ライター:セッキ―
2023.03.20
誰もが幼い頃からとってもお世話になっているであろう、日本を代表する食品メーカー、森永製菓さんのR&Dセンターにおジャマしました!
そう、今回は純粋なオフィスではありません!
2018年に改築の意思決定がなされ、PJが進行。2021年12月竣工し、R&Dセンターは2022年春ごろから稼働しているという状況です。敷地全体ではほかにも、製造工場、森永エンゼルミュージアムMORIUM、複数グループ企業が入る事務所棟などで構成されていて、取材時にはまだ工事が各所で行われていました!
これまでの「研究所」のイメージを覆す、ステキな研究開発センター見学に、レッゴーーーー!!
▼笑顔がステキな主任研究員の服部さん♪
研究開発というと、郊外にあるんでしょう?と思いきや、都心からほど近い、横浜市鶴見区にありました!鶴見駅からバス、もしくは徒歩で13~14分ほどの場所に、森永製菓のロゴマークが見えてきましたよ~
(電車からも見えました!)
R&Dセンターに到着です! 木の香りがしてきそうなエントランス♪ラボサインは、(筆者も大好きな)チョコモナカジャンボのパッケージを長年担当されているデザイナーさんがデザインしたマークなんですって!
同社の持つ技術をSEEDs(種)と表現し、「我々の持つ種に、外部からの情報やニーズ、あらゆる技術を融合し新しい価値を作っていこう」という想いが込められているんです。
約4年ものPJでは研究所員の約3分の1が何らかの形で議論に参加。とかく部屋にこもりがちな研究職の意識を変えていくことは大きな課題と認識し、コンセプト設定やレイアウト検討にも関わりました。
社内外のつながり強化、技術の共有化、チャレンジ精神の促進などを図るべく下記のコンセプトが決定していったんです!
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ワークプレイスコンセプト=morinaga SEEDs Lab.
ワークスタイルコンセプト=Open Sesame!~とびだせつながれ共創ラボ~
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では見学に戻りましょう!
明るく広々したエントランス。ナチュラルな内装にBGMや香りの演出も。ミーティングもできるように作られています。
研究員が個人的に育てたというカカオの木!さすが製菓メーカーさんですね♪花も咲いて、昨年春から6月くらいまでは実がついていたそうです^^
お客様を迎える場所としてお菓子を沢山飾っているのが Grow UP Lounge!
お菓子を作った研究員のこだわったポイントなどに関するコメントも添えられてる!もうほんとにお世話になってる商品ばかり♪
1階にある3つの商談室は全部、外からも見える化!(画像いただきました^^)照明もかわいいんです!
今回の改築で一番の目玉といえる場所、それは、一番大きな面積を占める1階のパイロットプラント。
「この施設はR&Dセンターと鶴見工場も含め、各生産拠点をつなぐテストの場になっています。工場の生産現場と同じスケールや同じ作り方のできるマシンが設置され、高品質、均一大量生産するための数値条件出しを実施するエリア。基礎研究、研究開発にとどまらず、生産条件まで一気通貫で検証できるような施設です。実際ここで小規模の生産をして販売までできるようになっています。」(服部さん)
では2階へ。さきほどのラウンジでは“現在の森永製菓”を紹介しているのに対し、この階段には“過去の商品”を紹介するヒストリーツリーが。カテゴリーごとに4本のツリーが見られました♪
すごい昔の商品もある…しばらく立ち止まってしまいますね
チョコのツリーでは、チョコ部門一筋だったベテラン所員さんが、ご退職間際の最後の仕事としてツリー制作に尽力してくださったとのこと。泣けます…
早速、オープンエリアでミーティングしている方々を発見!めっちゃ真剣に話し込んでいらっしゃいました。会議を終えてからも、続きを話したいときってあるんですよね!
本社の方が来ても安心してリモートワーク♪スタンディングスペースも充実!
5つの会議室はすべて商品カテゴリーで彩られています。みなさんチェアに要注目ですよ~♪♪まずは落ち着いたブルーグレーの、Jellyから!
こんな張地見たことあります??シルバーの部分、inゼリーの銀色の感じ、出てますよね!!
次はIcecream!
チョコモナカジャンボ、お世話になってます~~♪
モナカ生地にバニラとチョコ、的な。ときどき色が反転してたり。いや~こだわってますね~こりゃ愛着沸きますな!
こちらはCandy、ハイチュウですね!すべてのお部屋の壁に企業理念のキーワードがそれぞれ書かれています。
ぶどう味のハイチュウ、二層構造までもがよく表現されてる!!
Biscuitです~
2023年で100周年を迎えるマリービスケットをイメージ。いやもうビスケット感!!
最後はChocolateです!
雰囲気出てますね~
こちらはホワイエ。
カンファレンスルームは全部で3つ、全部つなげれば約200名収容できちゃう!
BGMは4種類。来客のコーナーは雰囲気を出すようなふわふわした感じでしたが、執務エリアは自然音、集中エリア用の音、コミュニケーションエリアはジャズだったり。
19品目のゴミ分別!すご。
集中エリア、「半個室になる扉がついてて、昔の小学校のトイレみたいな・・・」(←私は言ってないですよ!)
右は消防法のルールで扉を付けられないコーナー。ここだけはヘッドがついたチェアになってる!ステキな配慮!
ひと休みできるパワーナップルームも!
3階にきました!執務エリア、試作エリア、ロッカーエリアです。ロッカーは低めに設置してフロア全体の視界を遮りません。
今回初めてABW、フリーアドレスを導入し、当初は「席がない」と不安な声も聞かれたそうですが、とっても落ち着いて皆さんお仕事されていました。
じゃじゃーーーん!試作エリアは執務エリアと直面!水族館級の大きなガラス窓一枚で、ほんとに全部丸見えですね!奥の壁面にあるかわいいイラストによると、キャンディやアイス、インゼリーなどの試作室なんですね。床は水を流したりするので電源はすべて天井から。
こっちは温度・湿度に管理に注意が必要なチョコやビスケット!ホットケーキミックスにもお世話になってます~
むむっ、ビスケットの試作品発見!!!
商品に使用する原料の選定や、配合を決めるための手作業、小型機械でプロトタイプを作る場だそうで、ここで作ったものを1階のパイロットプラントで大量生産に向けた機械化検討をしていく、という流れなのだそう!
壁際の席はイスがバラエティに富んでいる!
カフェコーナーです!ジャズが流れていてリラックスモードですね
カウンターの奥に見えているブース2室。テーブルの高さが違うものが用意されてますね。
無料のアイスコーナー♪試作品もある…夏にまた来ます!(笑)
きました、セッキーの好きな階段下コーナー♪
今回のオフィスを象徴する場所のひとつ、3階から4階への拭き抜け大階段です。ひときわ巨大な商品ツリー!!
ミーティングもここなら広々として開放感ありますね。
ビスケットの座クッション!
横にはMoliving(モリビング)。電子レンジやIHコンロ、照明など「お客様の気持ちになれる」ための一般家庭を模したお部屋です。ここもガラスなのでなんかやってるなーというのが部門外の人にもわかる。
上から見るとこう。正面の白い部分をスクリーンがわりに、勉強会などもできちゃう。
カリモクのかわいらしいハイテーブルセット。ん?電源ちゃんとついてるんだ~と思ったらDIYの得意な研究員がチャチャっとつけてくれたそう!頼もしい!
4階の執務エリア。アクリルパネルはなんと手作り。
大実験室のガラスドアにはコンセプトのロゴマーク♪
リモート会議用のブース。こちらはイヤホン必須です。
廊下にも無駄なく集中席が配置されてますね
なんといっても敷地がとても広いので…
「あれが昔の研究所です。あ、あと森永神社がすぐそこに見えます。あの銅像、創業者の後ろ姿です!こんな角度からすみません(汗)」なんと!鳥居があるなんて、縁起がいいですね
細胞培養室、暗室、陽圧室、などなど通常のオフィスでは聞いたことのないお部屋がたくさんありました。
一周して階段方面に戻ってきました。ここはライブラリー、書籍が並びます。
あっつまみ食いしてますよ!!いやいや、アイス食べるのもお仕事、、なるほど♪
官能評価室・・・なんとなく勝手にドキドキ。
食品の味覚のテストをする場所で、変な雑音が入らないようにと、全面真っ白。隣の部屋につながるこの窓口から、用意されたお菓子などがトレーに載って渡される。
官能評価を実施する各ブースのサイズなどは、ISO、JIS規格などの各種規格を参考にし、科学的根拠に基づいて設計されているそう。基礎研究に対するヒト試験などにも使用したり。(コラーゲンドリンクを1週間飲んだら肌や膝がどうなる、みたいな。)外部のお客様をお招きすることも想定して作られています。
続いてオープンラボ。全部で3つあり、扉を外してつなげて使うことも。他社を招いてイベントしたり取材対応をしたり。空調が効くので、チョコレートの冷却作業や飴細工なんかにも使える部屋もあるそう!
ひときわ明るい角部屋はCaramel!気持ちまで明るくなりそうな『森永ミルクキャラメル』の色をした壁には同社が大切にする想いが書かれています。テラスも見えちゃう♪
LOUNGEには卓球台があって休憩時間にリフレッシュできますね♪楽しそう^^
テラスに出る手前の脇のところもしっかりデスクスペースが。こういうとこ好き~
テラスです!町を見下ろして天気も最高!
最後に、所員さん専用のエントランスを紹介してもらいました。自転車はちょっと駅まで~とかに使うそう。なんか街の中にあるオフィスっていいですね★
最後に、プロジェクトの取りまとめをした服部さんにコメントいただきました。
服部 絵美様
森永製菓株式会社研究所
研究開発戦略部 企画グループ
主任研究員
「総務やファシリティ担当といった専門部門ではなく、研究員自ら素人集団で、ここまでよく頑張れたと思います。約4年の歳月をかけたプロジェクトで、ひとり一人に“自分事化”してもらうために巻き込むようにして、若手を中心に総じて3分の1くらいの所員は何らかのパートで関わってもらった感じです。
その後も、書籍の管理や、コーヒーやお菓子の補充等、そのスペースの企画に関わったメンバーが、そのまま運用を担当してくれているんです。本社との交流もすごく増えました。毎日のように社内で見かける気がします。」
* * * * *
【前編:オフィス紹介】はここまでとなります。
プロジェクトの詳しいお話は次号【後編:インタビュー】でたっぷりお伝えします!
◆編集後記◆
いかがでしたか?
これまでオフィスしか見てこなかった筆者は少々勉強不足だったかもしれませんが、「研究所」というイメージを覆すようなワークスペースでした。
コンセプトにあった「Open Sesame」。同社の宝である高い技術を惜しみなくみんなで共有しよう、そして高めあっていこう。という意志がこめられていますが、これまでに聞いたことのない名前(目的)の部屋がいくつも並んだ時、(これが全部ガラスでなく見えない扉ばかりだったら、廊下も暗いし誰がどこにいるかも全然見えないよなあ)と大学の研究棟などを思い浮かべながら歩いていました。この本気の「見える化」によって、同社がどんどん変わっていくさまが見えるような気がしました。
Information | 森永製菓R&Dセンター
*従業員数(当該オフィス在籍者数):約200名 *規模:13407.0m2 *設計:清水建設(株)、(株)オカムラ、(株)オフィスラボ、(株)クロップワークス *施工:清水建設(株)、(株)オカムラ、(株)オフィスラボ、コクヨ(株)、IKEA JAPAN (株)、(株)ユニバーサル園芸社、アプロス(株) 第35回 日経ニューオフィス賞 ニューオフィス賞受賞 |
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ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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