ライター:マーシー
2021.03.19
皆さんは、年初に目標を立てましたか?すでに元旦からは2か月以上経ちましたが、まだ目標を立てていない方に、今回おすすめの情報をお届けします。もちろん、すでに目標を立てた方も、少し手を休めてのぞいてみてくださいね。
その名も、「タニモク」!
「タニモク」とは、他人に目標を立ててもらうことを目指して、転職・就職支援大手のパーソルキャリアが開発した無料のワークショップです。なんと年間1,000人を超える方々が参加しているそうです。
※パーソルキャリアさんは、総務座談会「そうむの広場」にもご参加いただいた会社さんです!
他人に目標で…「タニモク」??
う~む、いったいどんなものか、筆者がそのワークショップを体験してきましたよ!
「タニモク」とは
「タニモク」は、4人1組となり、参加者同士で目標を立てあうワークショップです。
相手の話をじっくりと聞いて、相手のために、自由な発想で目標を立てる。するとその目標は、相手の考えのワクをはるかに飛び越えた、全く新しい切り口、行動の大きなヒントとなる。
「こういう発想はどう?」「もしかすると、こんなアクションプランが立てられるのでは?」あくまでも他人の視点で発せられたアイディアは、自分の中にある心の壁・制約を取っ払い、思考を大きくストレッチするきっかけとなります。そして、一緒に目標を立て合った人は、その目標の力強い応援者に。
他人の発想を借り、新しい自分を発見する。そういう体験を短時間に味わうことができるのが、「タニモク」なのです。
「タニモク」の3つのメリット
「タニモク」がなぜ優れているのか。そのメリットは、こんなところ。
・自分の発想になかった選択肢が見つかる
・うっすらと考えていることを強烈に後押しされる
・他人の計画を立てることが面白い
特にこの2つ目の、自分がうっすらと考えていたことを強烈に後押しされるというのは、不思議な力のある体験です。これまで実はぼんやりと思い描いていたけど、なかなか一歩踏み出せなかったことを、それ、いいじゃない!と第三者に背中を押されることで、迷いが一瞬で解けることってありますよね。
そしてまた、いつも自分で思考を完結させてしまうと、結局は同じ結論に。堂々巡りのループから抜け出るためにも、他人からの後押しが不可欠なのでしょう。
「タニモク」の進め方とポイント
■「タニモク」の全体の流れ
Step 1. 4人1組になり、それぞれがまず自分で自分の状況を絵に描く【3分】
Step 2. 主人公を1人決め、1. で書いた絵を用いて自分の状況を説明する【5分】
Step 3. 他メンバーからの質疑応答タイム【7分】
Step 4. 他メンバーが主人公の目標を考える(1枚の紙にまとめる)【5分】
Step 5. それぞれがプレゼンする【4分 × 3名】
Step 6. 主人公が、5. の意見を参考にしながら、自分の目標を立てて他メンバーに発表【3分】
Step 7. 2. ~ 6. を順に実施
■ポイント
・実はこの4人というのが、「聞く」係、「話す」係のバランスがちょうど良い人数なのだそうです!
またこの4人は、お互いに利害関係がない人同士がおすすめ。上司と部下などの関係性では、本音で話しづらいですよね…。
・文字でなく、絵で表現することも重要なポイント。説明しやすく、また他のメンバーも内容の理解がしやすくなるということなんです。
■4つのTIPS
「目標設定」を行う場を有効にするための4つのTIPSとして、以下が挙げられています。
1) 数値化/詳細化する必要はない
2) 質疑応答に重点を置く
3) 仕事だけでなく、プライベートの話も加える
4) プレゼン時の枕詞「私が〇〇さんだったら…」を忘れずに
実際に参加(体験)してみました!
それでは筆者が実際に参加した「タニモク」体験をお話ししていきます!
ご一緒したグループのメンバー
*ファシリテーターで「タニモク」の開発者でもある三石(みついし)さん
*一般参加者の相川さん(仮名・女性・40代・化粧品会社にお勤め)
*一般参加者の松田さん(仮名・男性・20代・現役大学3年生)
このメンバーは、運営側で事前にマッチングされました。
ここでは相川さんを主人公にした回を紹介します!(※相川さん(仮名)より、手書きのメモの使用許可を得ています。)
Step 1
まず、各自自分の状況や考えていることを絵に描きます。(今回はファシリテーター以外の3名)
Step 2
主人公の相川さんが、「いまの状況」という1枚の絵を使って、ご自身の状況を説明。
・現在化粧品メーカーにて勤務中
・夫と都内で2人暮らし
・体調を崩したこともあり、健康面も考慮して自然の豊かな田舎暮らしを希望
・現職で週2回程度の都内通勤が必要なため、首都圏に近い近郊の田舎を希望
・NPOに興味有り。すでにとあるNPO法人と関わりを持つ。その分野でも何かしてみたい
この「いまの状況」を表すイラストをもとに、相川さんから上記内容の補足説明がなされた
Step 3
その説明に対し、松田さんと筆者が、7分の時間制約の中で、質問を次々に投げかけて行きます。
・化粧品会社で働き続ける場合、相川さんの本当の思いは?
・将来の夢・ビジョンは?
・田舎に対する思いとは?
・田舎生活に対する旦那さんとのこれまでの議論の内容は?
・旦那さんはどこまで賛成してくれている?
・ご体調を壊した背景は?(差支えない範囲でご質問)
・そもそもなぜNPOに興味を抱いたのか?
なにせ7分ですので…矢継ぎ早に質問を繰り出して行き、相川さんがそれに対して要領よく回答。
ここまでで質問する側もされる側も、情報の整理ができてきた感じがします。
いよいよ他人の目標を立ててみる
Step 4 & Step 5
さていよいよここから、相川さんにとっての「目標」を考えていきます!松田さんと筆者はそれぞれ1枚の絵にイメージする目標を描いていき、プレゼンします。(枕詞を忘れずに!)
まずは松田さん。「私が相川さんだったら・・・」
目標:やりたいと思っていることを体験する
行動:1.1週間、旦那さんと田舎に住んでみる→イメージ創造
2.複業・パラレルキャリアを始めてみる。参加体験
3.時間を決めてアイディアを探す
そして筆者。「私が相川さんだったら・・・」
目標:地方都市で有機野菜&美をテーマにした女性向けの学校を開設する
行動:1.まずは複業で東京と地方往復
2.現地での人脈・支援者作り
3.クラウドファンディングで資金調達
これにてプレゼンが終了。うなずきながらじっくりと聞いていた相川さんの感想は…
・う~ん、自分では全く思いもつかないキーワードが出てきて、びっくりしました。
・主人(旦那さん)と一緒に田舎に住んでみる、というのは、イメージだけで2人で話し合っているよりも、ずっと具体的な計画が立ちますね。
・美をテーマにした活動、興味あります。また、有機農業というキーワードも。そしてそれを組み合わせるという発想は今までありませんでした!
・田舎の現地での人脈づくり、確かに必要かも。
・具体的な行動計画が作れそうです。
Step 6
そして、最後に出来上がったものが、相川さんの今後のアクションプランです。
それは…
【今すぐ行動に移すこと】
・自然農法、アロマ・ハーブの勉強の継続
【1週間後までに行動すること】
・化粧品の知識・やってきたことの棚卸し
【半年後までに準備すること】
・お試し田舎移住
・複業、パラレルキャリア先の参加体験
相川さんの今後のアクションプラン(本人のメモ)
特にこの最後のまとめが、「タニモク」の効果を最大化するためのコツなのだそうです!
この後、Step 7へ(繰り返し)
「タニモク」を終えてみて
こうして、他人に目標を立ててもらう「タニモク」のワークショップが無事終了。相川さんの表情も、心なしか、スタート時より明るくなったような印象が。相川さんの目標を一緒に立てた松田さんと筆者も、“戦友”のような気持ちに。この短時間に、こんな前向きなアウトプットを生み出し、こんな強い関係性が築けるとは思いませんでした!
そして最後に、ファシリテーターの三石さんから締めの言葉がありました。
「お疲れ様でした!まず、立てた目標は、周りに宣言しましょう。目標達成には、自分自身だけでは叶わないこともあるかもしれません。掲げた目標を宣言すれば、支援者が出てくるかもしれません。周りの方が応援者になってくれるかもしれません。ぜひ宣言してみましょう!
2つ目は、振り返りです。目標を立てただけではなにひとつ前進していません。是非、立てた目標と行動を実行できたのか、振り返りを行ってください。「タニモク」でおススメしているのは、グループが一緒になったことも何かの縁なので、同じグループの人同士で後日、振り返り会を行うことです。良かったら、3カ月後、半年後にランチや飲み会など、会う約束をして、今日立てた目標を振り返る機会を作ってみてください!」
開発者の想い
「タニモク」の開発者である三石 原士さんに、その想いをお聞きしました。
―「タニモク」開発の経緯は?
昔、ドイツで働いていた頃に、日本とドイツの働き方に対するギャップを感じていました。その後、パーソルキャリアに移り、前向きに楽しくはたらける人を増やしたいという想いを抱くようになります。当時、私が担当していたオウンドメディア“未来を変える”プロジェクト(現:iXキャリアコンパス)のコンテンツの1つであった、4人 1組で1年間の仕事を振り返る「振り返り会」にヒントを得て、他人からのアドバイスで、新たな思考パターンを得られることの素晴らしさや可能性に気づきました。
もともと仕事上で行われる目標設定に疑問を抱いていた私は、「振り返り会」での気づきを個人の目標設定にも活かしたいと考えました。仕事上の「やらされる、管理される」目標設定ではなく、他人からの貴重なアドバイスを得ながら、自分自身の人生について自分で楽しく意思決定する機会を世の中に増やしたいという想いが、「タニモク」開発のきっかけとなりました。
その後、SNS上での反響・応援の声が数多く集まったこともあり、様々な場所でワークショップを開催。それまで私個人での活動だった「タニモク」を会社のプロジェクトとして展開し、多くの個人や企業の「はたらく」を支援するようになったというのが、これまでの経緯です。
―「タニモク」が社会に伝えたいメッセージとは?
自分のことは、自分だけで考えていてもわからない。思い切って人の力を借りてみると、思いもよらない可能性と選択肢に気づけます。自分の可能性を信じて行動し、1年で劇的に変わっている方のお話を、当社はたくさん聞くようになりました。「タニモク」が誰かの可能性を広げるきっかけになるよう、今後もその機会づくりをしていきたいと思っています。
パーソルキャリアは “人々に「はたらく」を自分のものにする力を”をミッションとして、様々な取り組みを行っています。人生100年時代と言われる昨今、人材サービスを展開する当社は、年齢に関係なく「前向きに楽しくはたらける人」を増やす使命があると考えています。個人の働く年数が長くなっている今、全ての人にこれまでにないアプローチで「はたらく」を支援していきたいと考えています。
開発者の三石さん
* * *
自分の頭にある考えを外に出して、参加者の方(他人)から意見をいただき、それを応援してもらう。自分の周りにいる家族や友達には、意外と素直に話せない今の悩み、未来のビジョンなどを、直接的な利害関係のない他人に聞いてもらい、率直な意見をもらう。これって、とっても大切な関係性だと思います。
カウンセリングでもない、コーチングでもない、自分と他人との新しい関わり方。それが「タニモク」の良さなのですね。素敵な取り組みに参加させていただきありがとうございました!
なお、「タニモク」はパーソルキャリアが運営するイベントへの参加だけでなく、人数が集まればいつでもだれでも行うことができるワークショップです。そのためのマニュアルなども公開されているので、ぜひ公式HPを確認し、新たな未来を見つけてみてくださいね!
INFORMATION | 「タニモク」の総務担当者向けの特別イベントが4月8日(木)の19:00~21:00に開催されます! ご参加希望者は、下記よりお申込みください *イベント申し込み:総務担当者向け「タニモク」 |
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運営会社について | パーソルキャリア株式会社 パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。2017年7月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。 |
ライタープロフィール
2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。
ライタープロフィール
2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。
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