ライター:セッキ―
2025.10.30
今回は、半導体装置や高速鉄道などに使用される「ベローズ」なる製品の製造・開発・販売を手がける、入江工研株式会社さんにおジャマしました!
旧本社のあった「丸の内国際ビル」が再開発のため取り壊しとなったことが大きなきっかけとなり、2024年2月に移転。コロナ禍後の出社率低下や社内コミュニケーションの希薄化、また採用難や離職率の高さといった組織課題も浮き彫りになっていたため、この移転を単なる引っ越しに終わらせることなく、社内活性化とブランディングを意識したステキなオフィス改革に取り組んだのです。
「人が集まりたくなる・働きたくなるオフィス」を目指した新オフィスは、シャープな印象ながら、月や地球、惑星など宇宙空間を感じられる演出がたっぷり!
それでは早速、行ってみましょう~♪

ちなみに「ベローズ」とは、蛇腹を意味する単語で、見た目は金属の大きなバネのような部品でした。正確には伸縮する真空管であり、その技術は人工衛星の部品や、かつてない医療用品への応用にまで幅を広げていて、今後の発展がますます楽しみです!
▼溶接ベローズ(左)と成形ベローズ

まずはエントランス。わかりやすく社名が目に飛び込んできます。地球の模型や世界地図のほか、かわいらしいぬいぐるみと社長が活けたきれいなお花が生けられていました!

え、社長が聖火ランナーを?? 東京オリンピック・パラリンピック2020のときになさったそうです。これは一生の記念ですね~

オフィスの設計をご担当されたのは、社長の中学時代の家庭教師をされていたという建築家!隈研吾さんの先輩なのだそう。

待合のソファ席の頭上にもさりげなく棚を設置、無駄なく空間を使っていますね。

それにしても、宇宙服を着たリラックマやリカちゃん人形が気になりますね……

一つ目の会議室は眺めのいい「きぼう」!ネーミングがいいですよね~。またこの明るいピンクの壁紙が華やかです。なかなか珍しいですが、その採用理由は後ほど……

こちらは壁一面棚になっていて、いろいろと飾られていますが、まだ途中段階だそうです。創業者である社長のお父上が受勲された紫綬褒章の額がまぶしい!新幹線の設計をされていたそうです。

会社の歴史がわかるような、ちょっとした博物館ですね。

社員数約190名のうち、この東京本社には約35名ほど。ほかには川越のオフィスや愛媛に位置する2つの工場にみなさん働いていらっしゃいます。
やぐらを組んだような半個室スタイルの会議スペースは「みお」。執務スペースも見通せて安心感があります。それにしてもなかなか大胆な壁面ですね。

反対側から見るとこのように。

「みお」の隣はコピー機や備品類のスペースです。

実はこのほかにも、ビル内の共用スペースを使用できるとのことで、気分転換しながらお仕事できそうですね。 「かぐや」「おきな」「おうな」という3つの会議室は、間仕切りを外せば大きなひとつの会議室に。かぐや姫のおとぎ話のようなネーミング! ほのぼのしますね~

って、違うんですよ。 人工衛星「かぐや」は、月に到着すると3つに分かれるんですって。主衛星の「かぐや」に、「おきな」と「おうな」という2つの子衛星が合体してできているのだそう! すごい考えられてて、なんかもうロマンチック。

むむ、こちらは? 「これはね、月の土地を買ったんですよ。そういう本当に買えるサイトがあるんです。3,000円でおつりがきますよ」(入江社長) ええええーー!!!3千万円の間違いじゃないですか、それでも安い感じがするけど。1エーカー(1km四方)の権利証が飾られていました。

月の土地欲しい!と思う方はこちらをごらんください。本当に2,700円でした。
あ、なんかホワイトボードにくっついてるマグネットが惑星でしょうか、いいですね、こういうの♪(月の土地よりこのマグネットのほうが高い気がする)

こちらのオープンスペースは「イカロス」。カクカクしたテーブルの形状が、宇宙ヨットと呼ばれる小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」を思わせるとのことで、名付けられました。ブルーの壁が宇宙の雰囲気。

こちらが執務エリアになります。営業さんは丸いテーブルでフリーアドレス。円形の吊り下げ照明も美しいですね。長方形のテーブル席と奥に見えるエリアがコーポレート部門の固定席です。

奥のエリアは経理部門などであまり写せないのでこのアングルから。島型でなく楕円形のようなテーブルを囲うように席が配置されていて、チームワークを意識しながら仕事できそうだなと思いました。ちなみにさらに左の奥に社長室がありました。

反対側から見た執務エリア。

あれ?こんなところに寂しそうな宇宙飛行士が…ホチキス?! これは日常業務の中で目にするたびにほっこりしそうですね♪ もしやほかにもあるなこれは……

あ、スペースシャトル!これくらいは私にもわかります♪本当にたくさんのディスプレイがあります!今日一日で宇宙に詳しくなれそう。

ウッド調のWEBブースには「はやぶさ」のネーミング。こちらは一人使用。

スタンディングコーナーもありました。いろんなワークスペースがあって働きやすそうです!

まさか手作り……??ではなかったですが、いい感じの土星感!!

二人用のブースは「はやぶさ2」!わかりやすい!


天井部分はここだけがスケルトン仕様。一部分でもぐっと解放感出ていますよね!

ちょこちょこ不思議なオブジェが目に入ってくるのでまとめてみましたよ。題して【不思議なオブジェ特集】です。こちらは植木鉢なんですって。なんと浮いてるんですよ。


正直どれがどの星かまったくわかりません…

愛社精神と遊び心、じゅうぶん伝わってきました!

防災備蓄品はこちらに格納されているのを確認して、一周完了です!

最後に、「きぼう」のそばの廊下の突き当りにディスプレイされていたのが、入江工研の事業を支える製品、ベローズと真空バルブ!ベローズは特大バージョンです。

さて、「きぼう」のお部屋の壁の色、覚えていますか?
そう、ピンクでしたね。そんな華やかな色にした理由は、同社のとあるコミュニケーション施策が関わっているのですが…
実は、この部屋では華道教室が開かれているんです!なんと華道の師範免許を持つ社長が自ら教えているのだそう。業務から離れて植物に触れながら味わう非日常、いいですね!リフレッシュできそう!

華道教室を開催する前提で作られたお部屋なので、壁の色は優しいピンクが最適!という提案を受けて、決めたそうです。
「華道によって笑顔も増えたし、花を生けるとみんな表情がイキイキと変わってきたな、と思います」と社長も笑顔で語ってくれました。

オフィス構築のコンセプトのひとつに「花と緑と真空と」があります。この3つを並べるとは同社ならではのユニークさがありますが、ベローズほか、同社を象徴する「真空」、そして愛媛の工場でも積極的に取り組んできた社内美化の活動テーマ「花と緑」。これを本社でも踏襲しているのです。
社員さんからはこんな声が上がっています。
・華道教室や社内美化活動として清掃をみんなでやることで、顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが活発になった。
・営業部はフリーアドレスにもすぐに慣れ、大きな円形の机で部員とのコミュニケーションが取りやすくなって仕事の効率が上がった。
・フリーアドレスで整理整頓の習慣がついた。
・ロッカーや広めのクロークの設置により動線が広くなって圧迫感がない。
オフィスの広さは約1.5倍になったそうですが、8階にあるテナント共有ラウンジも含めればかなりワークスペースが広がっています。社長からは「新しいオフィスに来てからみんなイケメンに見えるんですよ。素敵なオフィスに通っていると“格”が上がった感じになりますね」とのお言葉も。目に見えて変化があるというのは移転大成功ということで間違いなさそうですね!
真空技術の新たな価値を⽣み出す研究開発に取り組む入江工研さん。
会議室のネーミングや、自社の事業を象徴する展示の数々、遊び心ある演出や華道という珍しいスタイルのコミュニケーション施策。コンパクトなオフィスの中に様々な工夫がちりばめられていて、社員さんたちが誇りを持って働ける場になっていると感じました。
今後さらなる拡大を果たした際にもどのようなオフィスになっていくのか、注目して見守りたいです。

| Information | 入江工研株式会社 https://www.ikc.co.jp/
本社所在地:東京都千代田区内幸町 2-2-3日比谷国際ビル 414 *従業員数:約190名(当該オフィス在席:約35名) *規模:103坪 *設計:吉川徹建築研究所 |
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セッキ―
ライタープロフィール
2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。いつかはインタビューされる側になりたい!
セッキ―
ライタープロフィール
2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。いつかはインタビューされる側になりたい!
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