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気になるこの人!
オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

ライター:セッキ―

2024.06.27

山口 翔平:「起きている時間の半分は仕事。どう過ごすかで人生の豊かさは変わる」
グッドマンサービス/人事課課長

現在31歳、株式会社グッドマンサービスの総務部人事課課長である山口翔平さんにインタビューしてきました!

グッドマンサービスは、日本全国のリゾート地における住み込みでの仕事に特化した求人情報サービス【リゾートバイト.com】の運営をはじめ、外国人求職者向けの【NIPPON仕事.com】、調理師求人に特化した【調理師求人.com】などあらゆる求人情報サービスを展開しています。

総務部人事課を自ら発足した山口さん、そのご経歴は…卒業後バックパッカーでタイへ、帰国後もママチャリで日本一周に挑戦と、とってもパワフルでアクティブな男性です。 入社後3年間は人材コーディネーターとして活躍、その後組織に必要と考えたマーケティング部門を発足。広告企画宣伝、WEBコンテンツ制作などに従事し、ある時期をきっかけに人事課を立ち上げることになりますが、物怖じせずなんでも社長に提案していく姿勢には目を見張るものがあります。

-なんでママチャリ?
-人事課発足後はじめにやったことは?
-人生を変えた言葉とは?
-総務・人事の人材に必要と思う資質は?

いま多くの企業が、社員の出社率を上げるべくオフィスを整えコミュニケーション施策を工夫しています。彼の取り組みは一見よくある手段かも知れませんが、そこにかける想いに心を打たれます。

筆者もとても刺激を受けた取材でした!

――タイへのひとり旅とかママチャリで日本一周とか、、、気になることばかりなんですが(笑)。ここに至るまでの経緯をお聞きしてよろしいでしょうか?

山口さん(以下、敬称略)
:大学卒業後、タイにバックパッカーで3週間ほど行き、帰国後には日本国内を約2か月、ママチャリで回るという経験をしました。ちょうど今時期ですね。二つの旅で共通する経験が、ホテルや旅館ではなくゲストハウスに宿泊したことです。宿主が温かく迎え入れてくれ、様々な人と交流した経験から、ゲストハウスを自身で運営することが将来の夢となりました。

リゾートを中心とした多くの宿泊施設への人材派遣をメイン事業とする当社の門戸を叩いたのが2015年7月のことです。今年で入社10年目になります。

――男子学生のあるあるといった感じでパワフルですね!そもそもなぜ、すぐに就職しなかったんでしょう?

山口
:いい質問です!(笑) 大学3年生くらいから社会人経験のために始めたアルバイト先で内定をもらっていたのですが、あるときふと、その生活を振り返ったんです。一日8時間、朝から晩まで同じことをしていて、「このままこの生活があと40年続くのか?」と想像したらぞっとしてしまい。

就職したらなかなか長期休暇も取れないだろうし、今のうちにやれなかったことを全部やらなくては、と思い立ったんです。内定を辞退させていただき、やったことのない海外旅行と一人旅を経て、就職活動をしなおそうと。

――なるほど。ママチャリで日本一周というのはなかなかの発想ですよね。

山口
:こういう場で話せるネタが欲しかったというのが一番の理由ですね。あまり人がやっていないことをやりたかったのでママチャリを選びました。ざっくりしたルートで言いますと八王子から北上して北関東→福島→上越・北陸方面→京都・奈良→東海方面→神奈川→東京と全部で3000キロくらいです。

――それはそれは。すごい経験ですね。そこから得たものはどんなことでしたか?

山口
:一番は、「人間やろうと思えば何でもできるんだ」という根拠のない自信というか。度胸がついたというのが一番だと思います。それは仕事にも通じることだったんじゃないかと思います。

採用の際、当社の代表からは、人材を扱う事業において、イレギュラーなことにもしっかり対応できるだろうという風に見てもらえたようです。

――それらの経験が現場にも活きると思われたんですね。入社後の動きはどのように?

山口
:まず人材コーディネーターとして3年ほど。その後、入社当時から気になっていたマーケティング面の強化をしたいと提案し、部を発足しました。営業面は社長の力で問題なく組織化できていたのですが、より会社を大きくしていくフェーズでは人材確保や認知度向上をもっと意識したほうがいいと思っていたんです。

――社長も頼もしいでしょうね!そこから5年間マーケティング部として広告運用・求人サイトコンテンツの制作等を手掛けたとのことですが、そんな中で総務や人事方面に気持ちが向いたのはなぜですか?

山口
:ターニングポイントになったのがコロナ禍です。うちは当時、営業の社員が全体の約7割近くを占める比率になっていて、会社の売上も激減する中、稼げないという理由で退職をする社員が一定数いました。ピーク時は80人近くいた社員も、コロナを経て20~30名近くが退職する事態となったため、会社の今後を考えたときに何か動かなければと思い、人事部門を立ち上げることにしたのです。

インセンティブがほとんどなくなってモチベーションが低くなるのもわかるのですが、働く意味や、多少給与が下がってもこの会社で頑張ろう、という空気感を大事にしたい。これを醸成していくには会社の肝となる人事が必要だと思ったんです。

――私の経験上、人事組織が存在しない会社はなかったので、とても新鮮です。そのように生まれていくべきものなんだな、と改めて気づかされますね。

山口
:僕は言葉に感化されるタイプなので、まずは、ビジョンやミッションといった言葉を整理するためのプロジェクトチームを作りました。ですがそれを重要と思うかどうかは人それぞれですし、抽象的でちょっとわかりにくい。そんな中でメッセージだけ下ろしても浸透しないのだな、ということを痛感しました。

――確かに、メッセージだけがひとり歩きしてしまいますね。

山口
:それであればもっとわかりやすく現場の人間が喜ぶことにシフトしよう、ということで始めたのが、「全社向けのカジュアル面談」の実施です。僕を含め3名が面談者(意見を聞く側)で、全社員を対象に今困っていることや社内で改善してほしいことを吸い上げる場です。一人あたり1時間~1時間半程度で、半期に一度のスパンで回しています。

実はこのカフェスペースも面談から出てきた意見を反映したものなんですよ。以前のオフィスでは会議室を使って昼休憩をとっていたので、会議に使われているとデスクで食べないといけなくて。移転する際に、会議室を作る予定だったのがみんなからの希望でカフェスペースになりました。

――自分たちの意見が反映されたらそれは嬉しいですよね。

山口
:また要望ばかりでなくこの会社で働いていてきてよかったことなども聞いています。仕事でトラブルや先方からお叱りの声をいただくことがあっても、周りの人から励まされて気持ちを切り替えることができた、前向きに仕事に取り組むことができる、など嬉しい声も聞けるんです。

――それは嬉しい!要望はいくらでも出てくると思いますが、バックオフィスって“できて当たり前”と思われがちでなかなか褒めてもらえることがないんですよね。

山口:ほかにも定期的にパルスサーベイを実施していて、そちらも随時活かされています。

うちの会社はすごく雰囲気がよくて人間関係が良好な点が魅力なのですが、そこを採用のときにさりげなく体感していただきたくて始めた企画が、「駅弁みーてぃんぐ」です。全国各地の駅弁を提供し、リゾート事業部のメンバーと採用志望者たちが一緒にランチをするリアルイベントです。今年度は19名入社のうち16名がこのイベントを通して入社したんですよ。内定承諾率が80%と非常に高いので一定の効果を感じています。

――それはすごい!何より皆さん楽しそうです★

▼「駅弁みーてぃんぐ」の様子

――言葉に感化されるとおっしゃっていましたが、これまでの人生に特に響いている言葉はありますか?

山口
:学生の頃参加したIVS(インターネット業界の第一線で活躍する経営者や若手が集まるイベント)で、登壇していたWantedly社長の仲さんの言葉が強く印象に残っています。「定時や休日が待ち遠しい人は、早く寿命がこないかな、と言っているのと同じ」という趣旨の言葉です。

ハッとしました。僕も「早く授業終らないかな」などと思っていた人間です。それって人生の時間をないがしろにしているな、有意義に過ごせていないな、と。

もう一つ、意識している数字が「17分の8」という数字。一日24時間で睡眠7時間とすると、活動できるのは17時間。そのうち仕事に費やす時間が8時間。残業すればもっと多い。「仕事」という一つのカテゴリーが17時間のうち半分程度を占めていることになります。

つまり、その時間をどのように過ごすかが人生の豊かさにつながります。社員にも、やりがいを持って充実した時間を過ごせるように、できる限り要望をかなえてあげたい、気持ちよく仕事してほしいと思っているんです。

――山口さんにそう思ってもらえる社員さんは幸せですね。しかし数字にすると一気に焦ります…何かしなきゃという気持ちになってきました(笑)。

――さて、会社にとってベースとなる人事や総務という部門には、どんな心持ちの人物が理想的なんでしょう?

山口
:僕は、“総務だから人事だから”とくくりたくなくて。要は、会社にとって必要だと思うからこれを提案します、という考え方の方が絶対いいと思っていますね。マーケの人が人事に対して提案してもいいと思うし、もっとこの会社がよくなるにはこれをしたい、という姿勢でいることのほうが大事

――なるほど、その精神があればどの部署でも本来活躍できるというか。でもそれって、帰属意識が高くないと難しくないですか?

山口
:はい、だからその土壌をこちら側が作っていかないといけない。強制的に高くできるものではないですから。

▼20周年記念パーティーのときのお写真

――今度は山口さんがどの分野に興味を持たれるのか、すごく楽しみですね!今日はありがとうございました!

     *    *    *    *    *

◆編集後記◆

会社への、仕事への熱意が伝わる取材でした。 山口さんがいろんなことを提案する姿を見て、自分もやってみようと周囲が刺激を受け、全体としていい動きにつながっているとのこと。社長もどんな提案がくるか、楽しみにしているのではないでしょうか。

奇しくも、お話を聞いていて、前回の「気になるこの人!」で取材した堀川さんを思いだしていました。お歳が30近く違っても、会社を思う気持ちと仕事にかける情熱がシンクロしていました。ピンチをピンチと思わずポジティブに捉える、という点や社員の話を真摯に聞く姿勢については全く同じで、会社を支える人物というのは似たような資質があるのだなとひとり感心しておりました。

あ、ちなみに同社の皆さん、長期休暇はしっかり取得されているようで、山口さんは今年に入ってからも海外旅行へ行ってきたそうですよ、安心しました。

次々に興味のポイントが変わる、という山口さん。次にお会いした時には名刺の肩書が変わっているかもしれません^^ これからのさらなるご活躍、期待しています♪

プロフィール山口 翔平(やまぐち・しょうへい)
株式会社グッドマンサービス 総務部人事課課長

大学卒業後、タイへの一人旅や、学生時代に通学に使用していたママチャリで日本一周にチャレンジ。国内外を旅する中で宿泊したゲストハウスの「初めて出会う旅人や宿主が暖かく迎え入れてくれる」という文化に感銘を受け、自身もゲストハウス運営をしたいという夢を抱く。その夢の実現に近づくため、株式会社グッドマンサービスに2015年入社。
リゾート事業部にて営業および人材コーディネーターとして従事したのち、入社3年目にして新事業部としてマーケティング部を発足。5年間広告運用・求人サイトコンテンツの制作等を行う。コロナ禍をきっかけに総務部人事課の発足を提案。現在は総務部人事課課長として、新卒採用・社内制度作り等に取り組んでいる。
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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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