2011.08.10
2011年4月にスタートと同時に多くのWEBメディアで取り上げられ、一部の間で話題を呼んでいる『SHARE0(シェアゼロ)』。
東京を中心とした企業のオフィススペースの一部を無料で提供する企業と、スキルを提供できるプロフェッショナルな人(ベンチャー起業家や個人事業者)をマッチングするプラットフォームサービスである。
6月には、早速システムのアップグレードも行っており、β版がリリースされた。それまでは、シェアゼロ株式会社の社員を介して行っていた企業と個人のマッチングを、FacebookやTwitterとの連携することで、本サイト上での直接問合せやオフィス利用申込みが可能となり、サービスとしての利便性を高めている。
現時点では、サムライインキュベート、ECナビ、面白法人カヤックなど、国内4542拠点、アジア5拠点の企業がオフィス提供者として登録されており、日々情報は更新されている。
今回は、このサービスの発案者である中川氏に、『SHARE0』を中心とした現在までの活動と、そして将来の展望について伺った。
■シェアゼロ株式会社 http://www.share0.net/
TW: http://twitter.com/sharezero
FB: https://www.facebook.com/office.share
オフィスシェアを通じて人と企業とのマッチアップをしたい 「私が『SHARE0』を通じてやりたいのは、オフィスシェアを通しての人と企業とのマッチアップです。人とは、起業家や海外へ進出したいベンチャー、あるいは再出発する個人事業主などのスタートアップフェーズにある方々を指します。こういった方々が『SHARE0』を利用して企業がシェアするオフィススペースを活用、人はオフィス利用の対価として一部無償で企業の仕事を行います。 その結果、無料で自らのオフィススペースを持つことができるだけでなく、その企業の人と仕事の接点を持つことができ、また対価を金銭でなく、一部無償で仕事をお手伝いする結果、それをきっかけに仕事の依頼や支援などを得る可能性が増すと考えてます。また、受け入れる側の企業もオフィスのデッドスペースを活用することで特にコストをかけることなくプロフェッショナルな人材やそのスキルを自社内でネットワーキングできます。そんなバイラルを作りたいのです。」
これまでずっとベンチャー企業に関わって来た
「私は、社会に出から現在に至るまで、ずっとベンチャーの世界でお仕事させていただきました。大学卒業後、上場企業も程なくして退社して就職したのはIPOを目指す金融系コンサルティング会社で、そこでマーケティングと物販系の仕事をしていました。その後、2つの会社を自ら立ち上げ、レンタルオフィスを借りて活動をしました。その後、再度企業内の人間として、株式会社あきない総合研究所という起業支援会社でレンタルオフィスや起業支援プログラムの立ち上げに4年程携わり、支援者という立場からベンチャーに携わりました。あらゆる立ち位置でベンチャー企業に関わりました。
特に、自らがレンタルオフィスの利用者側と供給側の両方をやってきた経験がこの度の『SHARE0』のサービスを立ち上げることの大きなきっかけになったのだと感じます。」
企業のスタートアップに必要なのは作業場ではない
「今述べたように、私は自らがレンタルオフィスを利用していた時期がありました。しかし、ほとんど使っていませんでした。というのも、その時は自らが事業を行っていたため、日中は顧客先を駆けずり回り、夜になっても、オフィスに帰るよりは、近くのカフェによって仕事を済ませたり、自宅に戻る選択をすることが多かったからです。また、レンタルオフィスを運営していた中で統計をとると、1社あたりの利用率低さに驚きました。最終的には「特に起業したての時期に限っては、決して安くはない固定費をかけてまで、無理にオフィスを持つ必要はないのでは?」という自分なりの見解を持ちました。
自らだけの力でビジネスを拡大すべき創業期の事業者にとって一番必要なのは仕事をするための固定的な場所ではなくて、クライアントとなりうるビジネスパーソンや企業とのつながりだと私は思います。『SHARE0』はそれに対して一つのソリューションとなるような仕組みを構築していくつもりです。」
人と企業が対等な関係で選択しあうプラットフォームをつくる
「現在の『SHARE0』は、オフィスを利用したい事業者がサイトを使ってオフィスを検索し、利用申請をする一方通行の形ですが、こういった事業者側もデータベースとして情報が蓄積されてくれば、企業側からのオファーという形にも対応し、人と企業がお互いに合ったパートナーを対等に選びあえる関係が築ける仕組みを整えたいと考えています。
ITインフラやクラウドサービスの発展も手伝い、個人として事業を行う人は年々増えています。そういった方々が新しい出会いや、新しい仕事、コストのかからない活動拠点を見つけたいと思ったときに集まってくれる場として『SHARE0』のブランドを確立させていきたいと思います。」
最終的には世界に拠点展開をして行きたい
「日本の起業家やベンチャーだけでなく、世界中のベンチャーがグローバル展開を目指すときのインフラにしていきたいのです。『SHARE0』を通して、ベンチャー企業が進出先の企業と繋がり、情報交換したりビジネスの関係になったり。世界中のスタートアップと企業のマッチアップを演出できれば嬉しいですね!優秀な人やベンチャーが好きな場所で仕事をスタートできて、企業もまたそんな人やベンチャーの力を借りて発展する。そんな仕組みをつくれたら。
その結果、「SHARE0」には企業やスタートアップの情報が集まり、マッチアップのナレッジも構築される。それを活用した新たな企業とスタートアップのプラットフォームを世界にもたらしたい。」
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「自信が未来を創る」
そう強く感じさせられたインタビューであった。
『SHARE0』は4月にスタートしたばかりの新サービスであるが、中川氏のお話を聞いていると、既に世の中に定着したサービスであるかの様な錯覚に陥った。
私をそうさせたのは、『SHARE0』を語る中川氏の溢れんばかりの自信だった様に思う。
現在『SHARE0』で取り扱っているオフィスはそのほとんどが日本の東京という限られた範囲であるが、「世界を舞台に」と現時点
からのストーリーを楽しそうに語る中川氏の言葉からは、それが約束された未来であるかのように感じた。
また、現在は企業と個人のマッチアップフィーを主な収入源とする『SHARE0』であるが、今後は世界への拠点開拓と共に新たなビジネスの展開についても中川氏の頭の中には様々な構想が渦巻いているようである。
中川氏がこの新サービスをどう世の中に浸透させていくのか、今後の展開がとても楽しみである。
プロフィール | 中川 亮 シェアゼロ株式会社/代表取締役
ベンチャー経営経験を経て起業支援会社の執行役員に。 2011年4月から自身3社目となるベンチャー、「Share0(シェアゼロ)」を立ち上げる。 「Innovate way to start your business in the world!」をモットーに、 世界のビジネス・スタートアップの環境にinnovationを起こすべく、鋭意活動中。 |
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