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ライター:マーシー

2020.10.30

ドイツが在宅勤務権の法制化に向けて始動~日本はどうなる!?~

この10月(2020年)、ドイツが「年間で24日の在宅勤務を企業に義務づける法律」の制定を検討することを発表。これまでは労使間の協議事項だった「在宅勤務権」を法律にして社会に定着させ、新型コロナにより大きく変化した労働市場に柔軟に対応する動きが加速しています。これまでも一部のヨーロッパ諸国で広がりつつある在宅勤務権の最新事情について探ってみました。

在宅勤務権とは

在宅勤務権とは、自宅で働くことを権利として保障したもの。在宅勤務の運用ルールについては従来、労使間で個別に取り決めることが一般的だったが、オランダやフィンランドなどが世界に先駆け法制化した。労働者に自宅を含む好きな場所での勤務を要求することを認め、企業など雇用主にはそれを受け入れる努力義務を課す形が多い。日経新聞 2020年10月7日より引用]

従来は労使間での交渉事であった、自宅で働く権利を一般の法律に落とし、社会全体に普及させる狙いがあるようです。

なお、フランスでは、2017年に、 「オフラインになる権利」 を保障する法律が成立し、従業員50人超の企業は、社外で業務上の電話やEmailに対応する時間帯を制限する義務が生じることとなりました。こうした業務に対応することで、ストレスや睡眠障害、家族関係の問題を発生させる懸念が、社会全体に高まったことが背景にあります。

在宅勤務権議論の欧州での広がり

これらの働く上での権利・義務の見直しの延長としての在宅勤務権の議論が、ヨーロッパ諸国を中心に広がりつつあります。

オランダは、2016年に在宅勤務権を法制化。フィンランドでは、2020年1月に、労働時間の半分以上を好きな場所で働くことを認める法律が施行。イギリスでも、今年(2020年)に入り、法制化の動きが進んでいます。

一方、アメリカの労働法には、現時点では在宅勤務に関する事項は含まれておらず、在宅勤務を認めるかどうかは雇用側の裁量とされています。ただ、The Family and Medical Leave Act [FMLA](家庭および医療目的休暇法)の中で、特定の健康上の状態にある従業員、および、そうした家族の介護が必要な従業員については、在宅勤務が適用されることになっています。FMLA法に該当しない従業員は、勤務先の企業に、都度要望を上げることができますが、企業側はその必要性について検討はするものの、法的には応じる義務はない、という状況です。

働き方の多様化が進む海外(主に欧米各国)でも、考え方が少し分かれているようです。

ドイツでの動き

これまで、フレキシブルな働き方に対してはかなり保守的と見られていたドイツで、新たな動きが観測されました。2020年10月に、同国のハイル労働・社会相が、働く人に少なくとも年24日の在宅勤務権を要求する権利を認めることを提案。これを法制化し、企業は特別な理由がなければ拒否できないようにするというもので、コロナ禍で広がった在宅勤務を社会に定着させ、働き方をより柔軟にしてゆく狙いがあるとされています。

ハイル労働・社会相は「月に2日の在宅勤務が義務付けられた場合、子どもがいる共働き世帯の両親の一方は、毎週1日の在宅勤務を取ることになる。これは家族の生活をより容易に送ることを可能にする」「新型コロナのウイルスが、我々に、さらにもっと多くの在宅勤務が可能であることを教えてくれた」「在宅勤務は現代的な働き方をする一部の人たちにすでに広く浸透していたものの、それは多数派ではなかった。そのため、法制化が必要と判断した」とも述べています。

これに対し、インゴ・クラマー ドイツ経営者連盟社長は「全くナンセンスな法制化議論。ドイツの企業の仕事を、海外のより安い労働力にアウトソースさせることを助長することになる」と警鐘を鳴らすなどの議論が巻き起こっています。

また、在宅勤務が利用しやすい職種とそうでない職種の間での格差の問題なども、今後の課題とされています。

日本では…

そうしたドイツの動きを受けて、我が国日本はどういう動きを取るべきなのか、これまで働き方改革、中でも、テレワークの重要性を唱え続けてこられた、総務省の箕浦龍一さん(前・行政評価局総務課長。現在は大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)はこう話します。

『在宅勤務の権利化のような話は、少なくとも私の周りでは聞いたことがないです。聞いていないだけかもしれないですが、もともとテレワークに対しては、日本政府の考え方は、今回の新型コロナまでは遅れていましたから、発想の転換がドイツほどはできていないのだと思います。

一方で「在宅勤務権」という考え方が、どこまで妥当なものなのかは、正直よくわかりません。むしろ出勤しない権利、というなら何となく理解できます。

昭和の時代には、オフィスに行かなければ、仕事に必要なあらゆるもの(書類、参考文献や固定電話やFAXなど)が存在しませんでした。オフィスに来ていない人は、仕事をしているはずがなかった。

でも今は違います。営業で外回りしたら、外出先でも仕事はできてしまいます。それなのに、本来必要もないのに、その後一度は社に戻りなさい、という「意味のない」苦役を雇用者側は続けるのでしょうか、というのが、在宅勤務権の背景にある考え方なのであれば、ある程度はその実用性を理解することができます。

今、コロナのことだけを考えていてもダメですね。むしろ競争力の高い、強靭なビジネスモデルを作るための変革を社会全体として目指すべきです』。

        *       *       *

在宅勤務を働く人の権利として認める。ヨーロッパ各国が今、踏み込もうとしているこうした考え方は、これまで時間単位で働いてきた労働スタイルを成果単位で評価し直すというパラダイムシフトを、社会全体にもたらす契機にもつながり、従来型の労働者の権利を守るという観点からは、懸念の声も上がっています。

しかし、新型コロナの広がりにより、自宅で働くことが半ば強制始動されるようになり、雇用側も労働者側も、多くの変化を受け入れることを余儀なくされています。

在宅勤務を働く権利として明確に認めることで、これまで解決できなかった家族間の問題、社会全体の問題を、より柔軟に捉え直すきっかけになるのかもしれません。

※本記事は、以下の各記事を引用しています。

日経新聞 2020年10月7日

The Local 2020年10月5日

FINANCIAL TIMES 2020年10月

マーシー

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ライタープロフィール

2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。

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