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2021.06.11

総務パーソンが戦略的思考を学べる場「新生FOSC」の今を探る

総務という仕事は、守備範囲が広く、経営層との連携が不可欠で、責任も重い。勉強すべきことが無限に存在します。一方で、総務全般のことを体系立てて学べる場というものはほとんどないように感じます。そんな時に頼りになるのが、FOSC(“フォスク”と発音)という総務の学びの場。筆者も、過去に就業していた会社でファシリティマネジャーのポジションに就いた時に、FOSCの門を叩き、総務・ファシリティの分野を一から勉強したという経緯があります。今回は、今年の2月にウェブサイトの全面リニューアルを行い、新たな戦略を打ち出した「新生FOSC」副理事長の岡田大士郎さんにお話をお伺いしました。

岡田大士郎さんの記事:【気になるこの人!】総務のプロ・岡田大士郎さんに聞く~「人」に焦点を当てた、未来のオフィス・未来の総務とは~:https://www.office-hiroba.com/news/576/

総務の地位向上のために始めたコミュニティ
―FOSCの概要をお聞かせください

岡田: 2006年に、総務・FM(ファシリティマネジメント)の分野で活躍されていたプロフェッショナルが集結し、総務の価値を世の中に問う目的で、「ファシリティ・オフィス・サービス・コンソーシアム(FOSC)」が結成されました。

元ソニーの総務センター長の小山義明さんや、元ジョンソンコントロールズ・ジャパンのEVPであるクレイグ・カックスさん、元日産自動車のコーポレートサービス統括部部長の金英範さん、月刊総務編集長の豊田健一さんなど、総務界を代表する面々が、理事を務めています。

総務界を代表する人物が理事を務める

岡田:FOSCの存在意義・目的は、次のように定められています。

「一般社団法人FOSC(以下FOSC)は、ファシリティサービス、オフィスサービス、総務事務等の業務に従事する人々の専門性と地位向上のために、相互に切磋琢磨し専門知識、技術、プロフェショナリズムの修得をもって、顧客満足、ブランディング、生産性向上等に寄与する活動を推進していくことを目的としています。」

地位向上というところが一つのポイントでもあります。世の中の印象として、総務の仕事というものが、漠然と広くなりすぎてしまっている。いわゆる、「庶務」「なんでも屋」というイメージがいまだに根強いです。そこを変えて行きたいという思いでFOSCが立ち上がりました。

FOSCの沿革

多岐にわたる総務の業務を36種類に分類
ーはじめに、総務の仕事の分類整理を行った?

岡田: はい。FOSCでは、総務の業務を幾つかのカテゴリーに分類した、「スキル・ディクショナリー(SD)」というものを開発しました。現場の日々のオペレーションに関するものから、営業やマーケティングなどのフロント業務に対する側面支援的なものに至るまで、総務という領域には種々様々な業務があり複雑でわかりにくい。それらを体系的に整理し、外の世界から見てもわかりやすいものに見える化」しました。総務の仕事の価値を世の中に理解してもらうための試みでした。

総務の業務を36種類に分類したスキル・ディクショナリー(SD)

その後、現FOSC理事長のクレイグ・カックスさんが参画された2012年頃から、クレイグさんのこれまでの総務・FMノウハウの結集である「FMクレド」をはじめとした、教育面が強化されていきます。そこから、FOSCの支部会は総務パーソンが成長する学びの場としての色合いが濃くなります。FMクレドは、現在もFOSCの支部会(後述)の勉強会で取り上げられ、多くの総務パーソンのバイブル的存在となっています。

FMクレド15か条

全国4か所の支部会を中心に活動
―FOSCのコミュニティとしての活動内容を教えてください

岡田: FOSCはこれまで、総務パーソンのためのコミュニティである「支部会」をとても大切にしてきました。毎月1回、全国に4か所(東京・大阪・神戸・京都)ある支部会に所属する総務パーソンたちが集い、様々なディスカッションを重ねながら、相互に学びを分かち合って行く。FOSCの支部会は、総務パーソン同士のネットワーキングの場として機能してきました。

東京支部会の様子(コロナ前に撮影されたもの)

月に1度の支部会以外にも、年に1度の頻度で、軽井沢や淡路島で、3泊4日の集中合宿を行うなどし、総務の知見を広める活動を長年続けています。現在はコロナの影響で、リアルな場での合宿は開催できていませんが、今後またオンラインなどの環境を整えた上で、再開したいと考えています。

―現在、どのような方が会員になられているのでしょうか

IT、メーカー、電気、金融、製薬、住宅、行政機関など、広範囲な業界の人事総務担当者が約100名、一般会員(個人)として登録してくださっています。FMの基礎を学びたいオフィスの建築関係の方や、総務のアウトソーシングサービスを手掛けるにあたり、総務の実務を学びたい方など、多種多様です。一般会員になると、有料記事の購読、コミュニティへの参加、オンライン配信の視聴・参加、支部会活動への参加などの様々な特典を得ることができます。また、協賛(スポンサー企業)として、14社の法人会員がご登録くださっています。

総務の本質・専門性は「ロジスティクス」
―総務の専門性についてお聞かせください

岡田: 総務という仕事は実は「経営そのもの」です。会社組織の中のルールや秩序などの統制をつかさどる「管理的な要素」に加え、「戦略的思考」が求められる仕事です。

人事や経理、広報、IT(情シス)などは、経営を支える「コア的な業務」と見なされることが多いのですが、総務はどうしても雑務のイメージが強い「ノンコア業務」と見られがちです。その原因は、総務という業務が文字どおり、「あらゆるものを網羅する領域の仕事」であるからなのですが、総務は本質的には「ロジスティクス」を担う部署です。経営が舵を切る方向にあわせて先手を打つ。経営層と連携しながら、前線で戦う人たちをどう支援するのか、思う存分ビジネスの場で戦い続けられる環境をどう構築するのか、これが総務の専門性・本来の総務の役割になります。

それは本来社長がやる仕事だけれども、トップにはそんな時間はない。だから総務がやる。
経営と総務は、こうした役割分担になっているのです。しかし実際は、総務はそのようには見られない。そこを変えるためには、総務の見え方・見られ方、つまりブランディングの視点が重要で、戦略的な思考が必要となります。しかしそれを学ぶ場所がないFOSCは、総務という仕事のブランディングを学ぶ場でもあるのです。総務という仕事の価値をどう世の中に認知してもらうのか。そのために、総務パーソンが何をどう学び、成長すべきなのか。それを問い続けるのがFOSCの目的です。

FOSC副理事長で、元スクウェア・エニックス米国法人社長の岡田大士郎さん

マーケティング力を強化して再起動
―新生FOSCプロジェクトがスタートしたとお聞きしています

岡田:FOSCは創設以来、数多くの総務パーソンの学びの場として機能してきましたが、一方で、FOSCを知らない外の世界の方から見て「何をやっているのかわからない」という声も少なからずありました。発信力・マーケティング的な視点が不足していました。その部分を修正するため、PR・広報の専門家の力も借りながら、今年の2月にウェブサイトのリニューアルを皮切りに、FOSCのオンライン・コミュニティ「note」上に開設しました。毎月2回、YouTubeを通じて、総務に関する様々なテーマを議論・配信する「FOSC TV」といった取り組みもスタートしています。

総務業務に関わる多くの人たちが総務の知見に触れていただくこと、そして総務業務のブランディングを加速させることを目的とした具体的な仕組み作りを進めています。

毎月第2・第4水曜日の夜に会員向けに配信されるFOSC TV

全体最適思考を養う総務の仕事は個人の人生のデザインにも役立つ
―最後に、全国の総務パーソンに向けて一言お願いします

岡田:「働くってなんだろう、生きるってなんだろう」のヒント・答えが、総務活動の中にある。自分の人生そのものをどうデザインするか、という非常に大きな命題を考える際にも、総務的な思考法というものが役に立ちます。全体最適の経営的視点をもとに、同じ組織・メンバーの人たちに、どうやって幸福感を味わってもらうことができるのか。今いる場所で、自分自身をどうプロモートし、どのようなキャリアを創り出すことができるのか。日々、そうした観点で戦略を練りながら、アクションを取り続けることができる仕事は、世の中にそう多くは存在しません。そのための基盤を構築するために、FOSCの知見を役立てていただければと思います。新しい時代の総務とは何かを見出すために、皆さんと一緒に学んでいけたらと思います。

          *      *      *

総務のことを広く全般的に学ぶ機会が少ない環境の中、それでも自ら学び、総務から会社全体を変えてみたいと考える向上心溢れる総務パーソンにとって、力強い存在であるFOSC。岡田さんのような総務の巨人たちとの知の議論を交わし続ける中で、戦略的思考で仕事力を高め、さらに自身のブランディングも行うことが可能になるFOSC。是非一度、門を叩いてみてはいかがでしょうか。

INFORMATIONお話を伺った方

FOSC副代表理事・岡田大士郎さん(FOSC副代表理事)
※プロフィールは過去記事をご参照ください。

FOSCについて

・公式HP: https://fosc.jp/

・役員紹介: https://fosc.jp/member

・会費:
 ■ 一般(個人):月会費 500円
 ■ 賛助会員(スポンサー企業の役員・社員):プラチナ、ゴールド、シルバーに分かれ、それぞれ年間の賛助金を定める

・入会案内
 ■ 一般会員: https://fosc.jp/fosc-join-generalmember(画面右上の「入会案内」→「一般会員」へ)
 ■ 賛助会員: https://fosc.jp/supportingmember-agreement

・お問い合わせ: https://fosc.jp/contact
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