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気になるこの人!
オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

2014.11.05

後藤綾子:カルビー/執行役員・コーポレートコミュニケーション本部長
「目指すはCalbee Innovative Field!」

「気になるオフィス!」、「気になるコネタ!」コーナーでもご紹介した、カルビーの強制(くじ引き)フリーアドレス制度を導入したオフィス。現在のオフィスに至るまでのすべてを知る後藤さんが、コンセプトにこだわり、社内への呼びかけを丁寧に辛抱強く実践した結果、ここまでの定着を実現させました。

そんな後藤さんに、これまでのご経歴と、フリーアドレス成功の秘訣を語っていただきました。

―まずはご経歴をお聞かせください。

1995年 カルビー入社。以来7年ほど、広域販売部(営業)に所属。
2002年 突如、当時創業家の社長秘書を命じられる。
2007年 当時のワークスタイル改革プロジェクトのリーダーを担当。
2009年 経営が創業家から脱却して新体制に変わり、赤羽本社と八重洲オフィス、その他支店が統合する大規模な本社移転が企画され、そのプロジェクトメンバーにアサイン。秘書業務の傍ら、社内広報的な仕事も兼務。
2010年 CEO/COOサポート室長 兼 ダイバーシティ委員長に就任。
2012年 広報部長に就任。
2014年 コーポレートコミュニケーション本部長に就任。

―いきなり営業から秘書とは大変だったのではないでしょうか。

はい、秘書を命じられたときは、「どうして私が?」と疑問に思ったのを覚えています。当然ですが営業の時とは全く働き方も違って、いわゆる秘書業務をいろいろと勉強させていただきました。

1年ほどやってみると、周囲が社長のことを非常に気にしているというか、顔色をうかがっていることに気づきました。元営業としては、鶴の一声で事態が一変するというのも味わっておりましたし、皆さんが気にするのもわかるのですが、よくよくそばで見ていますとそれほど言うことが変わるわけでなく、同じことを表現を変えて言い続けているだけなんだということがようやくわかってきたのです。これは全従業員が常に社長のことを共有できる場所があればいいのでは、と思い立ち、イントラサイトの立ち上げにいたりました。

―イントラサイトの立ち上げは、社長の言葉を形にすることから始まったのですね。

それまでも、社長からのメッセージは届いていたのですが、単にワードに文字がずらっと並んでいて、図があるとすれば業績の数字くらい。しかも不定期でのメール配信でしたのでどうしてもわかりづらく、その時限りになってしまいます。サイトを立ち上げてからは、社長の出張先での写真や、読んでいる本をアップしたりするようになり、気づけば社内で多くの人がそれらを話題にしている光景が見られました。そのうち、他の役員からもメッセージが発信されるようになっていきました。

―2007年、八重洲オフィスでのワークスタイル改革プロジェクト(以降、PJ)の際はリーダーをご担当されたそうですね。

はい。本社は赤羽でしたが、一部の部署が02年から八重洲のヤンマービルに移転しており、その増床でした。ただワンフロア増やすだけでなく、働き方にも変革を、というのが当時のボスであった元社長(当時相談役)からの命でした。

PJチームが発足し、私がリーダーを担当することになりました。当時PJマネジメントをしていただいたソフトバンクテレコムさんには、フリーアドレスを取り入れた先進的なオフィスを見学させていただいたり、PJの進め方にいたるまでいろいろと勉強させてもらいましたね。PJ名ひとつとっても、単なる“増床プロジェクト”ではつまらないので従業員から募集して「ヤエゾウPJ」(=八重洲の増床)としたり、進行状況を伝える『ヤエゾウ通信』を発行したり、“ヤエゾウファミリー”といって各組織から一人ずつ、協力してくれるメンバーを募ったり。楽しみながら進めました。

―和気あいあいとした雰囲気が伝わってきますね。働き方の変革はどうでしたか?

ワークスタイル改革としては、携帯電話やノートPCの導入など一気にモバイルワークがスタートしたので、スキル研修を実施。ほかにも効率的な議事録の取り方、資料の作り方、PJの進め方など、通常の業務にも役立つトレーニングを実施しましたので、全体の結果としてはよかったのですが、フリーアドレスはうまくいったとは言えません。どんなに工夫しても、同じようなところに座るようになってくるんですね。また、片側3人掛けのテーブルでは両端だけ埋まって、中央の席はいつもデッドスペースになってしまったり。課題は山積みでした。

―なるほど。現在のシステムを導入したのは次の大規模移転からだったのですね。

09年に経営体制がかわって間もなく、一か所にオフィスを統合せよという指令がおりました。当時私は相談役秘書だったのですが、07年の“ヤエゾウPJ”を担当した経験もあってメンバーに任命されました。このときは規模も大きく遊びじゃない、ということでPJ名は普通に“本社移転PJ”でしたけど。(笑)

私はPJの中では広報的な役割で、PJの進行内容を共有するために「本社移転PJ通信」をここでもやはり発行していました。内容的には、・コンセプトを繰り返し掲示する、・施工前のオフィスビル見学ツアーの実施、・方々から飛んでくる質問疑問をQ&Aとして掲載するなど、自分がもしPJに参加していない一従業員だとしたら、すごく知りたいな、と思うことを、その立場になって考え発信しました。気になることを早めに伝えることで安心してもらえるし、移転に対する一体感が高まるとも思います。

―強制(くじ引き)フリーアドレス導入のきっかけやご苦労された点を教えてください。

一人ひとりが別々に仕事しているならオフィスは不要。みんなが集まって仕事するならイノベーションを生みだすオフィスにしたい。そのためにはフリーアドレス制は必須。でも八重洲の経験上、人力だけでは難しく、強制的に席替えする仕組みがないと・・・。実際、システムを導入するまでの移転後1~2週間でもすでに席は固定化しはじめていました。それも想定範囲内でしたので、以前コクヨさんから提案があった「オフィスダーツ」の導入を計画していました。

「Office is the most dangerous place」と松本(会長)は言います。つまり、いつも同じ席に座り、いつも同じ顔触れで目新しい情報交換もなく仕事をしていても何も生みだせない、と。なるべく外に行くようにする、根付かないようにする、というコンセプトにはぴったりな仕掛けでした。一日に2回、システムにしたがって席を決める。面倒だ、遊びじゃないんだ、と反対意見も当然ありましたが最後は松本の「いやなら(会社)辞めれば」の一言でおしまいです。

もしトップから反対されていたら実現しなかったのですが、導入を決めてから報告したときは「面白いじゃない」ってあっさり。このときは正直ほっとしましたね(笑)。

―「イノベーションを生みだすオフィス」へのこだわりの賜物ですね。みなさんの変化はいかがでしたか。

とにかくいろんな人の話が入ってきます。どこの部署が今なにをやっているのか、Aさんは英語が得意とか、Bさんは犬を飼っているとか、Cさんの趣味がどうとか。これまで顔しかわからなかった従業員同士も、一度話すともう次からは壁がなくなりますし、新しいつながりが無意識に生まれているなと感じます。会話が増え、社内の雰囲気が明るくなったのではないかと思います。盛り上がってそのままランチに行ったりしているところも見かけますね。

もうすぐ5年になりますが、業績も毎年伸び続けていますので導入効果はあったと感じています。今後新しい試みとしては、月に一回、週に一回とかで、チームでまとまって座る日や、全エリアをミックスする日を設けるなど、本来の目的に沿った試みであればどんどん取り入れたいと思います。単に面倒なのを理由に一日に2回のところを1回にするなどは、私は断固反対しています。その“面倒”こそが、イノベーションにつながっているのですから。

―ダイバーシティ委員会では、具体的にはどのような活動をされたのでしょうか。

まずは啓発活動です。ダイバーシティとはなんなのか、なぜ当社に必要なのか、を全従業員に説明するところから、制度まわり、実態をつかむためのアンケートの実施など。一人ひとりの能力を発揮できるようにするための仕組みとして何ができるか、に取り組みました。そのうち、全社でフォーラムの開催をしたり、ハンドブックやグッズの配布をしたり、理解度アンケートなども実施していき、だんだんとカルビーはダイバーシティをやっている会社だというイメージが定着してきました。

2012年に広報部長、さらに2014年にお客様相談室や食育を管轄するコーポレートコミュニケーション本部長に就任しました。これもダイバーシティの一環と思っています。

―目まぐるしくいろいろな業務を担当されてきましたが、達成感や手応え感を実感するときはどんなときですか。

休日にふと、忘れ物を取りにオフィスに行ったことがありました。当然誰もいなくてがらんとしていましたが、デスクの上に荷物などなく、まるで移転してきたばかりのようなその光景を見たとき、あ~やったな、定着しているんだなとちょっと感動しちゃいました。

また、私がたまたま地方の支店に出張に行ったときに知ったのですが、本社に倣い、毎日くじ引きして席を決めていたんです。手作りのくじ引きボックスや、100円ショップで売っているようなビンゴゲームのおもちゃで工夫しているところもあります。これは驚きましたし、嬉しかったですね。

―高いシステムを入れなくても、工夫次第でなんでもできるのだということの証明ですね。

移転にしてもダイバーシティにしても、こうしてメディアに取り上げられたとき、いまは広報の立場としてお受けしていますが、自分自身が深く関わったものとして実感をもって伝えられること、これも手応えを感じる瞬間です。

日経ニューオフィス賞を受賞できなかったときはがっかりしましたが、5年経つ今でも講演や取材を頼まれたりすることをみると、きちんと続いていてかつ業績もそれなりに上がっているということからなのかなと感じています。

―後藤さんのご活躍ぶりと合わせて、従業員さんたちの意識の高さがうかがえますね。これからもまだまだご活躍を期待しております!ありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
物理的にも精神的にも壁のない会社、それが私がカルビーさんを見て感じたことでした。後藤さんの全社への周知の仕方は、従業員一人ひとりに対する思いやりからなるもので、トップの方の柔軟さももちろん、役員の方にも気軽に声をかけて意見を聞きあうという風土が醸成されているのは素晴らしいと思います。

これまで私が見てきたフリーアドレスを導入した企業は、ほぼスペースの効率化が目的だったのですが、カルビーさんは最初から、「従業員が混ざり合うことで、イノベーションを生みだす」ということを目的にしていました。その目的をぶらすことなく、こだわり続けて完成したオフィスなのだ、としみじみ感じました。毎日違う人とテーブルを共にする、想像しただけで面白そうです。大企業には珍しい、風通しの良さを感じるのも、この強制フリーアドレス制が後押ししているような気がします。

これからフリーアドレスを検討している企業さん、現在実践している企業さんも、ぜひ参考にしてみていただきたいと思います。

プロフィール後藤綾子(ごとう・あやこ)

1995年 カルビー入社。以来7年ほど、広域販売部(営業)に所属。
2002年 突如、当時創業家の社長秘書を命じられる。
2007年 当時のワークスタイル改革プロジェクトのリーダーを担当。
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2014年 コーポレートコミュニケーション本部長に就任。
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