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ライター:セッキ―

2023.12.25

「眠り」への取り組みが健康経営®のカギになる!眠りのプロ・西川の提案

実に69.2%の人が、自社に昼寝スペースや仮眠制度を導入してほしいと思っている…!
そんなアンケート結果を目にして、ちょっと気になっていたんですよね。
*PLUS株式会社職場の居心地WEB調査】第5回「昼寝制度がある会社」ってどう思う?より

朝から夕刻まで仕事をしていれば一度は眠気に襲われる、という人が多いでしょう。オフィスに仮眠スペースがあったら、また昼寝をしても「さぼってる」などと言われない習慣が根付いていたら、もっと効率的に業務を進められるのに。そんな風に思う人が多いからなのかもしれませんね。

今回取材した西川株式会社では、(そう、寝具で有名なあの会社ですが、)寝具の販売のイメージから、最近では「健康経営」に注目、より生産性が上がるための「よりよい仮眠」を提供する活動に積極的に取り組んでいます。今号では、その気になる取り組みをご紹介します。

西川グループといえば言わずと知れた寝具のプロですが、その歴史、なんと450年超え!1566年創業時は、蚊帳や生活必用品を販売していた近江商人。やがて江戸に進出し、蚊帳にデザインを施し人気を博します。日本橋にお店が完成した3か月後に関東大震災を罹災するも、被災された生活者の為すぐに営業を再開、生活に必要な商品は瞬く間に売れていったそうです。その後次々と新たな素材やデザインで寝具を展開していきますが、1984(昭和59)年、「睡眠を科学する」というコンセプトを掲げて日本睡眠科学研究所を設立。

日本睡眠科学研究所って?

「西川では以前から、感覚ではなく、多面的にデータを収集・分析した科学的根拠に基づいて質を高める商品開発の重要性を認識していた。そのような中、1984(昭和59)年、「睡眠を科学する」というコンセプトを掲げて日本睡眠科学研究所を東京オフィス第二ビル7階に開設した。

当時東京工業大学工学部長の清水二郎教授や東京医科歯科大学の井上昌次郎教授などの協力も得て、研究体制を構築。研究所内には、環境による睡眠状態の変化や寝床内環境などの観察・研究に向けて、温度0~40℃、湿度40~80%の室内環境をつくり出す「睡眠測定室」や、温度20℃、湿度65%の一定室温・湿度環境をコントロールでき、JIS規格の条件も満たす「温熱測定室」などを完備し、社員が被験者となって基礎データを収集して新商品の開発を進めた。この基礎研究が新商品開発の基礎となり、快適寝具を次々と生み出していったのである。」
(公式サイト“西川の歴史”より抜粋引用)

さすが、社内にしっかりと研究施設があったのですね!
枕、布団、マットレスなど「良い寝具」のモノ作りを中心にその歴史を積み重ねてきた同社ですが、一方ではこんなにも長く「眠り」に関する研究を続けていたのですね。良い眠りが健康に結びつく、というエビデンスを日々取り続けている、というわけです。

実は今回、その施設もおジャマさせていただきました!本社ビルの向かいにある第二ビル7階でーす。

人体模型とか身体測定する機械、ベッドなどありますねー。

こちらは睡眠測定室。気温、湿度などを調整しあらゆる季節環境を作り出して研究できるようになっているんだそう!

さてお待たせしました!ここから、ワーカーたちの実際の眠りに関係してくる気になる取り組みを掘り下げていきます!

1)適切な仮眠へ導く「ちょっと寝ルーム」ってなんだ?

仕事中にどうしても眠たくなったとき、どうしていますか?ムリして頑張るよりもちょっと寝ちゃった方がむしろスッキリして効率が上がる、なんて経験ありますよね。例えばスペインでは「シエスタ」といって午睡を含む昼休憩を推奨する文化があります。

日本ではどうでしょう、「昼寝したらさぼってると思われるのではないか」などと考えてしまいなかなか堂々と寝ることができなかったり…だったらがっつり仮眠専用のスペースを作ってしまえばそんな心配はなくなるでしょう!

一般的に12時から15時の間に15分程度の仮眠をとることが推奨されていますが、西川では仮眠する環境〈光や音など〉についてもどのような状態が最適か、というデータがそろっています。

そして2019年2月、西川の本社ビルに「ちょっと寝ルーム」を開設!音と光などを制御した、日本睡眠科学研究所が推奨する15分間の快適仮眠環境を実現したのです。

西川の社員さんが3週間、仮眠を実施したところ、実施前と比べて約9割の人が「ストレス」や「眠気」が減ったという結果に。それは気になる!ということで筆者、実際に「ちょっと寝ルーム」を体験してきました!

ここは西川本社ビルの地下1階。社員食堂の奥にそれはありました。においとか音とか、大丈夫なんでしょうか?いえいえ、扉も重厚、しっかり遮断されています。

広々とした空間、温かな照明に包まれています。

うつぶせ枕などが沢山置いてあって、不織布のシートを必ず置いてから使用するというルール。

壁に向いているデスクが並んでます!

これはデスクに突っ伏して寝るんですね。

こちらは西川が自信をもって提供するマットレス[エアー]を設置した簡易的なベッドが4台。入眠しやすい、また深い眠りに落ちないよう傾斜がついていて、抱き枕がセットされてますね。

手前の一角には女性専用の個室がありました。

いよいよ筆者、フルパッケージ15分を体験!
体験しながら写真撮影ができないので残念ですが、傾斜がついた[エアー]のベッドに横にならせていただきました。室温は暑くも寒くもないちょうどいい温度に調整されていました。だんだんと照明が暗くなり、プラネタリウムが天井に表れます。

少しずつ暗くなり、自然音からブラウンノイズに切り替わります。15分後には照明が明るくなり軽やかな音楽が流れ始めました。音にも配慮が行き届いていて、起きやすい状況を作り出しているんですね。 ちなみに筆者はさすがに11:45では全く眠くならず、周囲の様子をガン見していました^^;

12~15時の間で1回15分、その後5分の入れ替えタイムを設け、一日9回を運用しているそう。

■広報/森さん---------------------------------------------
「開設のきっかけは、女性社員の制服廃止によって地下の更衣室がなくなるという流れから、撮影スタジオや倉庫などのいろんな案をおさえ、もともとあった仮眠室が欲しいという声を実現する形になりました。夜の睡眠については今まで思考を重ねてきましたが、人間の体のリズムでお昼に眠くなるという自然の摂理から、仕事の質を高めるために仮眠室を導入しようという意図も会社としてありました。

地下のスペースは窓もなく、音と光を完全にシャットアウトでき、仮眠環境を作るのにはうってつけでした。」

■広域戦略事業部第6部/課長/飯沼さん------------------------
「仮眠したほうが集中力が上がる、というのは当然の結果と思っていましたが、直後だけでなく2時間後も生産性が保たれていた、というのが注目される点ですね。当社の社員も積極的に活用しています。ただ暗くするだけ、ただ横になるだけ、といった仮眠スペースで寝るのとは違う効果が得られるものになっています。

子育てや介護、仕事の状況などによって誰もが同じようにしっかり睡眠をとれるわけではありません。その不足分を少しでもヘッジして午後の業務により快適に向き合えるように、と健康経営®の一環として提案しているものです。」

コロナ禍が落ち着き始めてから急激に問い合わせが増えていて、今年(2023年)3月より北海道のエスコンフィールドにも導入され、野球選手の仮眠に活用されているそう。また自治体や病院、シェアオフィスなどでも導入が決まっているそう!

▼エスコンフィールド内 Power Nap Room supported by nishikawa

個人的にはコワーキングスペースを結構利用するので、時々眠くなった時に「ちょっと寝ルーム」があると嬉しいですね~

また、WELL認証の取得に向けて取り組み中の大阪の企業にも導入が決まっているそうで、今後のWELL認証の評価項目に「眠り」が組み込まれる可能性も出てくるのはないかと期待が高まっています!


2)「ねむりの相談所®」で主睡眠へのケアも!

日中の眠気は「ちょっと寝ルーム」で補えたらいいとして…では夜の主睡眠は?

社員一人ひとり、家族構成や通勤時間も違いますし、日々の生活スタイルに大きく関わるところ。それを会社が関与するのは難しいわけで…

西川はここにも手厚いサポートをしてくださるんですね~。2017年からスタートした「ねむりの相談所®」は実店舗を設け、専門知識を持つ眠りのプロフェッショナル(スリープマスター)が常駐。睡眠の悩みに寄り添い、ひとり一人にあった睡眠環境の改善方法をアドバイスしてくれます。

少しずつ店舗を増やしていて、現在約70店舗にまで広がっています。

睡眠環境コンサルティングの流れはこんな感じ。

→カウンセリングシートを記入
→身体に装着しデータを計測する機器をレンタル。1~2週間装着
→再来店し、調査結果の解析。スリープマスターから快眠のためのアドバイスをもらう

1-2週間装着するって、いったいどんなものでしょうね?
はい!ショールームが第二ビルの2階にありました♪

オーダーメイド枕の相談ができたり…

安眠に導く香りやハーブティー、音楽などのご提案もしてくれる、知識豊富なスリープマスターが常駐しているんですね!

うわさの計測器は、3センチ×3センチほどのこんなに小さな活動量計。これを腰のあたりに装着!お風呂の時間以外はずっとつけて生活するのだそうです。これはデータ、気になりますね~

1~2週間経ったら再来店。活動量計をもとにデータの解析が始まります。いくつか実際の事例を見せていただくと…

左にあるスマイルは5段階あり、この方は心地よく眠れているという結果ですね。下の棒グラフでは、一日の活動が示されていて、右の方のグレーになっているところが睡眠中の動きです。寝床に入った時刻や、横向き寝、うつぶせ寝の時間、起床までの間に何度覚醒しているかとかまでわかるって!すご!

あちゃー、この人はだいぶお疲れですね(涙 そもそも睡眠時間が2.5時間しかない!日中もほとんど動いてない!

こちらは王冠がついているマークが出ていました!ほぼ文句なしのきれいな五角形。

このような結果から、「日中もう少し身体を動かした方がいいですよ」、「寝る前にストレッチをしてみましょう」などのアドバイスをもらえるとのこと、かなり満足度が高そうですね!これ、たとえば福利厚生として、社員全員にねむりの相談所®での解析を依頼する、なんていうのもいいかもしれませんね。

     *     *     *     *     *

◆取材を終えて◆
このように、個人の主睡眠とその不足を補う職場での仮眠という両面からのアプローチで、睡眠を改善し社員により健康的に、上質なアウトプットを出せるようサポートする取り組みをされているのでした。まさに西川の企業理念、「よく眠り、よく生きる。」の体現ですね。

(実は筆者、即日本橋店に足を運び、実際に現在測定中なんです!!結果が怖いような楽しみなような…)

今号は、職場の仮眠環境を提供する「ちょっと寝ルーム」、BtoBtoEのサービスとして個人の眠りの困りごとに寄り添う「ねむりの相談所®」についてご紹介しました。

Information西川株式会社

「ちょっと寝ルーム」のご提案※導入の流れもこちらでご案内されています
ねむりの相談所
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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