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気になるノウハウ!

ライター:一色先生

2024.02.28

教えて!一色先生~成功に導く「オフィスカイゼン・ワークショップ」の進めかた

一色です、こんにちは。

どんなオフィスもつくってから、うまくいかないことや、不具合が出てきます。

*フリーアドレス運用にしたのに、席に荷物を置いたままで長時間席を外す人がいて、他の人が使えない。
*ホワイトボードマーカのインクが切れたまま放置されている。
*ゴミ分別のルールを決めたのに守られずに捨てられている。
などなど。

あなたのオフィスでは大丈夫でしょうか?

オフィスが当初の目的通り運用されることで、組織のパフォーマンスは高まります。

今回はオフィス運営維持の取組みとして「オフィスカイゼン・ワークショップの進め方」を紹介します。(筆者がコクヨのオフィスカイゼン委員会のカイゼンマンとして約10年取り組んできたことを基にしています)

オフィスが完成すると、「運営維持は総務の仕事だ」と丸投げされていませんか?総務だけで抱え込まず、ぜひオフィス運営委員会を立ち上げて、社員の協力を得ながら取り組んでみることをお勧めします。各部門から1名ずつオフィス運営に携わる運営委員になってもらうというものです。

オフィス環境は何もしなければ劣化していくもの。オフィスは畑の土と同じで、常に耕していないと本来必要な作物に養分を与えることができなくなってしまいます。オフィスは常に手を加えて最適な状態に維持する必要があります。

オフィス環境が乱れる原因のひとつは、問題点が放置されることです。早めに不具合や不満の状況をつかんで、すぐに手を打つために、オフィスカイゼン活動はとても効果的です。

■オフィスカイゼン・ワークショップの目的と頻度

オフィスカイゼン・ワークショップの目的は、オフィスの課題の早期発見と改善策の具現化です。開催頻度は毎月か2か月に1回程度。定期的に開催することがポイントです。課題が溜まってからカイゼンしよう、、、これではいつまでたっても改善されないでしょう。

無理やりにでも毎回3件や、5件の改善策を形にするんだと決めておくと、少しずつ働きやすいオフィス環境になってきていることを実感できます。(そうなれば、社員の皆さんがカイゼン活動に協力してくれるようになってきますよ)

すごいアイデアの改善策でなくてもとにかく出し続けましょう。ピカリと光るアイディアは、量を出すことで生まれます!

■オフィスカイゼン・ワークショップ役割分担

開催にあたり次のような役割分担をしておきましょう。
・進行役(ワークショップのファシリテーション・進行担当):オフィスカイゼン委員会リーダー
・オフィス課題の洗い出し:オフィスカイゼン委員(各部門から1名)
・改善策の具現化担当:オフィスカイゼン委員会事務局(総務、情報システムの実務担当)

■ オフィスカイゼン・ワークショップ会場

ひとつのチームは6名から7名。模造紙を広げることのできるテーブルを囲めるように配置しましょう。

■オフィスカイゼン・ワークショップで使用する備品

・模造紙
・付箋(75×127)
・サインペン(太字)
・マスキングテープ
・ちいさなチョコレート

※場を和ませるちょっとしたおやつがあると、楽しく意見が言いやすい雰囲気を演出できます。

■ オフィスカイゼン・ワークショッププログラム

①オフィスカイゼン委員会の目的共有
毎回、開催するたびにオフィスカイゼン委員会の目的を参加メンバー全員で共有しましょう。「気持ちよく働けて自慢できるオフィスにする」「来たくなるオフィスにする」など。

委員会メンバーの気持ちをひとつにするためには、めざす目的を共有することはとても大事です。

②今回のテーマ・ゴールイメージ
委員会の目的共有のあとは、今回のワークショップのテーマとゴールイメージの共有です。
>>>テーマ「オフィス空間で気になるところ洗い出し」「もっといいオフィスにするには」
>>>ゴール「オフィスの課題一人5件は提出」
など。

③気になるところを洗い出し(15分)
メンバー全員で付箋(75×127)を持って15分間オフィス内をチェック。気になるところを見つけたら付箋に書いていきます。

④付箋を模造紙にグルーピング
課題を書いた付箋を模造紙に貼る。同じような課題を書いた付箋をグルーピングしていきます。

⑤関心の高いものを抽出
参加メンバー全員に赤マルシール(●)を3粒ずつ配付します。グルーピングされた付箋の内容で関心の高いもの、優先順位の高いものに赤マルシール(●)を貼ってもらいます(こうすると出された付箋が絞られてきます)。

⑥課題内容の発表
フセンに書かれた課題がグルーピングされたところで、どんな課題があったかを各テーブルごと発表してもらいます。

⑦次回開催日の連絡
最後に次回開催予定日を発表して終了になります。
ここまでで約60分。ワークショップ会場で行うことはここまでです。

----------------------------------------------------------

⑧課題をヒントに改善策検討
ワークショップ終了後に事務局で、模造紙にグルーピングされた付箋の内容ごとにエクセルで一覧表にしておきます。

⑨オフィスカイゼン事務局で改善策具現化
出てきた課題を参考にオフィスカイゼン事務局メンバー(ここからは総務や、情報システム部門の改善策具現化チームが対応します)が、次回開催日までに課題(不具合のあったところ)を改善します。具現化された改善策は、改善前と改善後の写真を撮って記録に残して、どんな改善が行われたかを見える化しておくと、社員に関心を持ってもらえるので効果的です。

気になるワダイ!快適なオフィスの維持管理が社風にも影響!「オフィスカイゼン委員会」より

◆◆◆まとめ◆◆◆

オフィスカイゼン活動はなにより、継続することが大事です。1回のワークショップの時間も1時間程度で実施することで、参加者の負担を軽くできます。ワークショップに参加できるのも年に数回だけなので、毎回明るく楽しい時間を過ごせるようにしましょう。オフィスカイゼン委員は1度体験すると、オフィス環境に対する愛着もでて運営維持に関する行動ができるようになります。運営委員は1年ごとの交代制にすることで、オフィス環境に対する意識の高い社員を増やすことができます。

オフィスに対する愛着を持った社員が増えることで、最適なオフィス環境を維持することに繋がります。オフィスカイゼン活動が定着するようにぜひ取り組んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

一色先生

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ライタープロフィール

コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。

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