ライター:セッキ―
2022.12.23
2022年3月にオフィスリニューアルを完了した、三菱地所プロパティマネジメントさんを取材させていただきました!またしても、日経ニューオフィス賞受賞企業です!
今回のオフィスは世にも珍しい、2つのビルの同じ階に存在する2つのフロアを、丸の内仲通りを中庭のように見立て、疑似ワンフロアオフィスと考える、唯一無二のオフィス!これはこの目で確かめないと気が済まなかったんです~~!
◆オフィスリニューアルの経緯
2014年以降、グループ内での統合や三菱地所からの機能移管などにより、事業範囲を拡大し、社員も約35%増加しました。2016年から働き方改革を進めてきたところへコロナ禍突入、世の中的に大きく働き方が変わり、グループやパートナー企業との連携も強めていきたいという想いから、ハード面に手を入れる必要性が高まりました。
通りを挟んで2つのビルに分散している同社、当初は移転も考えたとのことですが、この類まれなる立地条件をネガティブにとらえず活かそう、と移転しない決断をしたのです。
◆コンセプトはOpen the Blinds
物理的に分散していたことと、固定席だったこともあり、決まったコミュニケーションしかとれていなかった状況から、下からも向かい側からもオフィスの中が見えるような立地の良さを活かし、思い切ってブラインドをOPEN!! もう社長室だって丸見えです!!(笑)
ビル運営をメイン事業とする同社ならではの唯一無二のオフィスができましたね!ABWとグループフリーアドレスを導入し、精神的なブラインドもOPENに。丸の内エリアには日本を代表する大企業さまも多く存在しますから、自社のイキイキとした働き方を見せることで今後の事業発展にも、社員のモチベーションアップにもつながることでしょう。
◆いながらリニューアル
移転しないだけでなく、業務を止めずにいながらにしてリニューアルを実行!
まず全体を5つのエリアに区分し、1を工事しているときは業務を2で行う、というように、社員に協力を仰ぎながら順番に工事を実施。これ、出社調整がしやすいリモートワークが普及した今だからこそ実現できたやり方だったんですね。
★いながらリニューアルのメリット★
1)先に実施したエリアで見つかった改善点を次のエリアで活かせる
⇒実際に入れてみたらライトの長さが合わず、次のエリアでは別のライトに変更が間に合ったそう。
2)業務を止めず、引っ越し報告のお知らせも不要
⇒移転完了レターを出す必要ないですね。総務さん、作業が一つ減りました♪
多種多様なビルや商業施設を扱う同社、いろんな経験が学びとなり、事業に活かせるみたいですね。
ではお待たせしました!話題のシンメトリーオフィスを見学しましょう♪
丸の内二丁目ビルの2階に受付があります!
有事の時にも安心な手段、階段がメイン導線。
階段を上がって廊下を左に進み、突き当りがエントランスです。
わああ~
いま全身に木の香りを浴びてます!これ自然の香り、すごい。右側がフリーの打合せスペース、左は三菱地所グループ専用のタッチダウンスペースで、セキュリティがかかっています。
このステキなカウンターの素材は、CLT(Cross Laminated Timber)という工法でグループ会社で製造したものだそう。SDGsの観点で注目されている材料でもあり、CLT製造の過程で出た廃材をさらに活用しているので、ダブルでサステナブルなんですね!「MJPM」の文字もかわいい♪
エントランスの中心にこういった新しい取り組みの象徴となるものを配置することで、グループシナジーを生み出そう、という想い。
床には一切配線をしておらずモバイルバッテリーを利用。
棚には表彰状やトロフィーなどが飾られてます、社員のエンゲージメントが上がりますね!
こちらは丸の内綱引き大会で優勝したときのトロフィーだそう。主催者側が勝っちゃった感じですねw
全体的に木のぬくもりがを感じられてほっこりします♪国産材を活用した什器を選定しているとか。
向こう側との境目のガラス面はスライディングウォールになっていて、全部開けると200坪くらいの大きなスペースに。
じゃあ左側へ。ここからセキュリティがかかっていますが、この界隈のお店で使える“丸の内ポイントアプリ”を利用しての入退館。社員コード登録できるんですね~
スペースの名称は「MIX丸の内」。巨大なディスプレイでは、自社のCMやグループ会社の取り組み、この周辺のビジョンで流している映像が常時流れているとか。ここにいれば地所グループが最近どんな動きがあるのか、把握できちゃう。
卓球台もあった!
こういうとこ好き~
窓面の角はコミュニケーションスペース。小上がりになってる!より一層下からの目線を感じますね。
下からはこんな風に見えてますよ~
まるで街路樹が部屋の中まで入りこんでいるみたい♪木の枝に見立てた照明がきれいですね。
築古ビルの宿命、柱多めですが棚をつけて小物置き場になってます。
こうやってさらーっとSDGs意識が見えるんですよね。こちらは服やバッグなどを回収するボックス、Re;POST。
執務エリアにおジャマしまーーす♪
床を見ると、くっきり窓側と奥側に仕切られてます。2階なので、通りからも人目に付きやすい窓側を見栄えのいいこだわりのデザインにしつつ、一歩奥に入った執務エリアは既存什器やグループ会社のエコファニ(オフィス什器のリユース事業)を活用し、しっかりコストセーブ。
視覚的に適度な賑わい♪いい緊張感で仕事できる感じがします。
ラジオ体操企画では、社内から参加できちゃう!!まさに街と一体化!
◆課題は脱“こたつ”化?!
グループアドレスでは自席の近いところに資料や備品が揃い、上司やチームメンバーもいて仕事がしやすいため、どうしてもずっとその場から移動しなくなりがち。これを「こたつ現象」と呼んでいるそう(笑)
やはり新オフィスでは所属部署以外とのコミュニケーションを積極的にとって、イノベーションを生み出して欲しい、そんな想いで脱こたつ化が今後一番の課題となっているんですって。
社員の居場所がすぐにわかるビーコンMAP。
あ!先ほどまで取材に同席してくださってた方が向こうのオフィスに!こっち見てくれてます♪楽し~~~
視覚を遮る高いキャビネットはなるべく壁際に配置。カウンターの棚もOpen the Blindsか!笑
ちなみに書類は約7割を削減したんだとか!頑張りましたね
中央にグリーンを配したスクエアテーブルでは、角を2名で使って「L字」ミーティングがよく行われるそう。当初想定していなかった使い方が見られると、プロジェクトメンバーとしては嬉しいですよね!!
窓際も有効利用。梁上に造作のクッションを置いて軽く腰かけられる席に!これいいな! 2階の特権、外の賑わいを感じられていいなあ。
「あそこに見えてるのが社長室なんですよ」
「え?どこですか?あれ?あそこ?」…って窓ごしに案内されたの初めて!!
社長もフリーアドレスにするかどうか議論の末、社長を交えたミーティングが多いため、業務効率を優先しお部屋を設けたとのこと。ミーティングスペースを中に取り込んだ広めのお部屋!
集中スペースは執務室の奥の方に設置。壁に向いてより集中できることと、背の高いものは壁に沿って配置することで広く使えますね。
ここから別の部署のエリアに入っていくので少し通路が狭くなってますが、耐震壁をきれいに塗装してとってもつややかできれい!
実は防火扉だったなんてね★写真でわかりづらいですが、下の方は深いグリーンにペイントしてて上質な雰囲気です。
ときにはバリスタをお呼びしてコーヒーを淹れてもらうことも。社員には事前に通達して出社を促します。出社したいオフィス、と思ってもらえるような施策ですね(筆者なら絶対出社します!!)
非接触開閉ドア!手をかざすだけで開きました!(自慢げ^^)
廊下に出たところでステキなアートに触れることができました!実は2階に上がってきたとき廊下のど真ん中くらいだったので、向こうの突き当りに見える受付までこのアートを眺めて歩きました。全体の半量くらいだったんですね!
二名のアーティストさんにより、丸の内の街にいる人々と、背景には三菱地所が運営するビルそのものを描いているそう!!ビルの形が特徴的でないとなかなか判別が難しそうですね(汗
道案内してるのは赤い札を提げた“丸の内アンバサダー”!そういえば皆さんも持ってた!困ったことがあったらこの札提げてる人に聞きましょう!
あ、丸の内綱引き大会やってる!
背景のカラーも少しずつ変わってきました^^
では丸の内仲通りビルに入っていきます~
◆1つのビルにまとまるチャンスを蹴って・・・
2つのビルにまたがるという珍しいオフィスですが、実はリニューアル計画の進行中に、片方のビルの3階が空室に。1つのビルにまとまる絶好のチャンスだったのですが…
上下階に分かれると物理的には近いけど意外にお互いが見えにくい。そこに気付いてしまったPJメンバー、あえてそのまま2つのビルの同階フロアを使うことを選択したんです。
ネガティブにとらえず、仲通りも中庭のようにして“疑似ワンフロア”を楽しもう!そんな同社のポジティブな考えがステキでした!
ちなみに「渡り廊下とかつくりたくなりませんでしたか?」の問いには、
「実はその夢もあったんです、画像切り貼りしてパース描いてみたりして。でも、美しい仲通りの景観を自ら壊すわけにはいかない、と思いとどまりました。」(丸の内第一営業管理部/池田さん)
▼千代田区環境協会HPより
なるほど。ぜひ将来渡り廊下ができたときには筆者が一番に取材したいです!!
ではオフィス案内に戻りましょう。仲通りビルに入りました。
やっぱり角のコミュニケーションスペースはいいですね!丸の内二丁目ビルの方と同じく、小上がりになってます!
ちゃぶ台囲んで、、、みたいな雰囲気♪斬新!
ほか執務室部分は二丁目ビルとほぼ同様の作りでした★
さて、二丁目ビルに帰ってきて受付方面に廊下を歩いたら、不意に見つけたこの場所・・・
え?
なんかしれっとフォンブースが!しれっと!!
ここ、着床しないエレベーターホールだそう。いや~無駄なく使ってますね~~
以上で2ビルを堪能してまいりました!ありがとうございました!
*編集後記*
いかがでしたか?
取材当日、筆者は朝早めに到着し、丸の内仲通りの紅葉をじっくり堪能しておりました。
これまでにも「街とつながる」といったテーマのオフィスをいくつも取材してきましたが、物理的に横並びでほんとにつながってる!みたいなオフィスには驚きでしたね~
夏にはこんな企画もやっていたんです!街と一体になる取り組み、ぜひこれからも盛り上げていって欲しいですね!(綱引きも!)
Information | 三菱地所プロパティマネジメント https://www.mjpm.co.jp/
東京都千代田区丸の内二丁目2番3号丸の内仲通りビル、二丁目5番1号丸の内二丁目ビル *従業員数:710名 *規模:1,460坪(丸の内仲通りビル:約560坪、丸の内二丁目ビル:約900坪) *執務席割合:社員数に対し70% *設計:株式会社メック・デザイン・インターナショナル *施工:株式会社大林組、富士ビジネス株式会社 |
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ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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