ライター:セッキ―
2014.02.26
女性なら誰でも一度はチェックしたことがあるであろう、化粧品・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」の運営会社、株式会社アイスタイル。二年前に上場を果たし、その後新設された、広報と総務の機能を持つコーポレートストーリー室の室長に任命された大和田さん。来年15周年を迎える同社の、「”文化”そのものを創っていく」、「コーポレートアイデンティティを言葉でなく自然と感じられる状態にする」という難しくもやりがいのあるミッションに挑んでいる。そんないきいきと活躍する彼女の”今とこれから”についてうかがった。
■アイスタイル https://www.istyle.co.jp/
■「@cosme」 http://www.cosme.net/
私たちでなければ、自社でなければできない、強み。
新卒9年目になる大和田さんが入社したきっかけは、化粧品そのものではなく、その売り方に興味があったという。
「当時思ったのは、本当にいい化粧品が売れているというよりは、CMに出ているものが売れている。マーケティング次第、ブランド次第で売上がまったく変わってしまう、というのが面白いと思ったんです。生活者が欲しい情報、欲しい商品に出会うための仕組みづくりをしている会社を探したら、気づけばアイスタイルに入社していました。企業・ブランドにとらわれない中立的な立場だからこそ、本当にいい商品と出会う手助けになっているという自負があります。PRのメンバーなんかは『今年一番人気のある化粧品は何ですか』と聞かれることがよくありますが、自分が好きなものでなく、サイト内で人気のあるもの=生活者から支持を受けている商品を紹介することができるんですよね、それってどんな会社にもできない。圧倒的な量のデータベースを保有するアイスタイルだからこそできること。私たちじゃなきゃできない仕事、うちでないとできない仕事、と思えるとすごく幸せですよね。」
コンセプトを”浸透”させる難しさ
「『文化』なんて作るものではなくあるものだと思っていたのに、創っていくというのがとても理解できず、上司ともめ合いながらここまでやってきた感じです(笑)。」
「組織が大きくなると、いい意味で管理監督されるので、自由気ままに動かなくなり結果、変化が起きにくくなってくる。だからオフィスは“unfinished(=変化し続けよう)”というデザインコンセプトなのですが、昨年のロゴ変更と移転ではっきり打ち出すことができました。でもそれが社員に伝わっているかというと、そうでもないことに気づかされました。例えば売上目標にしても、社長がどんなに掲げても、社員が『どうやって達成するの?』『なぜ○億円なの?』とハテナ状態では意味がない。でも社長は社員が考えて行動してほしい、と思っていたりする。その間にはキャッチボールが必要なんですよね。コーポレートストーリー室はいわば“社長の通訳”なのかなって思ってます。」
社員と社員の“橋渡し”。一番は、社員と話すこと。
「以前は4フロアに分かれていて社員同士顔も見えない状態でしたが、今は顔も居場所も見えるようになったので次は“誰が何をやっているか”。これを自然と知れるような状態を作り、社内の橋渡しをしたい。毎週配信の社内メールマガジンは、始めて一年になりますが、今では逆に載せてほしいとネタを提供されるようになりました。これはみんなを「繋ぐ」ものになりましたね。オフィス中央に掲示した、在籍順に社員を紹介するポスターも、結構みんな見ています。とある本部長が書いた座右の銘が、その人のキャラとともにあっという間に浸透した例も。」
さまざまなアイディアはどのようにして浮かんでくるのだろうか。
「一番は、社員と話すことですね。話すことで発見がある。あそこってなにやってるんですか?え、知らないのか、じゃあ見えるようにしなきゃって。新しいオフィスのおかげで、こんな活動もだんだん楽しくなってきました!」
社外と同様に、社内でも決算説明会。
「会社にしても業務にしても“まだ誰もやっていないことをやる”のは、自然と求めていたことかもしれません。」
先日は彼女の発案で初めて『社内決算説明会』が行われた。社長から直接なされる説明に加え、社員からも次々に質問が飛び、ひとつひとつ丁寧に社長が答えていった。社員それぞれが自社のことを真剣に考えるよい機会になったという。社内の結束感も、少なからず生まれたのではないだろうか。
「前例がないほうが、トライしやすいですよね。やらせてもらえる環境に、ただひたすら感謝しています。」
10年後、経営を支える自分でいたい
「辞めたいと思ったこと?年一回は思ってますよ(笑)。人事担当の頃、一生懸命採用した人たちの退職が決まると、いくら採用しても変わらないのではと思ったことがありました。でも“いい人を採ったら会社がよくなる”ではないんですよね。採ったら終わりじゃない、と意識が変わり、居続けてもらうための施策づくりに注力できる現在のミッションは本当にやりがいがあります。10年後、今いる社員がほとんどいない…なんて悲しいじゃないですか。新陳代謝は必要だけど、古い社員も新しい社員も気持ちよく融合できる、そんな会社であってほしいです。
個人としては、経営をもっと勉強したい。会社がよくなるために、もっとヒト、モノ、カネの理解を深めたいです。人事担当のときは給与の設計もできなくて、お金のことがよくわかっていなかった。社長の想いや社員の想いは伝えてきたけど、業務や業績に関わる声がもっとあるはずでそれを拾っていきたい。その根っこはたぶん、経営を支えたい、という気持ちからなんじゃないかなと思っています。」
もし自分が社長だったら、こんな社員を絶対に手放さないだろう。
移転したばかりの新しいオフィス内を丁寧に紹介する姿からは、強い愛社精神と充実感がうかがえる。誰しも、社員同士仲良くありたいと思うし、お互いをきちんと知ろう、と思うものだ。でも個人個人が思い思いに動いても、限界がある。社員と経営陣、A部の社員とB部の社員、古株と新人、、、それぞれを繋ぐために必要なのは、たった一つの「仕掛け」であったりする。また、コンセプトやスローガンは、掲げるだけではその役目は終わらず、全員に浸透させるにも「仕掛け」が必要だ。これらの「仕掛け」は、一朝一夕では済まない彼女の地道な活動によって作り出されていることがわかる。
今後、広報業務はさらに体制を強化していくという。
「いま、一応部長なんで、、、さすがに全部はやりきれないので(笑)」
次回はきっと、“一応”がはずれた彼女の、充実感にあふれたキラキラの笑顔に会えるだろう。
プロフィール | 大和田 草子 株式会社アイスタイル コーポレートストーリー室 室長 1982年4月生まれ、東京都出身。 2005年4月株式会社アイスタイル入社。新卒一期生。 WEBと連動したリアル店舗「@cosme store」立ち上げに参画。 2008年7月同社社長室へ異動。新卒採用担当に。研修、採用広報を経て、 2012年7月同社コーポレートストーリー室 室長就任(現任)。 |
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ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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