ライター:一色先生
2024.06.26
一色です。こんにちは。
いままでオフィスカイゼン活動について、いくつか紹介していますが、オフィスカイゼン活動を組織的に活発にするためには、組織のメンバー全員の意識を高める必要があります。
あなたのオフィスは、オフィスカイゼンに対する社員の認識はどのような状態でしょうか?
組織メンバーの意識を高めるために「オフィスカイゼンボード」は有効な取組になります。
今回は「オフィスカイゼンボード」について押さえておくべきポイントについて説明します。
1.オフィスカイゼンボードとは
オフィスカイゼン活動の状況を社員が認識できるように、壁面を利用して掲示する活動紹介の掲示板です。
すべての社員が利用するラウンジや、オフィスの中央スペースに設置されます。
▼参考:オフィスの広場(2022.11.18)オフィスカイゼンベスト10
2.オフィスカイゼンボードの目的
オフィスカイゼンボードの目的は、一言でいえば「オフィスカイゼン活動の定着」です。
オフィスカイゼン活動を進めるうえで、カイゼン活動の目的や、カイゼン委員会のメンバー、進捗状況を共有することで、社員の参加意識を高め、多くの関心が集まるようになります。
カイゼン委員会のメンバーにとっては、活動が見える化することで活動が停滞しないようにしなければいけないなどの、いい意味でのプレッシャーになります。
3.オフィスカイゼンボードのメリット
メリットは次の3点です。
①不具合の早期発見
②カイゼン意識の向上
③カイゼン状況の共有
オフィスはオープンした時から劣化が始まります。オフィスを最適な状態に維持するために、大事なことはオフィスの不具合が発生したときにすぐに発見して、対処できるかです。
常にオフィスがカイゼンされて、働きやすい状態が続いていると、カイゼン状況を全員で共有することになります。オフィスカイゼン委員会メンバーが中心にカイゼン活動を行いますが、カイゼン状況の共有が進むと、社員のカイゼン意識が高まり協力してくれる社員が増えてきます。
4.オフィスカイゼンボード設置の注意点
オフィスカイゼン活動を習慣化して定着させるためにオフィスカイゼンボードは有効ですが、注意すべきことは次の3点です。
①不具合の放置
不具合に気付いた社員が付箋で見えるようにしてくれますが、不具合はすぐに手を打たないと、いつまでたってもよくならないという状態も見えるので、不具合を指摘したのに放置されているという感覚が起こってしまいます。
この状態が重なると、言っても変わらないという雰囲気が伝わり、カイゼン活動がしぼんでしまいます。
(良かれと思って、いろいろ提案しても、無視されていると意欲が無くなってしまうことはいろんな場面でありますよね)
②掲示物の背景化
掲示物は何も変化がないと、ただの背景になってしまい、見えるように掲示していたのに、全く気づいてくれない状態になりがちです。常に変化している状態を継続することは大事なポイントです。
③活動の停滞
オフィスカイゼンボードを設置するということは、社員にむけて「常にカイゼン活動を活性化しますよ」という宣言でもあります。
オフィスカイゼン委員会の覚悟がないまま、気やすくオフィスカイゼンボードを設置しないようにしましょう。
5.オフィスカイゼンボードのつくり方
オフィスカイゼンボードは下記の要素の組み合わせで構成します。
①オフィスカイゼン委員会メンバー紹介
②オフィスカイゼン活動の目的(目的を共有することは基本中の基本)
③平面レイアウトなど不具合フセン貼付けシート(葉のない木のシルエットに、不具合を葉の形の付箋、カイゼン策を花の形の付箋で貼り付けている例もあり)
▼画像引用元:コクヨオフィスカイゼン委員会
④カイゼンプロセス(提案・検討・実行・見送り・終了)
⑤実施内容紹介
▼画像引用元:コクヨオフィスカイゼン委員会
今回はオフィスカイゼンボードのポイントを紹介しました。オフィスカイゼンボードも目的や注意点を考慮すれば、さまざまな工夫を反映できます。
オフィスは畑の土なので、常に耕すことが最適を維持する唯一の方法です。
オフィスカイゼン活動の活性化のひとつとしてオフィスカイゼンボードをぜひ考えてみてください。ここまで読んでいただきありがとうございました。
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。 水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
オフィスの日常運営におけるニーズやオフィスの構築・移転・改修に関するご相談、お問い合わせに、経験豊富なスタッフがお答えいたします。お問い合わせ・資料請求はお気軽にどうぞ。