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ライター:セッキ―

2021.07.12

「“街に開く”というコンセプトは、変えたくなかった。」今後も THE CAMPUSの挑戦は続く

2021年2月、品川にある自社ビルの大規模リニュアルを終えたコクヨ株式会社。南館と北館の2つの建屋からなるそのスペースは、「THE CAMPUS」と名付けられ、品川駅港南口のビジネス街でひときわ目立つ場所となっています。

前号では、その中身についてすみずみまでお伝えしましたが、

●コクヨ社員はどんなふうに使っているの?
●リニュアルプロジェクト進行は大変だったのでは?
●コロナ禍で諦めたことはある?


・・・いろいろ聞きたいですよねっ!!

はい、
今号では、広報担当である片桐さんにインタビュー!片桐さんはリニュアルPJを一番近くで見守ってきた社員のお一人です。PJメンバーの気持ち、またTHE CAMPUSというオフィスを利用する”いちユーザー”としても、お話を伺ってきましたよ^^

築40年以上の自社ビルを大規模リニュアル

―今回の大規模リニュアルが決まった経緯について、教えてください。

片桐さん)(以下敬称略)まず弊社の沿革ですが、「コクヨ株式会社」を中心に、2015年まで分社・持ち株会社制を敷いており、コクヨファニチャー(オフィス家具)とコクヨS&T(文具)などで、コクヨグループを形成していました。そして2015年に、コクヨ株式会社を存続会社として、現在の体制になっています。

参考:コクヨ株式会社 沿革

統合して以降も、横のつながりを深められずに年月が過ぎました。それが2017年に、会社としての結束を強化すべく、ワンフロアに全社員を集結しよう、ということで品川シーズンテラス18階を借りることとなりました。その時から今回のTHE CAMPUSが竣工するまで、自社ビルは(一部機能を除き)使われていなかったのです。

―やはり結束を強化するには、そういった思い切った決断が必要だったのですね。しかし、何年も空きビル状態とはもったいないですね。

片桐)そうですよね。北館のほうにはイベントホールやショールーム、ライブオフィスなど一部残ってはいましたが南館のほうはほとんど空きビル状態だったので、時間をかけてその使い道を検討してきました。

例えば、オフィスビルに建て替えて家賃収入を得る、売却する、など様々な土地活用の検討を行いましたが、リニア中央新幹線の開通予定や周辺の開発計画を考えると、品川の地が今後もっと発展していく可能性があると判断し、リノベーションすることが決まったのが2019年のことです。

―動き出したのはコロナ前ということですね。プロジェクトの方向性が大きく変わったのではないでしょうか。

片桐)はい、まさに方針がすべて決まって、既に一部工事が始まった頃にコロナ禍に突入です(涙)。それでも【街に開く】、というコンセプトは変えたくなかった。ホテルやサウナ、コワーキングスペースなどを運営することにより、もっと街に開くことを想定していましたが、コロナの影響により、外部の方々を積極的に招いた構想の実現が難しくなり、“集うための場所とつくる”というアイディアを、“これからの集い方を考える場所”という、新たな発想のパブリックスペースを備えた形をとることになりました。

コクヨの「ライブオフィス」は、社員の働く姿、場所を皆さんに見学・体感いただく取り組みで、全国的に展開しています。これを、オフィス内だけでなくオフィスを飛び出して、【街を含めた実験場にしたい】、という方針でプロジェクトは進行しました。“働く”と“暮らす”が融合していく流れは今後もっと加速していくだろう、と捉えていて、“街に開く”という考え方はコロナ以前からもずっと大きな柱として存在していたんです。

現在は、横のつながりが構築されてきましたので、ファニチャー事業がTHE CAMPUSに入居し、品川シーズンテラスにはコーポレート部門、ステーショナリー事業、カウネット事業などが入居しています。

―大規模なプロジェクトですが、人員の構成は?

片桐)約15名からなり、若手メンバーを中心にアサインされました。キービジュアル(ピンクのヴィジュアル・アイデンティティ)やコピーライト含め、施工以外はすべてインハウスで構成しています。企画、設計、アートデザイナー、コピーライトなどの担当に分かれ副社長の坂上が全体の総指揮を取る形で参画しています。

ショップ構築のノウハウを活かせるよう、THINK OF THINGSの企画やデザインを担当する若手メンバーが入ったり、インハウスのデザイナーと外部のアーティストとのコラボレーションも行われたりしました。もちろんPJメンバー以外にも周囲の協力を得ながら、約1年半のプロジェクトが進行していきました。

―プロジェクトを進行する中で一番盛り上がったのはどんなところでしょうか?

片桐)いいアイディアが浮かんだときやそれが認められたとき、だと思いますが、やはり一番は「THE CAMPUS」というネーミングが決まった瞬間ですかね。

世間では「キャンパスノート」の名前の印象が強く、“キャンパスといえばコクヨ”といったようなイメージがついているかと思うのですが、大学のキャンパスのように、「個々人が学んだり成長したり、やりたいことをやれる場所」という想いが込められています。その“キャンパス”と、弊社を象徴する看板商品の名前が合致した、という感じで、これが承認された時は一番盛り上がりました^^

また、レセプションへ導く大きな外階段と、南館と北館をつなぐブリッジのアイディアに関しては、みんなで模型を作りながら決めていき、これも盛り上がったシーンの一つだったと思います。

―たしかに、「キャンパス」はうまいネーミングと思います!あの大階段やブリッジも品川駅付近ではひときわ目を引きますね。しつこいようですが、窓から入るアイディアを見たときは筆者はしばらく興奮が冷めませんでした・・・

―ライブオフィスの各フロアにつけられたネーミングもとてもユニークで印象的だと思います。「企む」「試す」「遊ぶ」など、、、

片桐)そうですね。コロナ禍により出社を前提としないオフィスを構築する中、オフィスに行く目的は何か、という議論の中で「オフィスに行かないとできないエッセンシャルな要素」を抽出していき、これらのネーミングが決定していきました。

―プロジェクト進行中で難しかった、苦労した点は?

片桐)外部の人たちが集まれる場所を堂々と提供することができない、という現実をつきつけられた状況で、どのようにコンセプトを実現していけばいいか、というのが一番の難しさでした。THE CAMPUSの新しい可能性、活用方法についてはオープンしたこれからも課題としてずっと検討を続けていきます。

―やりたかったけど諦めたことというと?

片桐)基本的には自社ビルですのでやりたいことは全部やれています。コロナ禍で諦めた例といえば、先ほども少し触れましたが、サウナ事業ですね。実は一部社員の間でサウナ部が盛んなのです(笑)。

―サウナですか!じゃあコロナがもし収束したら、THE CAMPUSのどこかワンフロアがサウナフロアになってるかもしれませんね!(笑)

片桐)可能性ありますね!

―完成したところで、当初の想定外な使われ方をしている場所はありますか?

片桐)南館1階THE CAMPUS SHOPの奥のほうにあるステップ状のコーナーは、絵本などを置いて子供さん向けのスペースとして想定していたのですが、意外にも大人に人気のスペースとなりました。よくお仕事されている方を見かけます。

―全体を通じて、何が一番変わったと思いますか?

片桐)パッと見て、一番わかりやすいのは男性社員の服装が全然違うことです!まずスーツ姿が少なくなりましたね。皆さんがカジュアルに、より自分らしいファッションになった印象です。特にコモンズ(北館1階)あたりは、雰囲気的に従来のオフィス感とは異なる空間なので、スーツだと逆に浮いてしまうような(笑)。

もうひとつ大きな変化は出社率(これはTHE CAMPUSができたからという訳ではなく、外的要因のコロナ禍によりますが)。コロナ前では通勤するのが当たり前で出社率9割以上だったのが、現在では4割程度になっています。

コロナが収束しても、元のように理由もなく出社するようにすることはなく、どこで働くかは仕事の内容に合わせて自由に選べるようになっていくはずです。コロナ前の在宅勤務に関しては介護や育児など特定の社員が申請ベースで利用していて、日数の上限もありましたから、ここは大きく変わった点ですね。

―どのような人に、どんな風に使ってほしいですか?

片桐)社内外問わず、いろんな人と作りあげていけたら、と思っています。品川の港南口はビジネス街で、色で例えるとグレーという印象。お子さん連れや近所にお住いの皆さんなど、街の印象を変えてくれるような人々が集まって楽しんで欲しいと願っています。PARKやPARKSIDEで、思い思いの時間を過ごせる空間になっていると思います。

社員に対しては、それぞれのしたい業務に合った場所を活用してもらいたいし、オフィスに来ないとできないことをやりに来て欲しい。

コーヒーショップやデッキなど、いろんな場所にベンチが置かれているので、ぜひ雑談していただき、社員同士の交流が盛んになって欲しいな、という想いもあります。そこから新たなアイディアや交流が生まれればとても嬉しいです。

率直に、THE CAMPUS使ってみてどうですか?

―ここからはいちユーザーとしてお聞きしていきます!
新しい自社ビル、いかがですか?まず出社したらどこに行くんですか?


片桐)一言で、とても居心地がいいです!私は本当にTHE CAMPUSの雰囲気がすごく好きで、広報部門だから本来品川シーズンテラスの所属ですが、、、全然行ってません(笑)。そういう人、結構います。

出社した日は、まずコーヒースタンドでコーヒーを買って、コモンズへ行きます。心地よいBGMが流れていて私のお気に入りの場所です。あとは5階の「整う」フロアですかね。よく行きます。

▼南館ライブオフィス5階「整う」

―もっとこうしてほしい、と思う場所はありますか?

片桐)強いて言えば、、、パークのところは屋根がないため、雨天時にはPCを持って小走り。。。という情景がよく見られます。キッチンカーに並ぶ際も、雨天だと傘をささないといけないので、もし屋根があったら最高だと思います。

―なるほど!たくさんの質問に気持ちよくお答えいただきありがとうございました!!


♪ おまけ ♪

THE CAMPUSを訪れた際は、ぜひそのビルの“年輪”を感じて欲しいです!ところどころにむき出しの柱や壁。40年以上というその歴史を感じさせます。筆者はついついそんなところに目が行ってしまうのですが、コクヨさんは「ぜひ見てください!」とばかりにご案内してくれます♪

こちらは前号でも取り上げました、この文字めっちゃ沢山ありますwww

中でも筆者がしびれたのは、外壁のレンガの種類の違い!こんなところにも同社のこだわりが詰まっています!

左*北館の外壁レンガ ・・・でっぱりがなく平坦
右*南館の外壁レンガ ・・・かくかくして立体的

以上、築40余年の歴史を感じるTHE CAMPUSのご紹介でした★


***取材を終えて***

「THE CAMPUS」は、未完成。
取材後、そんな気持ちになりました。

約2年前にリニュアルが決まり、苦難を乗り越えてオープンしたTHE CAMPUS。片桐さんがご出社の際は、お子さん連れを見ない日はほとんどないとか。街に定着してきていることがわかりますね。

本来はもっともっと”街に開く”施設になる予定だったのが、諦めたことが沢山あったのは残念です。でも逆に言えば、これから事態が落ち着いてくるにつれ、少しずつ”開放”の幅が広がっていく、THE CAMPUSがその姿を変えていく様を見ることができるわけです。

筆者は品川を訪問するのが楽しみになりました!今後の可能性を大いに秘めている場所、定期的にその変化をチェックしていきたいと思います。

       *        *        *

※合わせてこちらもお読みください!THE CAMPUSの全容がわかるよ!
【気になるワダイ!】「THE CAMPUS」ってどんな場所?コクヨが魅せる“働く・暮らす”の実験場

InformationTHE CAMPUS(ザ・キャンパス)

◎公式サイトはこちら
〒108-8710 東京都港区港南1丁目8番35号

PARK、SHOP、コーヒースタンドにはいつでもだれでも、立ち寄れます。
※THE CAMPUS SHOP:10:00~19:30
※コクヨ東京ショールーム:10:00~16:00

運営:コクヨ株式会社
◎ライブオフィスの見学申し込みはこちらオンラインでも可能!)
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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