移転プロジェクトの始め方・進め方に関することや、
プロジェクトを成功に導くためのアプローチについてお答えします。
オフィス移転の責任者を任されたけど、何からどう進めればいいの?
移転の背景と目的を把握することはもちろんですが、プロジェクト進行という観点ではコスト・スケジュール・体制の3領域で整理することをおすすめします。スタートの段階で「予算書」「ロードマップ」「体制図」を作成しましょう。“全体を描く”ことを強く意識して、内容は粗くて良いので漏れを少なくする(今は未定だが今後決める必要があると認識しておく)ことが大切です。これらの資料が今後の“To Do”をあぶり出してくれます。もちろん、オフィスの広場にお声がけ頂ければ、資料作成をサポートします。アドバイス・ガイドの範囲であれば、無料で対応できます。
新オフィスの検討に入る前に、現状の課題を洗い出したい。
どんな方法があるの?
アンケート/サーベイ、インタビュー、現地調査/実態調査などのインプットを経て、現状の課題を洗い出すのが一般的なアプローチです。サービサーのいくつかは、独自のアンケート/サーベイを用意しており、中には無料でできるものもあります。このテーマにあたり、数ヶ月をかけたコンサルティングを行うアプローチもあり得ます。目的や期間や費用の制約に合わせた手段の選択が鍵を握ります。オフィスの広場にお声がけ頂ければ、そのアドバイスと適切なサービサーを紹介させて頂きます。
どうせなら、ワークスタイル変革を取り込んだプロジェクトにしたい。
ワークスタイル↔ワークプレイスは切っても切り離せない関係です。ワークプレイスの方針を議論するには、まずワークスタイルの方針を定めることが必要だという主張は的を射ています。しかしながら、移転(時期)が決定している環境下で十分な期間を使って理想的なステップを踏むことはほぼ不可能です。ワークスタイル変革はやるのならやり切らなければいけないテーマです。移転スケジュールを組む中で、ワークスタイルに関する検討や取り組みをどのように組み込むか、このテーマに対してどの範囲でどの深さまで踏み込むか、の意思決定が必要となります。オフィスの広場としては、経験豊富なサービサー(コンサルタント)の活用をおすすめします。
オフィス移転のプロジェクトマネジメントにおいて、重要なコスト管理。
意外と分かりにくいオフィス移転に関するコストについてお答えします。
移転をする際のコストがどれくらいになるのかを知りたい。
オフィス移転に関連して発生するコストを大別すると、①新オフィス構築 ②現オフィス退去 ③移動・廃棄 ④諸費用(住所変更に伴う届け出・告知・制作物ほか)となります。最もインパクトが大きいのは、①新オフィス構築にかかる費用です。多くの場合、新オフィスの内容に合わせて想定した坪単価で試算されます。②現オフィス退去にかかる費用の大半は、原状回復工事費です。昨今、状況によっては坪単価10万円を越えるケースも散見されます。いずれも、移転の意思決定の前に漏れのない形でその概算金額を押さえておきたいところです。オフィスの広場では「予算書」の作成をサポートします。アドバイス・ガイドの範囲であれば、無料で対応できます。
なるべくコストをおさえたいが、何かコツはある?
発注先の選定にあたって比較検討のプロセスを入れること、提示された業務や工事の内容および見積に対して適切な評価や金額交渉を行うことです。工事は、発注先を指定されるB工事と発注先を選べるC工事に分けられます。設計業務やC工事に関しては、コンペや入札といった方法で比較検討をすることが出来ますが、かなりのノウハウが必要です。かける時間と得られる効果期待により進め方を判断することが求められます。C工事にしても、B工事にしても、経験の少ない発注者にとって金額交渉の難易度は高いです。大規模プロジェクトにおいては、プロマネや設計者といった工事請負とは異なる立場の方にこの機能を託すことが費用対効果を高める手段になり得ます。
当初予算からオーバーすることが多いと聞くが、それを防ぐための工夫は?
可能な限り良いオフィスにしたいという意欲が高まり、設計フェイズにおいては「あれもこれも」と盛り上がる傾向にあります。そしてそれは、工事発注のタイムリミットまで続きます。期限直前に出された最新の見積金額は、当初の想定を大きく上回るものになっています。内容の見直しや金額交渉の猶予は少なく、その時点で出来る限りのシェイプアップを行って発注する、これが典型的パターンです。この事態を防ぐためには、工事発注までのスケジュールをしっかり描いた上で設計に取りかかること、設計フェイズでの検討にあたり常に概算コストを意識した上で行うことが必要です。そもそもの体制づくりも、コスト管理には大きな影響を与えます。
オフィス移転のプロジェクトマネジメントにおいて、重要なスケジュール管理。
プロジェクト進行のガイド役となるスケジュールについてお答えします。
そもそも、移転スケジュールの組み方がわからない。
経験の浅い人にとっては最も難易度の高い課題のひとつです。一般的には、「新オフィス構築」→「引越」→「現オフィス退去」と進み、「新オフィス構築」にあたっては、「計画」→「設計」→「施工」とフェイズが設定されると捉えて良いでしょう。プロジェクトの目的によっても適した進め方は異なりますし、内容によって設計や施工に要する期間も変わります。また、対象となるビルによる制約なども影響を及ぼします。いずれにしても、何らかの形で専門家を頼ってスケジュールを組むことをおすすめします。オフィスの広場においては初期の「ロードマップ」の作成をサポートします。アドバイス・ガイドの範囲であれば、無料で対応できます。
移転先の物件は、いつ頃から探せばいいの?
ここでは小中規模(300坪程度まで)を対象とします。現状、ほとんどの物件は“6ヶ月前解約予告”なので、入居希望時期の7~8ヶ月くらい(≒6ヶ月+新オフィス構築工事期間)前に候補となる空き物件の情報が市場に出てきます。この時期を狙って物件選定に取り組むと良いです。しかしながら着手は早ければ早い方が良い。移転を考え始めたら情報収集に努めて、条件と賃料の相場観を掴んでおくことをおすすめします。これが、勝負所の意思決定を迅速にして、競り合いになった際の勝率を高めることに繋がります。一般的には入居の4ヶ月程前には物件を決めたいところです。オフィスの広場の“サービサー紹介”では、不動産仲介会社も対象としております。
移転の時期は、現オフィスの解約に合わせるべきなのかな。
ここでは小中規模(300坪程度まで)を対象とします。通常の賃貸借契約においては、現オフィス返却にあたって原状回復義務を負っています。引越しのタイミングは、解約から原状回復工事期間を見込む必要があります。引越しにあたっては、新オフィス構築工事が完了していることが前提となります。時に、一部工事を残して引越しを済ませて、稼働しながら竣工を迎えるというスクランブル対処をすることもありますが、運用負荷やコスト増を考慮すると避けたい策です。よって、新オフィスの賃貸借契約開始日(≒着工可能日)と現オフィスの解約日の間の期間に、新オフィス構築工事+引越し(週末1回)+現オフィス原状回復工事を納める形となります。
オフィスプロジェクトのマネジメントにおいて、重要な役割分担と発注先の選定。
プロジェクト成功の鍵を握る社外の体制づくりについてお答えします。
指定工事業者って初めて聞いた、ここに頼めばほとんどOKなのかな?
賃貸ビルにおけるオフィス工事においては、A/B/Cの工事区分があります。このうち、テナントが費用を負担するのは、発注先を指定されているB工事と発注先を選べるC工事です。その線引きはビルによって異なりますが、ビルの躯体や空調・電気などの基幹設備、防災設備に関する工事は概ねB工事です。ビルによっては、天井に至る間仕切工事や電源コンセント工事もB工事範囲としています。これらB工事の発注先が指定工事業者となります。C工事もその指定業者に発注するという選択肢もあり得ますが、全てをまとめてお願いする結果になるケースはほとんどありません。入居するビルの工事区分を把握した上で、自らのアクションでC工事業者を選定する必要があります。
設計者、内装屋さん、家具屋さん…何をどこまで誰に頼めばいいの?
プロジェクト次第で適切な体制は異なり、最も影響の大きい新オフィス構築のみを考えてもいくつかのパターンがあり得ます。はじめの分岐点は“設計施工一括”か“設計施工分離”かの選択です。一般的には、進行スピードや責任の一元化においては“一括”に、設計レベルや両者の知恵の出し合いによる最適化においては“分離”に分があると言えます。また、B工事を含めた複数の発注先コントロールほかプロジェクトマネジメント機能を誰が担うかの判断もポイントです。自営でやり切る、プロマネ会社をアサインする、設計施工分離の設計会社に託す、といった選択肢です。オフィスの広場では、この体制づくりにあたってのアドバイスを無料で行います。
コンペで選ぶって、みんなやっているのかな。どうやればいいの?
コンプライアンスの観点からコンペ必須としている企業も増え、何らかの形での比較検討プロセスを組み込むケースが多いです。新オフィス構築のキーパートナーには設計機能を期待しますので、要件を提示してそれに沿った具体的な提案をしてもらう“設計コンペ”を実施することが多いです。「提案依頼書」を作成し、ノミネートした複数社にオリエンを行い、必要十分な期間を経てプレゼンしてもらいます。プロジェクト期間は有限ですので、環境によっては簡素化して進行します。こういった見極め力を含めて、コンペ実施にはかなりのノウハウが必要です。オフィスの広場は、「コンペ代行」としてこのコンペの企画運営アウトソーシングをお請けします。
オフィスプロジェクトのマネジメントにおいて、重要な役割分担と社内体制の構築。
意外と難しい社内の体制づくりやコミュニケーション施策についてお答えします。
うわっ、忙しくなりそう。この社内体制で乗り切れるの?
経験の浅い方が当初イメージする以上に実際の負荷は高いことが多い様です。期間限定のプロジェクトチームが編成され、異動に近い形で専念できるケースも稀にありますが、多くの場合は通常業務も維持されつつプロジェクト業務が追加されるため、大変な期間となることは間違いないです。プロジェクトのスタート時点で、発生するであろう業務の全体を洗い出し、必要な役割分担に担当者をアサインしていきます。それぞれの役割において、他の業務よりも優先して取り組める人をつくること、進行において決して独りぼっちにしない仕組みをつくることが大切だと考えます。オフィスの広場では、この体制づくりにあたってのアドバイスを無料で行います。
オフィスづくりにおいて、社内の意見をどの程度聞けばいいの?
プロジェクトの目的次第です。トップダウンあるいは管理主導でやり切ってしまうケースもありますし、随所で様々な立場の社員を巻き込んで進行するケースもあります。ワークスタイル・ワークプレイス議論は、最終的には経営者が決断すべきテーマだと考えます。ただし、その決断に至るプロセスにおいて社員の声に耳を傾けることは大きな意味を持ちます。一般的には、アンケート/サーベイ、インタビューといった手法で声を集めます。対象者の負荷と得られる価値のバランスを考慮して、ベストな手法を選ぶことが重要です。アンケート/サーベイにおいては、過去の調査結果と貴社の結果を比較することで、貴社の特徴をあぶり出せるものもあります。
絶好の機会なので、出来る限り多くの社員を巻き込んでプロジェクトを進めたい。
社員を巻き込むことがプロジェクトの目的に沿うことであれば、積極的に実行したいですね。しかしながら、日常業務において多忙なところに新たな活動が加わることを快しとしない空気も存在します。まずは、経営陣における意識合わせ、プロジェクト責任者である役員から社員へのメッセージなどを通じて、社内の気運をつくることが大切です。社員の巻き込みは、新オフィスの計画・設計を進める上での情報収集という価値に加えて、出来上がった新オフィスを一緒に育てていく仲間を増やすという効果も期待できます。社員を巻き込む手法は、様々なサービサーが様々な工夫を凝らしています。目的や環境に合わせてベストを選ぶ目利きが重要です。
移転プロジェクトにおいては、随時さまざまな課題が現れ、それらをひとつひとつ解決する必要があります。そんな幅広いお悩みにお答えします。
リモートワークが増え、オフィスの適正面積がわからない。
執務エリアだけをとってみても、この影響は大きいです。固定席運用のユニバーサルプランであれば、単純な計算式で目安を掴めました。リモートワークの増加により在オフィス率が大きく変化しています。また、これに合わせてフリーアドレス導入が加速し、選択肢としてのワークセッティングの多様化も進んでいます。ここはもう、計算式は諦めてプロに頼って具体的なプランを基に検討しましょう。環境が整えば仮要件にてテストプランを描くこともあり得ますし、時間をかけずに近似の事例を材料に検証することもできます。複数の具体的なプランの検証を経た後であれば、「在オフィス想定人数×基準面積」という新たな参考指標を見つけられます。
自社に適した物件はどう探せばいい?
期待できる仲介会社をアサインして使い倒しましょう。お抱えのない方はオフィスの広場の“サービサー紹介”を活用してください。まずは、条件と賃料の相場観を掴むことが大切です。需要に対して反応し続けている商品ですので、その賃料設定は妥当性が高く、万人にとっての掘り出し物はありません。多くの企業がマイナス評価する点でも貴社にとっては気にならないという場合が、貴社にとっての掘り出し物となるだけです。相場観を掴み、貴社にとっての拘りどころを見出すまで、量をこなすことをおすすめします。また、オフィス立地に関するイメージ調査を行っているサービサーもあります。“らしさ”を求める物件探しには役立つかもしれません。
完成したオフィスを、是非多くの人に見てもらいたい。
会社を表現するコンテンツとして、ビジュアルアピールできるオフィス空間の写真はかなり重宝されます。昨今は、広報活動を外部委託する企業が多く、受託会社を通じてオフィスの広場への取材依頼が入ることが増えました。新型コロナウイルスにより拍車のかかったワークスタイルの変化を受けて、物理的な空間としてのオフィスにとどまらず、ワークスタイルルールを含めた働く環境としてのしくみ全般をアピールする動きも増えています。ひとまず、オフィスの広場にお問い合わせください。“気になるオフィス!”への掲載に関して検討(審査)させていただきます。合わせて、フィットしそうな他のメディアもご紹介させていただきます。
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