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気になるノウハウ!

ライター:一色先生

2022.08.12

教えて!一色先生:オフィスづくり「こんなはずじゃなかった」をなくすために

トッシーこと一色です!こんにちは。

オフィスをつくった後に、こんな問題が起きていませんか?

「オフィスを意図したように使ってくれない」
「コミュニケーション活性化をねらったのに、全く社員間の交流が無い」
「新しいオフィスに移ったのに活気がない」


筆者は、オフィスをつくった後に、
活性化するためにどうすればいいか?とか、
日経ニューオフィス賞に応募したいのでオフィスの現状を診てほしい

という相談を受けることが、よくあります。

そんなときオフィスを診て感じるのは、「オフィスづくりの最初にやっておくべきことが、十分できていないままに、オフィス構築プロジェクトを推進している」ということです。

今回は、オフィスづくりの後に「こんなはずじゃなかった」と言わないためにおさえておきたい3つのポイントをご紹介します。

目先の課題を解決することだけに注力して、本来あるべき経営に寄与するオフィスを構築していないと、すぐに上記のような問題が発生しがちです。

オフィスづくりでおさえておきたい重要な3つのポイントをご紹介します。

1.企業のミッション(使命)/パーパス(存在意義)の明確化

オフィスは企業の未来をつくるための大きな投資です。

企業のミッション(使命)、ビジョン(構想)、バリュー(価値観)は社会から求められるもので、従来のオフィスづくりはこの3つを起点とすることが多かったですが、最近は 企業経営のキーワードとして、パーパス(存在意義/志)があげられています。

「パーパス経営」の著者である名和高司氏は、パーパスを「志」と訳しています。会社は「自分たちは誰にどのような価値を提供したいのか?」という志に共感する仲間によって構成されているべき。全員が共有できる「大志」が必要と述べられています。

どの社員に訊いても企業のミッションやパーパスをすぐに応えられる状態にすることが、企業経営にとって、とても大事なことです。何の為にこの組織で仕事をしているのか、根本の「志」を共有していると、社員一人一人の貢献意欲も高まります。 パフォーマンスの高まらない組織は、社員の思いがバラバラで、同じ方向を目指していないことが原因の場合が多いです。

オフィスづくりは、社員の思いを一つにする、絶好の機会とも言えます。

2.オフィスづくりの目的/トップの思いを共有

オフィス移転後、ねらい通りの使われ方をしないのは、社員がオフィスの目的を共有していないことが多いです。オフィスづくりについて経営トップはどんな思いをもっているのか。その熱い思いを全社員で共有することで、一人ひとりの意識は変わっていきます。

オフィス構築前にどんな働き方をしたいのか、どんなオフィスにしたいのかの意見を吸い上げるために、ワークショップを頻繁に開催している企業もありますね。オフィス移転後もどのようにオフィスを使えばいいのか、考慮した行動ができるようになるでしょう。

オフィス移転前には全社員に向けて、新オフィスのコンセプトや概要を知らせる説明会を開催すると思いますが、移転後の入社者まで説明がいきわたっていますでしょうか?ぜひ、新しくオフィスの一員になった社員にも、オフィスコンセプトを共有してほしいものです。

マヨネーズで有名なキユーピー株式会社のオフィスでは、新しく配属された社員やパートナーを集めて、定期的にオフィスの目的やオフィスコンセプトを担当役員が解説する説明会を実施しています。オフィスで働く全員が、オフィスのことを理解していることで、オフィスで行われる活動は、常に活性化した状況を維持できています。

3.達成したい働き方の設定

オフィスを移転してから、何をもって成功といえるのか、あらかじめ設定していますか?

オフィスづくり構築プロジェクトは将来に向けての投資です。企業にとっての投資とは将来の利益のためにお金を使うこと。クリエイティビティやイノベーションを目指すといいながら、働き方をどのように変えるのか、成果が見えない。評価ができない、投資対効果がよくわからないオフィスというのもよく見かけます。

どのような働き方になればいいのか?新しい働き方によって何をもたらせばいいのか、あらかじめ設定した状態にするためには、働き方浸透プログラムも重要になります。

丸紅株式会社では「働き方浸透プログラム」をマネジャークラスと、一般社員にそれぞれ10回程度実施。マネジャークラスの参加率は90%という高さで、求める働き方を定着させ、移転後も狙い通りの働き方が実践できているようです。

オフィスづくりは企業にとって通常は、実施頻度の少ない大きなイベントです。構築したオフィスが、経営に寄与するのかどうかで、企業の成長発展に大きな影響を与えます。

目先の課題解決を優先するのではなく、長期的なビジョンのもとにオフィスを構築しなければ投資が活かされないことになります。 自社がどうありたいのか、誰に何を提供するのか本質を追求し、全社員で共有することが、有効に機能するオフィスをつくることにつながります。

オフィスづくりの目的は、環境をつくることではなく、ありたい姿になるために社員の行動を変えることにあります。 オフィス構築プロジェクトを進めるにあたって、本質や根本は何なのか?について、追求してもらえればと思います。

ここまで、読んでいただいてありがとうございました。

一色先生

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ライタープロフィール

コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。

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