ライター:セッキ―
2025.03.24
「やっぱりゼロイチが好きなんです」
優しさ、柔らかさが全身からにじみ出ているようなイメージの女性を取材しましたが、帰るころにはパワー、エネルギーという言葉がぴったりな人物に変わっていました。
有路春加(ありじはるか)さん。
彼女は、『“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける』というビジョン実現に向け、ふるさと納税に代表される種々の事業で成長中のマーケティングカンパニー、株式会社アイモバイルの管理部の一員です。
同社は2024年7月に新オフィスへ移転しました。新しいものを生み出していく場づくり、社員の意識も含めた改革を目指す重要な位置づけの今回のオフィス移転プロジェクトにおいて、責任者として活躍された有路さん。担当となった経緯、そして、初めてのプロジェクトにどのように向き合い、乗り越えたのか、じっくりお話を伺いました。
ーー昨年7月にご移転されたとのこと、おめでとうございます!
有路さん(以下、敬称略):ありがとうございます!
――改革を目指す大きな意義のある移転プロジェクトで、有路さんが責任者を務められたとのことですが、どんな経緯でしたか?
有路:
実は自分から手を挙げたことがきっかけなんです!
私の所属する管理部では、以前のオフィスでも増床やレイアウト変更など担当してきましたが、移転そのものは経験したことがなかったのでやってみたい、という気持ちがありました。1年前からビルの選定などに携わっていたので、チャンスだと思い手を挙げました。
ーーすばらしいやる気ですね!初めてではいろいろとご苦労もあったのではとお察ししますが、どんな姿勢で臨みましたか?
有路:そうですね、いろんな決めごとがある中で、それらを決めていくプロセスが一番大変だったかなと思います。
管理部は上長含め女性3名で、新しい課題が発生するとまず相談される部署です。オフィス移転もそうですが少しずつ業務が広がっていく中で、ルールを決める場面が多くあります。今まではこうだったから、ということで決めがちですが、いまは転換期でもあるので固定概念を取り払って自由な発想をもって決めに行く、ということを意識しました。
例えばフリーアドレスの導入は今回とても大きな決断でしたが、雰囲気に流されない、真逆の視点から見るなど、その目的や本質を忘れないように心がけています。
もともとお人よしというか、YESかNOかを迫られたときどっちもいいよね、みたいになりがちなタイプなんです。でも仕事ではそうもいかないですし、移転プロジェクトでは関係者が大勢いて、いろんな決めごとがあって、みんな私に聞いてくる。私が判断の軸を持たなければいけない!と思い、実はこっそりビジネススクールで、ロジカルシンキングの授業を受講しました。
――すごい!勉強家ですね。
有路:
1年前に手を挙げた時点で自分に足りないものはロジカルシンキングだと考え、プロジェクトが始まる前に、と思いまして。おかげで、この会議の趣旨は?目的ってどこでしたっけ?みたいに進行できたように思います。まだまだですけどね(笑)。
間違ってたらどうしようという不安も、それもありきで考えよう、とまわりが言ってくれたことで、「それならば私は堂々と決めたことを発表しよう、だめならまた変えればいいんだ」というマインドになれたんですね。
全社に向けて説明する練習にも何度も付き合ってもらって、本当にメンバーには感謝しています。
ーー協力的なメンバーですね!半年以上経ちましたがいかがですか?
有路:
賛否あったフリーアドレスは現状とてもうまくいっていると思います。同様にラウンジの設置も、役員から導入してよかったと言われました。直接お礼を言われるのはやはり嬉しいですね。移転後のサーベイでは平均より大幅にいい評価が出たので、ようやく達成感を味わっているところです。
それでもまだ疑心暗鬼な性格なので、移転後からずっと啓蒙活動をやっていますが、特に発信については3つのことを実施しています。
1.社内ブログで全社アナウンス(2週に1回)
2.ルールやお願いごとは直接掲示する
3.サイネージを活用してアナウンス
また意見や困りごとについては、
4.アンケートフォームで意見収集
5.管理部3名が集まって直にフロアをラウンド(2週に1回)
ブログは写真とあわせて意図や背景も伝えられるのでとてもいいですね。代表的な成果は、ラウンジにあるカーテンを使ったミーティングスペースで、「使い終わったらカーテンを開ける」というルールがしっかり伝わり、守られているんですよ。
冷蔵庫清掃のビフォーアフターを載せると「こういうこともやってくれているのか」と知ってもらえますし、きれいに使おうという姿勢になるきっかけにもなっています。
Googleフォームを使った問合せフォームに寄せられる意見は、入居後に比べると最近落ち着いてきました。きちんと期限をもって丁寧に回答することで「言えば対応してくれる」という姿勢は見せられていると思っています。
以前のオフィスは管理部含めバックオフィスのメンバーが一部屋に押し込められていて職員室みたいな雰囲気があったので、みんなも恐る恐る入ってくるような感じだったのですが、いまはフランクに接してくれてなんでも話してくれるムードが出来上がっているように思います。それはひとつの達成感ですね。
――ところで、長らく総務を担当してこられたのでしょうか?ご経歴を教えてください。
有路:
アイモバイルは4社目になります。ルーティン業務よりも「誰かのためになる仕事がしたい」という気持ちがあり、秘書のような仕事を求めていました。
バックオフィスの楽しさを教えてもらったのは、2社目で5年在籍した食品卸の会社です。
総務兼秘書として入社しましたが、なんでもやらせてくれる会社で、上司が丁寧に教えてくれる人だったので経理や人事労務まで幅広く経験させてもらいました。全然興味がなかった簿記や労務関連の本もなぜか机にポンっと本を置かれ「やってみたら」と軽い感じで言われて。とりあえずなんでも吸収しよう、挑戦しようという姿勢が根付いたのはこの頃だと思います。
ここで産休・育休も経験したのですが、復職する人がほぼいなく、労務担当として復職制度を立ち上げたことも大きな実績のひとつだったと思います。
ーーすごいですね、なんでもやらせてくれる、という状況が有路さんに合っていたのでしょうね。でもその期間って、妊娠中だったり育児をしながらだったりしますよね…?
有路:はい、やりがいはありましたが、復職後1年できつくなってしまって退職することに。
3社目は、通勤が楽なところを選びましたがやはりルーティンばかりで業務の幅が広がらず1年で退職。その反動か、「成長したい!なんでもやりたい!」という意欲が爆発していたときに出会えたのがアイモバイルです。いくつかの会社を受けましたが、残業できないとか、突発的に休むだろうとか、「母であることだけでNG」と言われるような面接が続いていました。
そんな中で、アイモバイルは全部受け止めてくれました。当時子供は3歳になっていましたが、一緒に働くリーダーの方も、近い年齢のお子さんがいるママだったんです。
――性別や立場など関係なく有路さんの「やりたい!」を理解してくれたのですね。
有路:そうですね、本当に入社してよかったなと思っています。
――有路さんには一般的に持つ総務のイメージがない気がしています。すごく前向きでパワフルですよね。
有路:私、”ゼロイチ”が好きなんです。ないものを作っていく楽しさ。やったことがない=やりたい、が基本マインドです。やる中で足りなければセミナー受講、勉強する、人に聞くなどして、とりあえずなんとかなるっていう意識が大きいですね。やらない後悔よりやってから考えよう、という。わりとプライベートでも地域のイベントで企画や運営側にまわるのがもともと好きなんですよね。
――ぜひ、総務業務に面白さを見いだせない人や、今活躍できていないと考える人にエールをお願いしたいです。
有路:総務の大部分はルーティンですが、そのルーティンの中にこそゼロイチのチャンスは隠れていると思うんです。受け身では見つからないけど、思い込みを捨てて、「これってもしかしたら?」という目線でものを見るようにするといろんな発見があると思います。
ーー有路さんのような人に支えられて、社員さん幸せだと思います。今日はありがとうございました!
【編集後記】
移転プロジェクトに対する並々ならぬ覚悟を見た気がしました。柔らかな物腰からはとても想像がつかない頑張り屋な彼女、印象的だったのは、とにかく何度もメンバーへの感謝を口にされていたこと。
「なにか問いが一つあると、めちゃくちゃ真剣に考えてくれるんです」
実際に使う社員さんたちが一つひとつ真剣に取り組んでくれることで、この人たちのために頑張ろうという気持ちになれて、モチベーションにもつながったと言っていました。でもそれは有路さんの姿勢を見ているからこそ、社員さんたちもしっかり向き合おうと思ってくれたのだと感じます。
▼そのときの気分で使ってもらえるよう、椅子の背もたれにもバラエティを
同じ母として小学生のお子さんのこともお聞きしてみると、いつも学童のお迎えが最後になってしまうそう。
「寂しさからか休日は私にべったりなのですが、外では自分の母が頑張っていると話しているみたいで、会社やプライベートで親子イベントをやるときなどは自らアイディアを出したりと手伝ってくれるんです」
どんなことにも全力で向き合う有路さんを見習って、新しいことに挑戦する気持ちをいつまでも忘れないようにしていこう、とこぶしを握りしめた帰路でした。
プロフィール | 有路 春加(ありじ・はるか) 株式会社アイモバイル/管理部
大学卒業後、ベンチャーに入社し営業事務に従事。仕事の幅を広げるため食品卸業に転職。総務兼秘書として5年従事する中で人事労務・経理などを経験し、育休復帰制度を立ち上げる。自身も産休育休を経て退職後、地元の会社で経理事務に1年従事し、2019年アイモバイル入社、管理部配属として6年目となる。 株式会社アイモバイル |
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ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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