ライター:セッキ―
2025.01.28
あなたのオフィス、総務スタッフさんはいつもどこにいますか?
社員の日々の業務を支える“縁の下の力持ち”である総務の存在は欠かせませんよね。会社が成長段階にある頃は、社員数が少なく、顔が見える距離感でなんとかなります。しかし、社員数が100名を超えると、社内電話やチャットなしでは総務スタッフを探すだけでも手間がかかるようになります。
そこで多くの企業が導入しているのが、総務スタッフが常駐する「サービスカウンター」(名称はさまざまです)。
このカウンターは、総務業務の効率化と社員満足度の向上を同時に実現できるソリューションとして多くの企業で導入が進んでいます。
今回は、このサービスカウンターがどのようにオフィス環境を変え、働きやすさを向上させるのか、これまで取材させていただいたオフィスから、実際の事例を交えながらそのメリットをご紹介します。
■サービスカウンターって?
ここでいうサービスカウンターとは、社員からの問い合わせや手続きのサポートを一元的に行う専用窓口です。備品の管理、施設の利用案内、各種申請の受け付けなど、総務業務を効率化し、社員の働きやすさを向上させるための仕組みとして、多くの企業で導入されています。名称や役割の範囲は各社さまざまで、サービスカウンターやヘルプデスク、コンシェルジュ、サポートデスクなどと名付けられている事例をたくさん見てきました。
■メリット
考えられるメリットをまとめてみました。
・様々な問い合わせなどをまとめて解決でき、時間効率が良い。
・フリーアドレスの場合、総務スタッフを探す手間や時間の削減。
・「頼みやすい窓口」があることで心理的ハードルが低くなり、社内のコミュニケーションも円滑に。
・総務業務を「窓口対応」と「バックエンドの業務処理」と分業でき、総務担当者の負担が軽減。
・カウンター担当者に特化したトレーニングにより、対応の質が高まる。
・カウンターで受けた要望や問い合わせをデジタル化して管理すれば、後続対応が簡単に追跡可能。
・社内で発生している課題を可視化しやすくなる。
・災害時や設備トラブル時などに「社内の問い合わせ窓口」として機能することで、混乱を防げる場合も。
このようにたくさんのメリットがありますね!
では事例をいくつかご紹介していきましょう。
●事例1●
ヘルプデスク(丸紅)
→丸紅:つながり・成長を生むワークプレイスはこだわり満載すぎだった!【PART1~来客スペース&食堂編】
第35回日経ニューオフィス賞、クリエイティブ・オフィス賞を受賞された丸紅株式会社さん。社員が4,000名を超える同社オフィスビルの9階~20階までが執務フロアという巨大さ。ABWのスタイルを取り入れていますので、なんの手がかりもなく総務さんを探すといったらちょっとした謎解きゲームみたいになりますね!
そんな自社ビルの中、「HELP DESK」と名付けられたカウンターは、社員食堂となっている7階の出口付近に設置されています。出社していればほぼ必ず訪れますし、社員さんへのわかりやすさ利用のしやすさが抜群です♪
●事例2●
ヘルプデスクカウンター(ミクシィ)
→ミクシィ:「全てはコミュニケーションのために」5拠点が全集結。新たなチャレンジ盛りだくさんの新オフィスに潜入! <オフィス編>
おしゃれなカウンターですよね~!総務的役割である「はたらく環境推進本部」のせいかつ環境室や社内IT室の皆さんが常駐していて、困ったときに相談に乗ってくれる場所。それにしても広々として、さっと相談に来やすい雰囲気です。
スタッフさんは、2つのチームにシフトを分けて担当し、カウンター担当の時以外はオフィス内の多種多様なフリースペースでワークしているそう。
驚いたのはこのカウンターの端っこにあるこちらのマシンです。マウス、キーボード、ケーブル、アダプタなど、社内で使われるPC周辺の標準備品がこの自販機的なマシンで調達できちゃうのです!
移転PJの責任者の方によれば、カウンターも備品の自販機も、プロジェクトメンバーからのたっての希望があり、他社事例を参考にしながら実現したとのこと。その”他社”さん、知りたいですね!
●事例3●
サービスカウンター(グリー)
→グリー:ダイナミックなアートで感性を刺激~従業員ファーストを追求したこだわりオフィス
グリーさんのオフィスはフロアの中央がフリースペース、左右に固定席が設けられている、というレイアウトで複数フロアあります。そして最上階に社長室やコーポレート部門が集約されている格好で、サービスカウンターもこの階に設置されていました!フルオープンスタイルではなく、”受付窓口”みたいになっているデザインなので、スタッフさんは集中作業がしやすいと思われますね。
ポストがかわいらしいのと、相談にきた人が座る用の椅子もヘッドレスト付きでイイ椅子使われているな~という印象でした★
●事例4●
マルシェ(サイボウズ)
→サイボウズ:働き方の変化に対応し続けるBIG HUB。リニューアルエリアはどう進化した?
Marche(マルシェ)は、社内のアシスト専門メンバーが常駐する窓口。貸出品や落とし物、その他困りごとすべてこちらで受け付けるそう。ライティングのほうに照度を合わせたのでカウンターの中が真っ暗になってしまっているのですが、実は奥にスタッフがお二人座っていらっしゃいます(笑)。
そうそう、内側から見るとこのようになっていました。なんだかコックピットのようでこちらも仕事しやすそうです!社員の皆さんが通るのもよく見えていいですね!
丸紅さんと同様、こちらはカフェに隣接しています。皆さんが気軽に立ち寄れる場所にあること、また場所を記憶しやすいので新入社員の方にも親切設計ですよね。
●事例5●
サポートセンター(KADOKAWA)
→ABWはオフィスを越えて。働きやすさを追求したしかけいっぱいのKADOKAWA「所沢キャンパス」!
いくつかのGATEが設置されていて、入るとすぐ右手にサポートセンターがあります(※赤く囲った場所)。総務やIT担当の方が常駐していて、オフィスでの困りごとはすべてここで解決!
KADOKAWAさんのオフィスはワンフロアでとても広いので、各所にMAPが掲示されています。「MORI」と呼ばれる執務スペースがABCDと4つありますが、どのMORIからもほぼ等距離にある場所に設置されているように見えますね。
以上、実際の事例をご紹介しました。
■スペース設計の参考例
オフィス内にこういったカウンター設置するためには、スペースの確保が必要ですが、社員数、オフィスの規模、利用目的によって異なります。以下に、スペース設計の参考例をまとめてみました。
* 小規模オフィス(社員数100人以下、オフィス面積300㎡以下)
必要スペース: 約2~3坪(6~10㎡)
シンプルなカウンターデスク1つとスタッフ1名分の座席。
後方に最低限の備品棚を配置。
*: 中規模オフィス(社員数200~300人、オフィス面積500㎡程度)
必要スペース: 約5~10坪(16~33㎡)
複数の問い合わせを処理するため、スタッフ2~3名の対応スペースを確保。
簡単な相談や待機スペースを設け、備品管理やストレージスペースも付加。
* 大規模オフィス(社員数500人以上、オフィス面積1000㎡以上)
必要スペース: 15坪以上(50㎡程度)
カウンターに加え、相談室、バックオフィス、倉庫スペースなどが必要。
利用者が多いため、エントランスやラウンジ近くに設置するのが理想的。
まとめ
サービスカウンターの設置は、社員の業務効率を向上させるだけでなく、働く環境そのものをより快適でストレスの少ないものへと変えてくれます。特に多様な業務を抱える総務部門や、社員の利便性を追求する企業にとっては、非常に効果的な取り組みと言えるでしょう。
一方で、スペースやコスト、利用ニーズといった課題もあるため、事前の計画や工夫が成功の鍵を握ります。社員の声を反映した設計や、デジタルツールの活用によって、効率的かつスマートなカウンター運用が実現します。
“社員が安心して頼れる場所”を提供することで、組織全体の働きやすさを底上げし、結果として企業全体の生産性や魅力を向上させる効果が期待できます。今こそ、社内サービスの新しい形を取り入れて、さらなる進化を目指してみませんか?
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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