ライター:セッキ―
2024.04.22
こんにちは!今回は、虎ノ門ヒルズステーションタワーに移転された、CARTA HOLDINGS(カルタホールディングス)さんにおジャマしましたー!!
2019年の経営統合によって生まれた同社。グループ会社22社を束ねる、総勢1,500名を超える巨大な組織です!2023年、渋谷と東銀座の2拠点に存在していた東京オフィスをいよいよ統合移転し、物理的な距離が縮まりました!
そこここにたくさん見受けられた“ベニヤ板”の素朴な素材感。
塗装されていない会議室の壁面。
まだ工事中かなと思わせるようなむき出しの建材。
そのときの用途や人数に合わせて形を変化(進化)させられる柔軟な家具什器たち。
進化する余白を残した、「完成された未完成」なオフィスがそこにはありました。
さあ行くよ~!!
場所は虎ノ門ヒルズステーションタワー36階という見晴らしピカイチのフロアになります!ちなみに取材NGだった37、38階は執務フロアと合わせて3フロアに入居されていて、それぞれの広さは1,000坪もあります。
デザインコンセプトは「完成された未完成」
今回お話を伺ったのは、
グループコミュニケーション本部の副本部長、大橋徹さん。
常時笑顔で撮影に応じてくださいました^^
グループ会社の取締役も務めるお忙しい日々の中、移転PJが佳境に入ったところでディレクションを任されたそう。
大橋さん
「移転が決まった当初、総務を含むバックオフィスメンバーでプロジェクトが進んでいました。物件選定や大枠のレイアウトも決まったところで、いよいよ内装というところで僕がアサインされました。設計は、代々VOYAGE GROUPのオフィスを担当してくれていた船場さんで、コンセプトを形にするという一番難しい局面でも議論を重ね、力になってくださいました。」
(統合前の)旧VOYAGE GROUPといえば、海賊船のある印象的なオフィスで、第33回日経ニューオフィス賞を受賞されていましたよね!独創的なあの特色が活かされているのか、まったく違う雰囲気のオフィスなのか、とっても楽しみです♪
▼海賊船を模したスペース、初代「AJITO」(左)、二代目「AJITO」(右)
今回のオフィスコンセプトは、「進化」をキーワードにまとめられています。
4 EVOLUTiON: -----------------------------------------------------
①For me 生産的でクリエイティブな、進化に繋がる作業空間
②For team 絆が生まれる、進化のきっかけとなる交流空間
③For us 偶発的な出会いで、進化の渦を巻き起こすコラボレーション空間
④For people & future そして、それらが人と未来を拓いていくために
-------------------------------------------------------------------------
進化していく“ために”(FOR)と“4”(FOUR)を掛け合わせています。一番難しかったのはこれらをオフィスデザインにどう落とし込んでいくか、だったそうです。
大橋さん
「進化を促す空間を表現したくて。進化って時間の流れ・移り変わり、つまり動いているものを静止形のオフィスにどう落とし込むのか、を議論し続けましたね。“進化をどう浴びるか、浴びせるか”、みたいな。最終的に、完成されきっていない、余白を残していることでさらなる進化を誘発する、というイメージで、『完成された未完成』という言葉に落ち着きました。」
なるほど!たくさん余白を探してみたいと思います!
いよいよオフィスツアー、スタートしまーーす!!
* * * * *
まず入って見えたのが、、、
座るか座らないかは、アナタ次第。っていうベンチ…?でしょうか。面白いですね、前のオフィスでそれぞれが使っていたイスの脚をカットして組み合わせて作ったアートだそう。まさに「統合」をイメージされて作られている感じがします!私が座ったら壊れそうなので見るだけにしました。
上から見ると、ロゴマークの形になっているんですって!「CARTA」の「C」の部分ですね!横から撮ってますけど^^;
こっち側はテーブルですか~いやすごいなこれ。高さを合わせてカットするの大変でしょうね。実際に使っていたメンバーからすると、「あそこにあった家具だよね」なんて想いに浸ったり浸らなかったり。
よかった、普通のベンチもありました。建材がむき出しになってるのが「未完成」感ですね!
この壁、左から右に向かって見てみてください。壁が仕上がっていく様子そのもの、これこそ同社の「現在進行形で進化している様子」を表現されています!
まず銀色の軽量鉄骨(通称Cチャン)が等間隔に置かれ、その上に順番に板張りしていき、黒いクロスが貼られていきます。その先はナントカ亜鉛メッキ加工でより洗練されたオシャンティな壁になってる。
「いまのCARTAがこのあたりにいて、もっと進化したところに、目指す姿である“EvolutionFactory”が位置しているんです」(大橋さん)
なるほど!わかりやすい!
天井もかっこいいです~こちらはプラザ。個人ワーク、チームミーティング、お食事タイムにも活用され、また社内外の交流の場に活躍しています。
ちょっと図工室を連想させる素朴なテーブルとイスたち。テーブルは天板を外して形を変化(進化)させられる造作モノ!すべて可動式なんです。
フロア全体をぐるりと一周できるオフィス、左手の方からおジャマしていきます。
会議室がたくさん並ぶエリアに入っていきます。
部屋のガラス面の外側には等間隔で“ガチャ柱”が使ってあり、場所によって目隠しになるパネルやマグネットパネル、棚などがひっかけられています。
「これがめっちゃ発明なんですよ!縦に二つ並べたら目隠し部分が増えるし、
こういった棚を付けちゃえば、ミーティング後のちょっとした話し合いとか、カバン置いたりとか、作業にも使えますね」
↓これ!すご!!
ほんとに筆者感動しました!よく会議室のすぐ外に簡単なMtg.セットやベンチが置かれているのは見かけますが、これは初めて。省スペースで、画期的。
↑これ、立ててあるほうは書けるんですよね。
そういえばさっきこういうのも↓ありました。これ、ホワイトボードなんですよね(ホワイトじゃないけど)。思い立ったらすぐにアイディアを披露できるって素敵。
こんな三角のスペースは、まさに“余白”ですね。意図的にスペースを残しているのだそう。
めちゃくちゃ景観のいいフリースペースがたくさん!電動昇降テーブルはなかなか自宅には導入しないですもんね♪
ピンクの壁面。これは塗装しているわけではなく、素材そのものの色を活かしているもの。
「建材って用途別に色分けされているんですよね。それをそのまま利用しています。別の部屋はグリーンのもありますよ」なるほど。たしかにありました。上の部分は採光もできていい感じ、なんかすごい斬新!
「打ちっぱなしの壁とかも“進化の途中”感があってやりたかったんですけどね、大工さんが字を書いたのや接着剤の跡がそのまま残っているような。でもそれをオシャレと思うかどうか、PJチーム内でも考え方に違いがあって、ここは完全に主観なのでまとめるのがちょっと苦労した点かもしれません。」
あ、出ました。仕事できなくなるやつですよね、これ(※個人差あります)。「空室」「使用中」のほかに「就寝中」も用意しましょ(笑)。
クワイエットエリア「FOREST」は全部真っ黒~~!
天井まで真っ黒です。「個人的には黒過ぎるとほこりが気になってしまい集中できない」とのご意見もありましたが、大丈夫、とってもきれいですよ。
ガチャ柱も黒ってあるんですね。
“異空間に身を置く”体験ができる場所を、とのことで会議室の中も真っ黒。ホワイトボードならぬブラックボードがありました。白ペンで書くんですね。ちなみに床まで黒にすると照度が落ちすぎてしまい、精神衛生上よろしくない基準になってしまうということで断念。
WEBブースがずらり。
こちらは本格的な機材が揃うスタジオです!オンラインで配信することが増えて大活躍。四半期の決算説明会はもちろん、社内でのお知らせ配信などもここで収録しているそう。
配信風景を見せたいときはカーテンを開けて。スペイン坂スタジオ気分♪
明るいエリアが見えてきたらやっとフロアの半分です!
植栽をブリキ缶に植え込んでいるなんて斬新ですね!すごいおしゃれ。
日光に当てないと元気がなくなるグリーンさんたちは、いつでも窓の方へ移動できるよう可動式のカートの中に。なんかとてもかわいい。
半個室的なブース、これまた明るくて全然雰囲気の違う設えですね。やっぱり全部キャスターついてる。
ここからはイベントホールが二つ、つなげれば大きくできるそうです。テイストはザ・○○感ですね。わかりますか?あの、シンプルで洗練されたイメージの無印良品さんの雰囲気!
ロッカーは社内外問わず使いたい人が使えるもの。イベント時など、確かにあると便利ですね。
お隣にはいわゆる「お仕度部屋」。中でホールにつながっています。株主総会のときの役員待機室になっているそう。使用率が低いので仮眠ルームにしようかと検討中だそう。いいアイディア♪
「進化を進めるのって会議室というより研究所だよね」という考え方から、LAB(ラボ)とネーミングされています。このフロアだけで30室!
さらに先へ進むとカーテンエリアが。ちょうどお昼を食べ始めた方たちがいました。においがこもらないので飲食OKというルール。なるほど。カーテンは二重になってて、長短差をつけているんですね。これも面白い。
旧VOYAGE GROUPの渋谷オフィスで「OASIS」と名付けられていた図書館、いや、マンガ喫茶?(笑)はここで再現されてました^^ 大量のマンガ本に囲まれながら、時間を忘れてしまいそうですね~♪円形のお部屋の外側をぐるりと利用しています。
さてその円形の内側は?
今回のオフィスでは、外側のマンガコーナー「OASIS」の中身を「AJITO」にして統合スタイルで実現!あ、そこが秘密の扉なんですね。とっても重そう…
「AJITO」って書いてあった!
当初は渋谷オフィスにあった「AJITO」をそのまま持っていく予定だったのが、急遽居抜きが決まり、慌てて設計したそうです。夜はお酒飲み放題のこの場所、どの席も電源完備で仕事ができるようになっています。バンドセットも特等席でスタンバってますね~
初代「AJITO」のデザイン画が飾られていました。大事な歴史。
照明のカラーが変わった!一体何色あるんですか!!
プラザに戻ってきた頃にはランチタイムでにぎわっていましたよ。GARDENというカフェのほか、お弁当も売りに来ていました。
GARDENのカウンター下部分に注目。なんともいえない波のような砂浜のような模様が浮き出ていますが、これは各オフィスで使われていた家具の化粧板を粉砕し圧着して作られたもので、材料の分量バランスによって柄の出方が変わるのだそう。エシカル観点では結構ワダイなんです。
(そういえば三井デザインテックさんのオフィスでもデニムの端材で作られたテーブルがありましたね)
これなんだろう?と思ったら足置きの金具でした!足を置けるか置けないかではストレスが違う、そう、その通り!
グリーンもすべて可動式です~
やっと一周してきました!いやぁ~常に興奮気味で一周終えました、正直もっと見たかったという印象!
ただ、カッコいいオフィス、来てみて居心地のいいオフィスが完成しても、ソフトこそ大事、と大橋さんは言います。
大橋さん
「コロナ禍で出社しない時期を経て、オフィスがカッコいいからって本当に行きたくなるものか?と疑問に思いました。確かにカッコよければ“行ってみよう”とは思うけど、本当に毎日満員電車に揺られてまで行きたいと思うかどうか?それとこれとは別だよな、と思っていて。
移転PJに際して他のオフィスを見学しました。「ここで人と人がぶつかる、交流を生む設計なんですよ」ていうんですけど、実際にはほとんど人がいなくて。優秀な設計は人がいることが前提であって、人がいなくては意味がない、ということはハードよりソフトが先にあるんだよなと改めて思ったんです。それでいま『ユナイト委員会』というチームでいろんな施策をしかけて、オフィスの活性化に注力しています。
僕は、たくさん“よっ友”を増やしてほしいなと思っているんです。
大学生を思い浮かべてもらうと、気軽に挨拶できるような知り合いがたくさんいるとキャンパスに行きたくなりますよね。授業は午後からだけど、その前から行ってランチしようかなとか。学食行ったら誰かしらいるだろうなとか。もちろん、子供のお迎えがあるなら自宅ワークのほうが効率がいいわけで、絶対に出社がいいとは言い切れないんですけど。
仕事に向き合う時間の多い若手なんかは特に、“よっ”て言える人が多ければ多いほど、会社に行きたいと思ってもらえるかなと。そんな仲間をどんどん増やしていければなと思っています。」
◆編集後記◆
いかがでしたか?
統合移転ということで、全く違うカラーの二つのオフィスにいた社員さんたちが一緒になったわけで、もちろんオフィスだけでなく社風や気質、評価制度なども違っていたわけですから、多方面でご苦労が多いと思います。
物理的な距離がなくなったことは、経営統合の最終フェーズだったわけですが、今後各々の心理的距離をいかに近づけるか、それはやはり施策にかかっていると思います。ぜひ次回、「ユナイト委員会」のほうも取材してみたいなと思いました★
楽しく充実した取材の時間を、ありがとうございました!
Information | 株式会社CARTA HOLDINGS (カルタホールディングス) https://cartaholdings.co.jp/ 東京都港区虎ノ門2-6-1 虎ノ門ヒルズステーションタワー36F *規模:約1,000坪×3フロア *従業員数:1,563名 *設計/施工:株式会社船場 |
---|
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
オフィスの日常運営におけるニーズやオフィスの構築・移転・改修に関するご相談、お問い合わせに、経験豊富なスタッフがお答えいたします。お問い合わせ・資料請求はお気軽にどうぞ。