があふれているのは仕事が回っていない組織だといわれます。 放置禁止シールと同様に「傘持ちかえってください」サインを貼ることで、持ち帰りを促すことができます。

③冷蔵庫にいつから入れているか分からないモノがある
お昼のお弁当や飲み物などを一時的に保管するために冷蔵庫を利用するオフィスは多くありますが、誰がいつから置いているのか分からなくなることもあります。

冷蔵庫の扉にマスキングテープや付せんとサインペンをおいて、氏名・日付を記入するルールを表示することで、冷蔵庫内にいつまでも置きっぱなしになることを避けられるようになります。

3.整頓
①共用文具をもどさない

フリーアドレスのオフィスが一般化してきて、文具を共用にするところも増えています。共用文具の姿置きコーナーがあると、使った文具をどこに戻せばいいかが一目瞭然なので、次に使う人のことを意識した行動をうながすことができます。

②使いたいときに必要なモノが無い
オフィスの中に除菌用のウエットティッシュを置くところも増えています。ウエットティッシュの本体だけを置いている場合、使おうと思って蓋を開けると中身がない、という経験をしたことはありませんか?

ウエットティッシュの本体容器と、詰め替え用パックをセットにしておくと、詰め替え用パックが無くなれば、すぐに補充することができます。これで、使いたいときに無いという状態を無しにすることができます。

4.清掃
①汚れているところがそのまま

オフィスのなかで汚れに気づくことがありますが、掃除道具が無いとそのまま放置されがちです。オフィス内に掃除道具セットを複数、配置しておくことで自主的に掃除したいと思った人の気持ちにこたえることができます。

②ケーブルに、つまずきそうになる
ノートPCや映像モニター用のケーブルを床の上に転がしておくと、足を引っかけてつまずくというトラブルが発生することがあります。

裏が面ファスナーになっている帯状のケーブルカバー(カーペット用ケーブルカバー)が市販されています。床面に転がっているケーブルに沿わせて、このケーブルカバーで抑えるようにすると、ケーブルの浮きあがりを解決できるので、つまずきを防止できます。

5.わかりやすく
①消したい照明のスイッチがどれだかわからない

天井照明のどのスイッチを押せば、どこが消えるのか分かるようにするだけで、間違えて他のエリアの照明を消してしまうことがなくなります。

②モニタースイッチの場所わかりにくい
共用モニターの電源スイッチの位置がどこにあるかが見当たらず迷ってしまうことがありませんか?
そんなときは、電源スイッチのある位置のモニター枠上に赤丸シールを貼るだけで、一目瞭然です。

3)オフィスカイゼン活動が盛り上がらない
オフィスカイゼン活動の進捗具合や、カイゼン委員を誰が担当しているのか、わからないままだと運営維持の目的も浸透できません。 オフィスカイゼン委員の顔ぶれや、進捗状況を見える化するだけで、オフィス環境が少しずつ働きやすくなっている変化を共有できるようになります。またオフィスカイゼン委員にとっても、常に変化できるようにしていこうという意欲にもつながっていきます。

以上今回は、オフィスの環境課題に対応するオフィスカイゼン策を紹介しました。
今後はオフィスカイゼン策を、一覧にしてオフィスカイゼンレシピとして、充実させていきたいと考えています。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。

一色先生

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ライタープロフィール

コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。

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コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。 水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。

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