ライター:一色先生
2026.02.27
こんにちは。一色です。
「オフィスをきれいにしても、すぐ元に戻ってしまう」そんな経験はありませんか?
レイアウトを見直し、掲示物を整理し、不要なものを処分する。その直後は確かに整います。しかし数週間後には、机の上に書類が積まれ、共有棚に“とりあえず”の箱が増えている。
実はそれは、「人の意識」の問題ではなく、「仕組み」の問題かもしれません。
「オフィスカイゼンレシピ30」の最終回では、美しさが続く仕組み、そして自然と行動が変わる文化づくりにつながるオフィスカイゼンレシピをご紹介します。
目指すのは「頑張らなくても整う」オフィスです。

▼テーマ ▼カイゼンタイプ
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第1回 事故・迷いを防ぐ ①ケガさせない/②迷わせない
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第2回 ためない・戻す で整える ➂すてる/④もどす
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第3回 美しさと文化を育てる ⑤うつくしく/⑥形のないカイゼン
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第3回『オフィスの印象と文化を育てる』オフィスカイゼン
オフィスカイゼン活動は「安全安心」、「迷わせない」をいしづえ(礎)として、
「すてる(整理)」、「もどす(整頓)」、「うつくしく(清掃)」、「形のないカイゼン」 が基本となる活動です。
タイプ⑤ うつくしく【キレイを保つと異常が見える】
「すてる」、「もどす」 が習慣化すると、キレイな状態が保てるので、異常が発生したときにすぐに気付けるようになります。ポイントは「キレイにする」ではなく、「乱れにくくする」設計に変えることです。
・掃除ツールボックス
掃除道具が置かれていないと、汚れに気づいてもそのまま放置されがちです。道具一式をまとめ、複合機コーナーなど、オフィスの中に数か所設置しておくだけで、自主的に掃除したいと思った人の気持ちに応えることができます。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・折りたたみ傘用傘立て
傘立てに折りたたみ傘用の置き場所がないと、自席に近くに持ち込んで床に広げて干してしまうということが起こりがちです。
そんなときは既存の傘立てに「折りたたみ傘用の傘立て」を後付けしましょう。専用の置き場所として認識され、自席に持ちこむことが抑えられます。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・段ボールストッカー
郵便室入口近くなど、段ボールストッカーを設置する場所を決めることで、郵便室で荷物を取り出して、その場で段ボールをたたむ習慣が身につきます。
段ボールの箱が通路や壁ぎわに散乱する現象を防げます。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・シュレッダーボックス
シュレッダーを利用しようとしたら、ごみが満杯ですぐに使うことができなかった、なんて経験ありませんか? 急いでいるときに大量のゴミを取り出して、新しいゴミ袋をセットするのが面倒なので、結局他のシュレッダーを使用するといったことも起こりがちです。
シュレッダーの横にゴミ袋を予めセットしたシュレッダーゴミボックスを設置しておくと、満杯になったときに、ゴミボックスを交換するだけですぐにシュレッダーを使えるようになります。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・配線ボックス
配線の乱れは、美観だけでなく安全面の課題でもあります。床や机下の配線をまとめるだけで、空間は驚くほど整って見えますよ。
これらに共通するのは、“人を変える”のではなく、“環境を変える”発想です。
乱れない前提で設計することが、印象を保ち続ける最大のカイゼンなのです。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

タイプ⑥ 形のないカイゼン【習慣を積み重ねる】
最後は、形にならない運営面の取り組みです。
コミュニケーション活性化や、体験の共有を通じて、人間関係を良好にしたり、組織の一体感を醸成するための習慣として継続できる活動が大事です。
・カイゼン委員会
部署横断のメンバーで小さな改善を共有。月1回や2か月に1回など、定期的な活動で “改善を話題にする場”があること自体が、継続の土台になります。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・オー!ハッピーデー!
「入社記念日」や「結婚記念日」「必ず行きたいイベント」など “自分がハッピーだと思う日“をカレンダーで休みを宣言します。全社員で共有することで、休みを取得しやすくする仕掛けです。
「オー!ハッピーデー!」の前後3日間はデスクに「ハッピーフラッグ」を立てます。休暇を取り易くなり、会話のきっかけにもなるので、職場の雰囲気も明るくなります。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・5Sタイム声掛け
週一回、終業前に10分間掃除を行う5Sタイム(クリーンタイム)を実施するのはいかがでしょう?
開始時間に音楽を流して参加しやすくしていても、参加者が増えないような場合、上司やオフィスカイゼン委員会メンバーが積極的に声をかけるだけでも参加者が増えていきます。
クリーンタイムは「単なる掃除の時間」ではなく、「社員同士が共通の体験を持つことで会話が生まれる時間」と捉え直すことで、場の雰囲気が大きく変わっていきます。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・アナログコミュニケーション
社内のイントラネットの掲示板やサイネージで社内情報の共有を行っていても、多くの社員が集まる場所に設置された、「アナログの掲示板」や「ボードメッセージ」は情報を伝えるためにも有効です。
ただその情報が整理されずに掲示されているだけだと、伝えたい情報がスムーズに伝わらないといったことが起こりがちです。
そこで、「重要」や「New」「Check」などのマグネットサインを貼り付けることで、お知らせの重要度や新情報がパッと見て分かるようになります。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

・社外勉強会
他社のオフィスカイゼン事例に触れることで、自社の課題が客観的に見えてきます。外からの刺激は停滞を防ぐエンジンになり、「課題が生まれる理由」を知ることは気づく力の向上に役立ちます。
形のないカイゼンは、「やらされ感」ではなく、「みんなでつくる感覚」を育てます。
▼出典:コクヨのオフィスカイゼンレシピ

まとめ
小さなレシピの積み重ねが、やがて空間の印象を変え、働き方を変え、そして文化を変えていきます。
目指すのは、「総務が頑張り続けなくても回るオフィス」です。
完璧を目指さなくて構いません。
まずは一つ、取り入れやすいレシピから。小さな成功体験を積み重ねることが最大のカイゼンです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
一色先生
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
一色先生
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。 水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
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