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気になるノウハウ!

ライター:一色先生

2022.03.29

教えて一色先生!知っておきたいオフィスの歴史2~オルタナティブオフィス戦略~

こんにちは!一色です。

今回紹介するのは
「知っておきたいオフィスの歴史2 ~オルタナティブオフィス戦略~」です。

オルタナティブとは英語で「代わりの」とか「代替の」の意味。それまでの伝統的なオフィスとは異なるオフィスの形態をいいます。 1989年10月17日に発生したサンフランシスコ大地震で高速道路や自動車道の損傷で通勤不可の状態になったことがきっかけだったようです。そのような状態の中で着目されたのが、当時導入され始めた情報通信ネットワークを使ったテレワークでした。

「いつでも・どこでも」働けるようなった場合の、働く場の在り方を再構築する動きが「オルタナティブオフィス戦略」です。

ワークプレイスとワークスタイルの革新を目的に、オルタナティブオフィス戦略の具体的な試行が始まりました。ユニバーサルプラン、ノンテリトリアル等の形態で企業が提供する様々なスペースを、個人が働く空間として自由に選択できるようになり仕事の進め方や働き方が大きく変わりました。

こういったオフィスの出現は、仕事の仕方やコミュニケーションのあり方、情報の取り扱いなどの変化にも影響を与えました。また、サテライトオフィス、サードプレイスなどのセンターオフィス以外の働く場の活用を促し、更なる仕事の効率向上が可能になるなど、企業がオフィスを戦略的に考える動きをもたらしました。

オルタナティブオフィス戦略から生まれた新しいワークプレイスの形態をいくつか紹介します。

(参考資料:「オフィスづくりの基礎知識」―人・組織・オフィスをとりまく環境を整える―/一般社団法人日本オフィス家具協会)

(1)ユニバーサルプランオフィス

ユニバーサルとは「汎用な、普遍的な、万能な」という意味です。ユニバーサルプランオフィスはレイアウトやスペースの基本単位を標準化して設定し、それをオフィス全体にわたって適用するオフィスの運用方式です。基本的に組織変更があっても、レイアウト変更をしないオフィスづくりをするのがユニバーサルプランオフィスです。組織変更の時には家具は動かさずに人の移動のみで対応します。これによってレイアウト変更に伴う費用が大きく削減できる利点があります。

(2)ノンテリトリアルオフィス

1970年代にカーネギー・メロン大学のトーマス・アレン教授によって提唱されました。 ノンテリトリアルオフィスとは「領域(テリトリー)のないオフィス」です、相互交流を高め、知的生産性を向上させるために席を固定せずに、自由自在に着席するオフィスです。ナレッジワーカー(知識労働者)に適しています。

(3)フリーアドレスオフィス

ノートPC、タブレット、スマートフォンを使用して、個人専用のデスクではなくフロア内のテーブルと椅子が設置されているところを、自由に選んで仕事をするスタイルです。 日本では1987年に清水建設の技術研究所で試験的に導入されたのが最初になります。当初の目的は空席の回転率を高めるためのスペースコスト削減でした。当時は固定電話や紙文書などがあることで行動の自由を制限されていましたが、携帯電話やネットでの情報共有が進んで、よりフレキシブルな働き方が促進されるようになりました。

(4)モバイルオフィス

モバイルワークは、情報が時間や場所に係わらず自由自在に扱えるようになり、「いつでも、どこでも仕事ができる、仕事をする」という働き方です。 自宅や、駅周辺のカフェやサードプレイスで、出張先のホテルで、旅先のリゾートホテルで、そして公園のベンチなどで仕事をする働き方です。

(5)サテライトオフィス

センターオフィスを中心にして、衛星のように配置されるオフィスをいい、米国ではテレワークセンターとよばれます。 仕事の効率を向上させるとともに、都心部の交通渋滞、排気ガス問題を軽減するために、テレワークを基本にしたサテライトオフィスの設置が積極的に進められてきました。日本では生産性および業務効率の向上、顧客サービスの向上などの目的に加えて、通勤時間の短縮、交通機関の混雑緩和などの目的から職住近接や顧客近接を図り、部門に係わりなくワーカーが利用し合うことができます。

(6)ホームオフィス

従業員が自宅で在宅ワーク(テレワーク)ができるよう情報設備などを整備したオフィス。 日本では2011年3.11以降、BCP(事業整備計画)の一環として在宅、テレワークを週に一日程度できるように情報装備を導入する企業が拡大しました。 2020年のコロナ禍の影響を受けて在宅勤務は急速に普及が進みました。

(7)タッチダウンオフィス

モバイルワークやテレワークをするワーカー、他のオフィスからの出張者などが、立寄って仕事ができる設備をもつオフィスのことです。。

(8)コワーキングスペース

コワーキングとは、事務スペース、会議、打ち合わせなどのスペースを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルのことです。一般的なオフィス環境とは異なり、各種のプロジェクトワークで利用されることが多い。 コワーキングは独立して働きつつも価値観を共有する参加者同士が組織を超えて集まる働き方です。 才能ある他の分野の人たちと刺激し合い、仕事上での相乗効果が期待できるという面も持ちます。 すべてのスペースを共有したり、イベントを行ったりといった試みを通して参加者同士のコミュニティ育成を重要視する傾向が強いことも大きな違いのひとつです。

(9)フューチャーセンター

フューチャーセンターとは、企業、政府、自治体などの組織が中長期的な課題の解決を目指し、様々な関係者を幅広く集め、対話を通じて新たなアイデアや問題の解決手段を見つけ出し、相互協力の下で実践するために設けられる施設です。施設は一般に、研修スペースや学習スペース、ミーティングスペースなどで構成されます。 1996年にスウェーデンの保険会社、スカンディア社がストックホルム郊外のバクスホルムに開設したのをはじめ、ヨーロッパの重電機メーカーABB、オランダ政府、デンマーク政府などが開設しました。  

(10)シェアードオフィス

スペース効率とインタラクティブ性を高めるために、デスクを減じて共有化し。空席に自由自在に着席するオフィスづくり。

(11)ABW

ABWとはActivity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略称で、働き手それぞれが「いつ・どこで・誰と働くか」を自由に決められる働き方のこと。元々オランダから始まったワークスタイル。 ABWはオフィスの内外を問わず働く時間を自由に選べるので、自宅やカフェなどを働く場所にすることができます。テレワークなどより自由度が高くさまざまな効果が期待されることから広く採用されています。

いろいろなタイプのオフィス様式が出てきたので、違いが分かりにくいと感じた方も多いと思います。

ノンテリトリアルオフィスに関するオフィスについて違いを整理しておきます。ノンテリトリルオフィスにおいても変遷の状況を知ると理解しやすくなります。 ノンテリトリアルオフィスとフリーアドレスオフィス、見た目はよく似ているので同じような意味で使っていることもよく発生しています。

図にあるようにノンテリトリアルオフィスはフリーアドレスオフィスよりも以前に提唱されています。それぞれの目的をみると、
ノンテリトリアルオフィス → 知的生産性向上
フリーアドレスオフィス → スペースの有効性向上

を目的として始まっています。(フリーアドレスオフィスから派生した取り組みとしてグループアドレスオフィスがあります。これは空席に自由自在に着席はしますが、グループが集まるエリアを設定してその範囲の中で自由に着席するオフィスづくりです。)

同じようにシェアードオフィスとコワーキングスペースもよく似ています。シェアードオフィスは企業内で空間を共用する考え方から始まっています。コワーキングスペースの目的は場所を共用するというより、コミュニティ形成をねらいとしています。組織を越えて集まる働き方でスペースや利便性といったメリットだけではなく、才能ある他分野の人たちと交流することで仕事上での相乗効果を期待している面を持っています。

以上今回は オルタナティブオフィス戦略を紹介しました。

オルタナティブオフィスの動きは、伝統的なオフィス運用形式のなかで、今よりもっとよくするためには、どんな方法があるのかを考えるムーブメントを生み出しました。

オルタナティブオフィスという言葉は最近では、あまり使われることは無くなりましたが、 現状に甘んじることなく、他の方法はないかと問い続ける姿勢はどんな時代でも必要なことです。 日々の仕事の仕方や、オフィス環境について、ほんの小さなことでもいいので、今よりもよくするためにどうすればいいか。工夫する意識を持ち続けたいと思っています。

次回は「日本のオフィスの変遷」について紹介します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

一色先生

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ライタープロフィール

コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。

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