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気になるオフィス!
他社のオフィスってなんか気になる!いろんなオフィスをご紹介します!

ライター:セッキ―

2025.06.24

【インタビュー編】環境が変われば行動が変わる―良き習慣を生み出すライオンの特殊フロア活用事例

前号では、ライオン株式会社のオフィスをすみずみまでお伝えしてきましたが、今号ではそのオフィスを有効活用し、それぞれが「マイベスト」を見つけるためのサポートをする部隊、総務部/ベストオフィス構築グループの皆さんへのインタビューをお伝えしていきます!

↑総務部ベストオフィス構築グループの皆さん
(写真左から市村さん、西本部長、小林さん、冨田さん)

ライオンの総務部さんは、【総務グループ】【ベストオフィス構築グループ】【安全衛生防災室】の3つのグループから構成されていて、【ベストオフィス構築グループ】は、ファシリティ目線ではなく、あくまでワーカー視点で社員それぞれがベストなワークスタイルの選択をできるようサポートする組織です。

ライオンの本社屋は、2023年に竣工したビル一棟を利用した全11フロア。執務フロアを除く5つのフロアはそれぞれ特色を持ち、積極的に活用する様子がとても参考になります。社員さんたちから挙がってくる様々な要望を同グループの皆さんが親身になって相談に乗り、イベントに合わせた最適解を導き出しているんです。

今号では、ベストオフィス構築グループのお二人にお話を伺いました。

西本 博昭さん/総務部部長 兼 ベストオフィス構築グループマネジャー
冨田 智美さん/総務部 ベストオフィス構築グループ

フロアそれぞれに持つ特色を最大限に活かす

――今日(取材した日)はいろいろなイベントが重なっていましたね。

西本さん
:そうですね。かなり盛りだくさんな一日だったと思います。4階では新人研修、ペット製品のプレゼンのためにワンちゃんが出社していましたし、11階では健康診断、歯科検診、さらにはお客様センターが初めての試みとして「消費者月間イベント」を開催していましたね。

冨田さん:本年度の消費者月間統一テーマを受けて、イベントとしてお客様の声などの展示をしたいと相談がありました。今まではサイネージで消費者月間ということのお知らせをするだけだったのですが、お客様センターからぜひ展示をやらせてほしいと。

はじめは12階のカフェテリアでやりたいと相談を受けましたが、確かに社員が集まるフロアではあるけど、イメージしている展示をするには場所が限られることと、見てもらいにくい場所になってしまう気がしたんですよね。

そこで提案したのが11階のGENKIアクションルームの横の通路でした。多少狭くても、健康診断の時期ということで出社している社員も多く、受診の待ち時間にじっくり目を通せることもあり、タイミング的にもバッチリでした。

▼通常時は研修や会議などで利用。取材当日は健康診断会場として、4部屋をすべてつなぎ最大で300人ほど収容可能な場所に。

冨田さん:また、同じフロアにある「親子ルーム」のガラス面を使って、何か描いて演出してみても良いですよとお伝えしました。すると、イベントの感想や自主宣言を参加者に書いてもらうという使い方をされていました。健診が終わってからまた見に来よう、という人もいて、すごくいいイベントになったと思います。

――これはなるほどな使い方ですね!いい場所にガラス面がありましたね!!

西本さん
:どのような目的でどんなイベントをしたいのか、希望をヒアリングして、場所や導線計画についてベストを提示することが私たちの仕事です。こういった企画が増えれば増えるほどいい会社になっていくように感じますね。

冨田さん:親子ルームは子供を見守りながら仕事ができるのでよく利用されています。私も今度、運動会の振替休日で学校が休みのときに子連れ勤務するつもりです。

▼親子ルームで見守りながらワークする様子

▼(左)GENKIアクションルームでボルダリング、(右)屋上庭園でチームメンバーと鬼ごっこ

――託児ルームではなく親子ルームとして会議テーブルなどが設置されているのが印象的でした。屋上庭園もあるなんて!お子さんにとっても遊び場がたくさんあっていいですね!

冨田さん
:飲食を伴うイベントは12階のカフェテリアがぴったりです。夜は週2~3回の頻度で懇親会などのイベントが行われているんですよ。

▼12階:期末の打ち上げの様子

▼12階:創業記念ウィークのパーティ

▼12階:部所内開催イベント「日本酒セミナー」

▼12階テラス:ファミリーデーで隅田川花火大会を鑑賞

▼4階:創業記念ウィークの閉会式リハーサル

▼4階:住居棟住人を招いてオフィス見学(アーカイブ見学中)

▼1階:学生がオフィス見学する様子

――本当に様々なイベントを積み重ねてこられたのですね。

西本さん
:無茶なことを言われたこともありました。休日のイベントで「ロビーにキッチンカーを入れてもいいか」とか(笑)、それは即却下になりましたが、代わりにミニ店舗をいくつか作ることで乗り切ってもらいましたね。

ルールを逸脱しない範囲内で、どうすればやりたい理想に近づけられるか、と伴走してあげることで我々も成長していってます。

――入社式を1階のロビーで開催しているとのことでしたね。

西本さん:はい。日経新聞の1面に掲載される入社式というのもなかなか珍しいと思うのですが、これも入社式の担当社員から相談されました。広さ的には4階でも11階でも12階でも開催可能ななかで、ライオンらしさを一番に感じられるここでやりたい、新入社員たちがその一瞬を深く心に刻んでほしいからと。それができるのがライオン本社なんだなと実感します。

冨田さん
:入社式では、ミント畑に新入社員代表がミントの苗を植える、という演出がされました。

西本さん:その後、12階のカフェテリアに場所を移動します。先輩社員が人垣を作り拍手を受けながらその間を新入社員が通っていくのですが、その先輩たちが、新入社員ひとり一人の名前が書かれた紙を持っているんです。新入社員は自分の名前を探しながら歩いていくというわけです。

――わ~素晴らしい演出!それは絶対に一生の思い出になりますね…私も経験してみたかったです★

▼入社式後移動した12階にて先輩社員たちに拍手で迎えられる様子



移転を機にアップデートしていく社風

――「チェンジマネジメント」を掲げての移転プロジェクトでしたが、特殊フロアの使われ方ひとつとっても、協創していくのが好まれるというか、積極的に意見や要望が飛び交う社風なのかなと思いました。

西本さん
:もともとは、比較的落ち着いた雰囲気の会社だと思います。部門間の壁もあってどちらかというと若手がどんどん意見を出していくというより、控えめで穏やかな人が多い社風でした。

ただ、社風も作っていくものなのかなと思っています。移転プロジェクトが始まるときも、「単なる引っ越し」ではなく、「新しい文化をつくる機会」だという方向性を共有したうえでスタートしました。

冨田さん:移転してから解き放たれた感じがしますね。以前はこんなにたくさんのイベントはなかったように思いますし、多様なイベントをできる設備環境でもありませんでした。

――そういう意味では場所って重要ですよね。環境が人を変えるというか。

西本さん
:社員の「やってみたい」がどんどん大きくなっていって、この2年間で成功体験を積み上げてきました。一気に変わるのは難しいですが、一歩一歩、働き方も含めて主体性が出てきたというか、楽しみたいという想いが出てきたように思います。失敗を重ねつつ、こういうことやりたい、に対してはベストを提案できる知見がたまってきています。

服装に関しては、2020年ごろ自由になったのですが、はじめはなかなか崩せませんでした。ただこういうものって自然体で徐々に浸透していけばいいなと思うんです。カジュアルな洋服着てきなさい、週に何回は出社せよ、と指示されてやるのではなく、こちら(総務部)から見本を見せていくようには心がけていますね。今日もそういう雰囲気を見てもらいたくてTシャツを着てきました。

――はい、すごく親しみやすさが伝わりますねww

西本さん
:フリーアドレスを導入すると、「結局同じ場所に固定してしまうんです」とよく他社さんの困りごとで耳にするのですが、我々としてみれば「気に入っているからその場所を使っている」のだという認識で。占拠されたり、周囲に迷惑がかかっていたらそれは困るのですが、自分にとってのベストがわかっていて選んで使っているならそれでいいと思っています。



より良い習慣づくりを軸に進化してきた歴史

――「オフィス委員」さんはオフィスの習慣づくりに一役買っているとか。

冨田さん
:各部所から選出されたメンバーで現在総勢80名ほどの組織です。オフィス委員のTeamsの中や問い合わせフォームなどから意見や要望が挙がってきたものを、ベストオフィス構築グループとやり取りしてルールを決めたり発信したりしています。最近では「テレカンの声量をおさえましょう」という発信があり、私たちからお願いしなくても自発的に発信してくれるほどになっています。

西本さん:メンバーは基本的には部所長に選出してもらっています。移転前の初期は「よく現場のことを知っている人」を、移転に向けての段階では「新しいオフィスでの働き方を伝えてくれる人」を、移転後は「運営に関わる意見をまとめるのに適した人」を、という感じで依頼していて、異動に伴って入れ替えがあります。

――どんな要望があがるのですか。

西本さん
:以前、「ごみ箱を増やしてほしい」という要望があったんです。ですがかなりペーパーレスが進んでいますし、飲食が許可された場所は決まっています。効率よく利用していればこれ以上増やす必要はないはずなので、そのあたりを丁寧に説明しました。要望にこたえることで逆に良くない習慣が増えてしまっては残念ですよね。

また、逆にペットボトルはできれば洗ってラベルをはがし、つぶして捨てましょう、とアナウンスしていたところ、オフィス委員から「つぶすための器具をすべてのごみ箱付近に置いてほしい」、という声があがったのです。こちらとしては渡りに船で!設置したら、つぶさないにしてもほぼ100%、ラベルをはがして捨ててくれるようになったんですよ。

――まさに良き習慣が生まれた瞬間ですね。

西本さん
:私個人的には、「みんなが話しかけやすい場所に常にいるようにする」というのを習慣化しています。移転の頃はとにかく忙しくてこもりがちでしたが、みんながいる場所を確認して、近くで仕事するようにしているんです。相談しやすい場所をつくることで、オフィス内で「相談の習慣」が生まれてほしいと思っています。

働く上での習慣ってすごく大事だと思っていて、あいさつやごみのきれいな捨て方など、我々がそこに着目することで、よりよいやり方を模索して行動を変えていくことが習慣づくりだと思っています。

歩く習慣や歯みがき習慣は、90台あるからやってほしい、ではなくて、歯みがき台があるから習慣として根づいたもの。相談しやすいスペースがたくさんあれば、ちょっとのことでも相談する、というのが習慣になっていくと確信しています。

――今後新たな習慣が生まれたときにはぜひまたお話を聞かせてくださいね。今日はありがとうございました!

◆編集後記◆

「すべての会社がこんなふうにフロアを活用していたらいいのに…」

取材に同行した、オフィス構築に携わってウン十年の“オフィスのソムリエ”が、帰り際に漏らした言葉です。

趣旨の違う複数のフロアを上手に利用している企業さんはなかなか珍しいですね。

社員自らがこんな風に使ってみたい、こんなことはできないか、と自発的に活用に乗り出している。まさに場が、環境が人を変えている様を目の当たりにしたベストオフィス構築グループの皆さん。自身たちも成長している、と表現されていたのが印象的でした。同グループの皆さんの温かいサポートを受け、今後もより多くのフロア活用がなされることを期待しています。

Informationライオン株式会社 https://www.lion.co.jp/ja/

*所在地:東京都台東区蔵前1-3-28
*従業員数:約2,200名(蔵前本社の在籍人数)
*規模:6,616坪
*プロマネ:明豊ファシリティワークス(株)
*設計:(株)イトーキ、(株)インターオフィス、(株)ブルック
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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