ライター:一色先生
2025.06.30
こんにちは。一色です。
オフィスは、まるで畑の土のような存在です。どんなに良い“種”——つまり優れた人材——があっても、土が整っていなければうまく育ちません。
耕された良い土が必要なように、オフィス空間も整え続けなければ、成果が出にくくなってしまいます。
日々の業務を支える執務スペースも例外ではありません。社員のパフォーマンスを最大化するために、「働く場のカイゼン=環境を耕し続けること」がとても重要です。
今回は、今すぐ採用できる執務スペースのカイゼン事例を5つご紹介します。
【事例一覧】
1. 掃除道具すっきりBOX
2. 共用備品が戻るしくみ
3. メンバーの名前と顔がわかるサイン
4. コミュニケーションボード近くのハイテーブル
5. Web会議でのイヤホン使用を促すサイン
1. 掃除道具すっきりBOX
フリーアドレス制が進む中で、「机の上が気になるけど、掃除道具が見当たらず、そのまま作業を始めてしまう」といった声をよく耳にします。
そんなときに便利なのが、掃除道具をセットにしたボックスを執務エリアの数か所に常備しておくことです。
「気になったらすぐ拭ける」という環境が整うことで、自然ときれいな状態が維持されやすくなります。
▼画像参照元: コクヨカイゼン委員会_カイゼンレシピ016
2. 共用備品が戻るしくみ
共用の文房具など、使った後に元の場所へ戻っていないと「使いたいのに見当たらない…」というストレスにつながります。
・共用備品に赤丸シールを貼る →「これは共用物」と一目でわかる
・備品コーナーごとに色を決める →「どこから持ってきたか」が分かりやすく、戻しやすくなる
このような小さな“しくみ”が、元に戻す意識と行動につながります。
▼画像参照元: コクヨカイゼン委員会_カイゼンレシピ114
3. メンバーの名前と顔がわかるサイン
在宅勤務やモバイルワークが増える中、社内で顔を合わせる機会は以前よりずっと少なくなっています。
メールでやりとりはしているけれど「顔が思い出せない…」というケースもよくあります。
そんなときに効果的なのが、顔写真と名前がセットになった小さなサイン。ノートPCやロッカーに貼り付けることで、顔と名前が一致し、会話のきっかけが生まれやすくなります。
さらに、「趣味」「ひとことメッセージ」を加えると、より交流が深まります。
▼画像参照元: コクヨカイゼン委員会_カイゼンレシピ122
4. モニターケーブルすっきりフック
ノートPC+外部モニターで打ち合わせや作業する光景が増えましたが、ケーブルが床や机に散乱している場面もよくあります。
そんなときは、モニター側にマグネット式のケーブルフックを取り付けましょう。
ケーブルの長さにあわせて位置を調整できるため、見た目もスッキリ。安全性もアップします。
▼画像参照元:
コクヨカイゼン委員会_カイゼンレシピ153
5. Web会議でのイヤホン使用を促すサイン
Web会議は便利ですが、スピーカーからの音声が周囲の集中を妨げることもあります。
こうした課題に対応するのが、「イヤホン使ってくだサイ」と書かれたシンプルなサイン。
このサインをテーブルに掲示しておくことで、「周囲に配慮する」文化が自然と根付きます。
▼画像参照元:
コクヨカイゼン委員会_カイゼンレシピ095
改善の定義とは
「改善」というと大がかりな改革を思い浮かべがちですが、実際には次のような考え方が基本です:
・手段選択・方法変更
・大変ではなく“小変”
・制約対応・現実対応
つまり、「やり方を変える」「小さく変える」「できる範囲で変える」ことが改善の本質です。
おわりに
オフィス環境は、何もしなければ少しずつ劣化していきます。
耕すことをやめた畑に雑草が生えるように、オフィスも放っておくと風通しが悪くなり、潤いが失われていきます。
お金をかけなくても、ちょっとした工夫で働きやすさは変わります。
「今のままでいいのかな?」と自分に問いかけるところから、カイゼンを始めてみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考リンク | 5Sの基礎|オフィスの広場
https://www.office-hiroba.com/news/766/ オフィスの環境課題別カイゼン策|オフィスの広場 https://www.office-hiroba.com/news/892/ コクヨ オフィスカイゼン委員会 https://www.kokuyo-furniture.co.jp/kaizen/ |
---|
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。 水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
オフィスの日常運営におけるニーズやオフィスの構築・移転・改修に関するご相談、お問い合わせに、経験豊富なスタッフがお答えいたします。お問い合わせ・資料請求はお気軽にどうぞ。