その手があったか！“社員専用のレストランバー”でエンゲージメント爆上がり！

こんにちは！

過去に取材した方で、こんな話がありました。 お子さんから「ママは毎日、あの人たちに会いに会社に行ってるんでしょ？」なんて言われてしまうくらい、会えば元気をもらえる、そんな仲間がいるって幸せなことですよね。

リモートワークと出社のハイブリッドスタイルが定着した会社では、気の合う仲間と顔を合わせる頻度は低くなっています。今や多くの企業が「社員のエンゲージメント問題」に頭を抱えていることでしょう。

今回取材した株式会社エーエスエルさんは、客先常駐型のシステムエンジニアリングサービス業。業種的に自社の仲間と顔を合わせる頻度は相当低いと言える、そんな同社が、2022年6月からプレオープン期間を経て、社員専用のレストランバーを開店しました。めっちゃオシャレで美味しい施策を今回はご紹介しますよ！

「飲み会をもっとやってほしい」の声をきっかけに

――レストランバー「Assembler」を作ったきっかけと目的について教えてください！

■代表取締役社長/平出氏
ずばり、社員のために福利厚生施設として作ったものです。当社は毎年社員アンケートをとっていまして、その中で「飲み会を開催してほしい」という声がよくあがっていたんです。でも飲み会を開こうとすると、メンバーは誰を呼ぶか何人呼ぶかとか、お店選びにしても場所は、ジャンルは、予算は、などけっこう手間暇かかりますよね。コロナの時期は特に、お店も空いてなかったですし。これはもうお店を作ってしまった方がいいのではないか、と思ったんです。

▼代表の平出氏（左）と、シェフの阿部氏

――内装イメージは何かを参考にされましたか？ところどころに貴社のオフィステーマである「インダストリアル」感が取り入れられている気がしますが…
→ 【気になるオフィス！】エーエスエル：コンパクトでもここまでできる！こだわりの”帰って来たくなる”リラックス空間

映画『バットマン』のBATCAVE、ご存じですか？下水道なのにゴージャスなバーカウンターが突然出現する、みたいな。あれがドンピシャのイメージなんです。オフィスはインダストリアルっぽくしながらも働きやすい雰囲気重視でグリーンを入れて爽やかにしていますが、ここは徹底的に無機質にしています。

――わかります！！（笑）思いっきり社長の好み出てますね！！隠れ家感がかっこいいです♪ 水道管みたいの出てるし！

やるからには妥協しない。本格的な料理でおもてなし

――確かにこれは採用に効きそう！ポイントはどんなところですか？

ひとつは
■オフィスから離れていること　です。
会社の中や別フロアなどにレストランバーを作ったとしても、「どうせ社長とか上司とかがいる…」と思うと楽しめないんですよね。会社のそばではかえってデメリットになる可能性があります。当社の働き方からして、いろんな企業に常駐していますので、アクセスのいい場所に設けることで社員が利用しやすくなります。

また、予約システムもきちんと作りましたので、どんな人が利用しているかもわかります。

もうひとつは、
■一流の料理人が作る料理を原価並みのお値段で提供していること　です。毎週金曜は予約で満席なんですよ。

▼シェフのアドリブでメニューにないお料理が出ることもあるそう♪お酒の種類も豊富

▼一番人気のメニュー、出し巻き卵（トリュフ入り）。
取材時は、ブルーベリーのノンアルコールカクテルとともにごちそうしていただきました！

▼「thank you for your hard work（お疲れ様です）」のメッセージが入ったコースターはまるでマンホールみたい♪

――みなさんに利用してもらえるような工夫があれば教えてください。

年代別の会や、趣味の会、スポーツのライブビューイング、一度も利用したことのない社員限定の会など、様々なテーマで開催し、盛り上げながら運営しています。

また、「社外の人を招待してもいい特別ルール」を設けていて、①社員それぞれの常駐先（お客様）を招待していい、しかも初回だけは無料ご招待というものです。これのおかげで「飲みに行きませんか」と声をかけやすい状況を作れていると思います。先日、お客様とお互いに初めて顔を認識した、なんてケースがありましたよ。コロナ下でスタートした仕事でずっと全員リモート会議（カメラオフ）だけだったそうです。

もうひとつ、②リファラル採用の目的でも利用していいルールです。「こういう施設があるなら入社したい」という魅力につながると思っています。

――それはよく考えられたルールですね。利用状況はいかがですか？

営業チームがお客様を連れて会食、というのも多いですし、中には一人で夕食目的で、という人もいます。接待でも月に3回前後は利用しています。いまは社員の半数ほどが一度は利用している状況です。

「Assembler」を利用した社員アンケートから回答の一例をご紹介しましょう。（一部抜粋）
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・自分の会社の社員に会う機会が少ない業界です。「Assembler」があることで人脈も広がるし普段と違う話題やお付き合いが出来てよい良いと思う。
・通常の居酒屋と違って社員だけの空間ということで、話題の選び方に気を遣わず会話ができる
・話したことのない社員ともたくさん話せた
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ちなみに、10回来店したらエーエスエルのオリジナルパーカーがもらえるんですって！目指せ10回！ですね＾＾

いかがでしたか？

アンケートの最後の一文、いいですよね。
「話したことのない社員とたくさん話せた」
働くスタイル的に自社の社員と話す機会がほとんどない、というのは、ともすれば諦めるしかないのかもしれません。オフィスに出社するスタイルの企業であればそれなりのやり方がありますが、常駐型の業種はオフィスの広さは限られています。だからといって毎度毎度飲み会をセッティングするのはなかなか手がかかります。

レストランバーの運営は、“この手があったか！”とすごく納得しました。平出社長は、「そこまでコストをかけずにできるので、ぜひ他の企業も実行してみてほしいと思う」、とおっしゃっていました。

（近いうちに社員用のリモートワーク用サードプレイスも新設されるんではないか、と勝手に想像しながら帰路に着く筆者でした・・・）