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2011.01.12

青柳智士:株式会社ECナビ 取締役CCO(Chief Culture Officer)
「デザインで考える経営戦略」

 国内最大級の価格比較サイト「ECナビ」の企画・運営をするECナビ様。同サイトは2004年のオープン以降拡大を続けており、これまでにも数々の賞を受賞している。  またECナビグループとしては、スマートフォン向けアプリの企画・運営事業、ネットリサーチ事業など幅広いオンラインメディア事業を展開している。最近では、ネットリサーチ事業の業務拡大に伴い、アジア各地やアメリカに事業拠点を設けた。
 2010年には、同社オフィスを経営理念を体現しながら、機能面の向上を図った形に全面リニューアルし、「第23回日経ニューオフィス賞」も受賞した。
 今回は、そんなECナビにおいて、取締役CCO(Chief Culture Officer)として、人材採用やファシリティ、ウェブデザインなど、あらゆる手段を通した企業文化の創造を担う青柳氏に、企業文化創りについての考えを伺った。

■価格比較サイト「ECナビ」 http://ecnavi.jp/

企業の未来を創る

 「現在は取締役CCOとして主に、企業文化を創る人材の採用と育成を行う「人事本部」、ファシリティやウェブ、ポスター、名刺等、企業文化を体現するデザインの制作をする「コーポレートデザイン室」、facebookに代表されるようなソーシャルメディアの活用や全社総会などを通して、企業文化の社内外への発信を行う「コーポレートカルチャー室」の3つをマネジメントする立場にいます。しかし、それぞれの部署での業務は各部署に裁量権を持たせており、どちらかというと私は、企業の将来を見据えて「どういった社内制度を構築していったらいいか」ということや、「どう事業領域を広げたらいいか」、また「それを対内外に対してどう伝えたらいいか」といった中長期的な視点での企業のブランディングについて考えることに注力しています。」

葛藤の末、デザイナーへの道を選んだ

 「ただ、ウェブやポスターなどのデザインという部分では、人手も足りておらず、また、私自身がデザイナー職の経験があるため、デザインソフトを使って自ら手を動かすことがあります。
 そもそも私自身、高校卒業後は専門学生、お笑い芸人、社会人の3足のわらじを履いていたこともありました。高校卒業後は、建築家になることを志し、建築の専門学校に入学しましたが、お笑い芸人を目指していたこともあり、某お笑いイベントでも上位入賞を果たすほど、お笑いと本気で向き合っていたこともありました。また当時行っていたアルバイトでは、19歳の時にマネジャーに抜擢され、同じアルバイト仲間をマネジメントする立場になり、仕事に追われ、毎日徹夜の日々でした。その会社では、最終的に沖縄営業所の立ち上げを依頼されるまでになりましたが、そのタイミングで自分が本当にやりたいことはなんだったのかという葛藤があり、自分自身を見つめなおす中で、デザインやモノづくりがやりたいという思いに立ち返り、その時に募集をしていた美大の編入試験を受け、入学を決めました。

 しかしいざ大学に入ると、アルバイトで経験したビジネスのエキサイティングな世界との乖離を感じ、デザインを学ぶだけでなく、そのデザインを如何に活かすかということを考えはじめました。そして、自分のデザインで特許を取得し、ビジネスに活かすことに興味を持ち、卒業制作で作ったテキスタイルの作品で特許を取得しました。新卒入社の某総合家具メーカーでは、自ら特許を取得した作品を商品化するために、デザイナーとして働きはじめました。」

もっと刺激的な世界へ

 「メーカー入社後は、デザイナーとしての業務を果たす中で、社長へのプレゼンを通して自らの作品の商品化を実現しました。しかし、会社としても未知の商品だったため、当初はその事業に人手を掛けられないこともあり、市場調査から、商品のブラッシュアップ、流通戦略の立案まで、私一人で行い、結果的に売れ行きは好調で、見事念願を果たすことが出来たのです。

 しかし作品の商品化以降、更に刺激的な世界に興味を持つようになりました。それはベンチャー企業です。私にとってのベンチャー企業は、若手にもチャンスがあり、積極的に自分の実力を試すことができる環境といったイメージで、当時自分と同世代の若手が多く活躍するサイバーエージェントへ入社した後、現ECナビ代表の宇佐美と知り合い、縁あってECナビで働いています。
 これまで述べてきたような、デザインと実ビジネスを並行して行ってきた若い頃の経験が、今の私の考え方や行動に大きな影響を与えていると感じています。」

デザインと経営の考え方は似ている

 「アートは右脳に偏った思考が必要な領域ですが、売れる商品のデザインにおいては、感性の右脳だけでなく、論理的な左脳の思考も必要になり、その使い分けやバランスが重要だと思います。
 経営についても、何かを生み出す過程を設計するという意味でデザインの考え方と似ていると思っています。論理立った思考のエッセンスとして感情的な要素を加えたり、時には、感情的な面から発想して論理的に固めていくといった思考が必要不可欠だと感じています。

 しかし、美大等でデザインを学ぶ学生の中には、ビジネスや経営といった視点を持つ人は多くありません。デザインを学ぶ人たちが、もっと広義的な意味でデザインというものを捉え、ビジネスや経営に興味を持つ人が増えると面白いのではないかと思っています。」

デザインの過程を学んで欲しかった

 「今回のオフィスリニューアルのプロジェクトにおいても、ただ必要な機能を揃えたオフィスをつくるだけでなく、「経営理念を体現するオフィス」というテーマのもと、自社を「海賊船」に例えてストーリーを持ったオフィスに仕上げることで、社内外に対してECナビを感じて頂けるオフィスが出来たのではないかと思っています。また、今回のプロジェクトではもう一つ狙いがありました。それは、メンバーに、一つのものを創り上げていく過程を体験してもらうということです。

 今回のプロジェクトでは社内の各部署からメンバーを集めてプロジェクトチームを構成して行いましたが、弊社はウェブ事業の会社ですので、私以外にオフィス関連の知識がある者はいませんでした。その分苦労をする面も多々ありましたが、オフィスに限らず、何かを創っていく上では、何を、誰が、いつやるのかというようなプロジェクトをデザインすることが必須であり、そういった継続性・再現性のある能力をメンバーが身に付けるという意味でも、特に事前の計画が重要になるオフィスのプロジェクトは、会社にとって、とても良い機会になったと思っています。」

日本をもっと元気な国にしたい

 「冒頭で述べたように、私は取締役CCOという他では見ないような肩書を持っており、担当する役割も企業文化創り全般に渡っています。最近では、ECナビ社内の見学にいらっしゃる企業様も多く、その折にそれぞれの取り組みについて相談に乗らせて頂く機会が増えてきました。私は、企業文化創りはそれぞれの会社が独自に持つべきものであり、他社のマネをしたからと言ってうまくいくものではなく、競合といった概念は存在しないと考えています。そういった意味でももっと企業同士が情報交換をし合い、お互いを刺激し合うことが望ましいのではないかと考えています。私自身も今後は、これまでの経験を活かして、他社様の企業文化創りのお手伝いを積極的に行い、その活動を通して企業を、そして日本を盛り上げて行けるといいのではないかと思います。」

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 今回のインタビューを通し、青柳氏の、周りに流されず自らの軸をもって道を切り開いていく力強さや常に相手に対する心遣いやユーモアを忘れない姿勢がとても魅力だと感じた。そのような周囲の人間を惹きつける人柄が、青柳氏のこれまでの様々なプロジェクトを成功に導いてきた一つの要因なのだろう。 
 また、美大を出て経営の道へ進むという独特の経験から培われた、論理的な思考と感情的な思考を統合して考える力が、社員のモチベーションの向上や、人と人とのコミュニケーションが重要になっている現在のビジネス環境においてECナビの成長を支える大きな力となっているのだろうと感じた。
 今後、他社の企業創りも手伝っていきたいという青柳氏の活動が広がれば、論理的なだけでなく、人の感性に訴えかけるような生き生きした経営を行う企業が増え、ビジネスの価値観も大きく変化するだろう。そんな未来の日本の担い手の一人として青柳氏の今後の活動に注目したい。

プロフィール青柳 智士
株式会社ECナビ 取締役Chief Culture Officer

2002年に武蔵野美術大学を卒業後、デザイナーとしてインテリアメーカーへ就職し、大学時代に取得した特許を商品化。その後、株式会社サイバーエージェントへ入社し、メディア営業・新規媒体の立ち上げ業務等を経て、現在の株式会社ECナビへ。
現在は社内外でのブランディング構築・強化をミッションとして、人事・広報・コーポレートデザインを担当。
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