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気になるこの人!
オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

ライター:セッキ―

2014.09.01

亀田 和彦:Synaptic Designs/代表取締役 クリエイティブプロデューサー
「どんなゼロにするか、でイチが変わる。」

みなさんは映像演出と聞くとどんなことを思い浮かべますか?

たとえばスターウォーズ。エピソード4から順にシリーズを観ていくと、その映像技術がめまぐるしく進化を遂げていることがわかりますよね。
最近では東京ディズニーランドのシンデレラ城をスクリーンに、プロジェクションマッピングの演出が行われて話題になりました。

今回お話を伺ったのは、クリエイティブプロデューサーの亀田和彦さん。
映像だけにとどまらないあらゆるコミュニケーションデザインを得意とされ、イベントやショーなどの様々な空間演出や、
スマホアプリの開発、ユーザーインターフェースなどのプロデュースも手掛けていらっしゃいます。

国内の大手CMプロダクションから世界的にも有名なビジュアルデザインスタジオを経て、独立。その後もずっとお一人で活動しています。
アライアンスパートナーという考え方や、亀田さんのお仕事のスタンスについてインタビューしました。

—独立されるまでのご経験について教えてください。

大学卒業後、太陽企画という大手CM企画会社でアシスタントとして4年。比較的大きなキャンペーンとか、賞を獲るような大掛かりなCMプロジェクトなどを多く扱っていて、現場でみっちりアシスタントを経験しました。その後、その時同じ部にいた上司が起業することになったので参画しました。そこではひととおりの制作の流れ ・・・企画、制作の段取り、撮影、編集 ・・・を一貫して学ぶことができました。大きい会社と小さい会社の両方を体験できたことは非常によかったと思っています。

その後、ビジュアルデザインスタジオのWOWに転職し、プロデューサーとして7年。昨年4月から独立して現在に至ります。

—いつごろから映像に興味を持ったのでしょうか?

映像に興味があったわけではないんです、もともと舞台や美術を観に行くのが好きというのはありましたが、大学は法学部でしたし。一般企業の内定をもらっていましたがなんとなくもやもやと悩んでいたときに、従兄弟が携わっているCM制作の話を聞いてみたら、運命を感じて。内定を断り、この業界に飛び込みました。

■■■ 広告業界の構造 ■■■

—関わる人がたくさんいて、複雑な業界構造のようですね。

プロダクション在籍時は、上図の3.のレイヤーでCG制作を担当していました。ユーザーの顔は当然見えないし、クライアントに会うこともできませんでした。ゆくゆくはユーザーと直接コミュニケーションをとりたいという想いが強くなっていったので、WOWに入社したのです。

当時はCMのCG制作だけで9割以上を占めていた会社でしたが、僕が辞める2013年には3割くらいに。ほか7割はクライアントとダイレクトに関わり、映像の展示イベント、ショー、コンセプトビデオの演出、様々なプロダクトのユーザーインターフェースなどを手がけるようになりました。

プロデューサーとして活動していた僕自身も、3年目にはクライアントとダイレクトにコミュニケーションをとれる仕事が増えていき、気がつけば5〜6年目には仕事の7割がそういった仕事になっていきました。

—順調そうに見えますが、その後独立されたのはどんな理由からですか?

建築でいうところの、“A工事”(設計)から関わりたかったから、ですかね。WOWでは、すでに”ハコ”がきまっている仕事で依頼を戴くような、言ってみれば“C工事”(内装)から担当させてもらうことがことが多かったんです。。

たとえば「この空間のこの壁にモニターを5個設置する、そこに入れる映像を創ってほしい」と依頼が来るとします。全体を考えると、この距離だとモニターでないほうがいい、もしくは映像でなく布を使った演出の方が効果があるのでは、といったような提案をしたいケースも出てきますよね。“C工事”からだと、もうそれ以外の選択肢がない状態だったりするわけです。

もしコンセプトから、“A工事”から関わらせてもらえたら、より良い演出、より“その場でしかあり得ない”コミュニケーションを実現できる可能性が高くなります。ビジュアルだけに固執せず、なにをすべきか=どんなコミュニケーションをすべきか、をベースに仕事をしたかったので、2014年4月から現在の会社を始めました。

—なぜお一人で?メンバーを増やしてご自分の会社でやりたいとは思わないのでしょうか?

私の職種であるプロデューサーという仕事の特性かもしれませんが、その目的によってその都度で最強のチームが作れるほうがいい、というのが僕の考えです。自分の会社に固めてしまうと、どこか窮屈になったり矛盾が生まれることがあります。僕自身ずっと上り調子ではいられないと思うし、浮き沈みは当然あるので、周囲とうまくアライアンスをしていくことがベストだと思うのです。

仕事内容によって、強みのあるアライアンスパートナーをどんどん巻き込む。信頼する仲間とも連携をとり、それら複数の会社にも籍を置いて、必要なときにお互いが声をかけあって一緒にいいものを創りあげていく。そうすることでお互いレベルを高め合っていけるのではないかとも思います。

”受発注”ではないと思うんですよね。どちらが偉い、どちらが上とか下とかではなく、あくまでパートナーであり、「クライアントにとっていいものを創る」という同じ目的に向かっていれば、所属する会社がどこかとか、プロだとか素人だとかも関係ないと思います。

—どんなことに一番やりがいや楽しみがありますか?

モノが売れて、クライアントが真に喜ぶ姿を見たときですね。

クライアントにとって広告予算はいわば血税です。モノが売れてその利益を社員に分け与えればハッピーになる。でもそれを我慢して更なる発展を目指し、広告に投資するわけですよね。それをムダには絶対にできない。今の時代、表現の仕方はいくらでもあるので、いかにクライアントの想いをダイレクトに効果的に伝えられるかをとことん掘り下げていきます。仮に、受賞するような話題性のあるCMを創ったとして、その瞬間は嬉しいかも知れないけど、結局モノが売れなければ“本当の喜び“にはならないですよね。

クライアントの悩みをきちんと聞いて将来的なビジョンを描き、結果的にハッピーにさせて、さらにユーザーにも受け入れられたら、それが一番嬉しいです。

僕はクリエイターではないので「ゼロからイチを生み出す」人間ではありません。だから「イチを万や億にする」のがプロデューサーの役割だと思ってきました。ですが最近は、その「ゼロ」自体を生み出す瞬間が楽しみになっています。ゼロをどうするのかによってイチがまったく違うものになっていくので。「何をすべきか」を考えること、これが自分の使命なのかなと思っています。

—今までに一番達成感のあった仕事があったら聞かせてください。

今やってることかもしれませんね。グローバルに進出している日本の某企業の大規模なリブランディングで、これまでそれぞれに任せていた海外支社のビジュアルデザインをすべて統一します。来年2月に一度リリースされますが、プロジェクトが長期にわたっていて、2年後にまた正式な発表がされる予定です。それが結構大きな仕事ですね。

「僕でいいんですか?」と最初は超ビビっていましたが、クライアントからまた一緒にやって欲しいと言われるのは嬉しいものですね。“使い捨てではない“ものづくり、表現づくりをこれからも続けていきたいと思っています。

—ありがとうございました!ひとまず来年2月を楽しみにしています!

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お会いしてお話を伺うまで、てっきり映像のプロフェッショナルの方だと思っていました。これまでの作品について詳しく伺い、あまりにも多岐にわたるお仕事ぶりにただただ驚くばかり。「コミュニケーションデザイン」という言葉が聞き慣れなかったのですが、場所によって、時間によって、状況によって、見る人の気分によって、効果的な伝え方はコンテンツの中身だけでなく媒体自体も違ってくる。映像はあくまでひとつのツール。多岐にわたるのは当然だったのですね。創る側と見る側の間をいかにしてつないでいくのか、そこをデザインするのが「コミュニケーションデザイン」なのだということがよくわかりました。

パートナーとして同じ方向を向き、ゴールを目指す。そこには立場や会社など関係ない。そんな、分け隔てのない考え方が、亀田さんの“仲間“を増やしている気がします。その考え方もまた、亀田さん流の「コミュニケーションデザイン」なのかも知れません。

※亀田さんのプロジェクト事例のほんの一部をご紹介します。


タップダンサー熊谷和徳SOLO公演“HERE MY SOLE”のテレビCM

清川あさみ氏デザインによるメリーゴーランドの空間演出・プロデュース(Milano Salone「TOKYO IMAGINE」)

東京オートサロン2013「レクサス」ブース

with TOYOTA HEART PROJECT「OoA-insight」開発協力

iPhoneアプリ「japan jikkan」

さっぽろ雪まつりでのプロジェクションマッピング演出「RINNE TENSEI」

テネリータ株式会社 ビジュアルデザイン(ホームページ、カタログ等)

プロフィール亀田 和彦 Kazuhiko KAMEDA
Synaptic Designs Inc. CEO / Creative Producer

CM制作プロダクションでの勤務後、東京・仙台・LondonをベースにするVisual Design Studio “WOW”を経て、
2014年4月にSynaptic Designs Incを設立。マス広告、常設やイベントでの空間演出から、様々なプロダクトの
ユーザーインタフェイスやハードウェアの先行研究開発まで、多岐に渡る分野のコミュニケーションデザインを国内外にて手がける。
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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