ライター:マーシー
2021.02.26
東京の麻布台にある「株式会社R-StartupStudio」を尋ねました。
誰もが存在意義を感じられる、全員が主役になれる社会の実現を目指して2019年1月に創業されたスタジオには、コワーキングサロンが併設されています。
まだ日本では聞きなれない言葉の「スタートアップスタジオ」とは、新しい事業を同時多発的に連続して生み出してゆく仕組みのこと。つまり、スタートアップの創業を支援する企業のことを指しています。アメリカで90年代後半から普及し始めた、起業家支援の新しい概念だそうです。
優れた起業家のために、資金面のサポートや、人材のマッチングなどを行い、世の中に新しい事業モデルを生み出す仕掛けを行う専門家集団。それが、スタートアップスタジオという事業モデルなのです。
それをいち早く日本で取り入れた会社が同社。
事業にかける想いなどは後ほどじっくりお伺いすることにして、まずはスタジオ、およびコワーキングサロンを探索してみたいと思います!
スタートアップスタジオと称するフロアの構成はこんな感じです!
・1階:「Eden」「Cloud」→コワーキングサロン
・地下:「Soil」→スタジオ
こちらがスタジオの入り口。赤色の看板が目を引きます。
”生命”をテーマに掲げた【Eden】
早速入り口を抜け、1階の【Eden】エリアに入ります。ここには、全く異なるコンセプトで作られた複数のスペースが用意されています。
まずは、バーカウンター「Oasis」。
広々としたカウンターの周りに、高めのスツールが並びます。雑談や、自然なコミュニケーションを発生しやすくするための設計が施されています。カウンターを挟んで提供されるドリンクを飲むこともできます。
カウンターで煮詰まってきたら、すぐ横の島型のロングテーブルに移動して、集中モードを回復。
ちなみに、天井付近のグリーンプラントたちは、全て本物です!
コワーキングサロンの奥側に設置されたコーナーは、炎と太陽をイメージした「Sun」。
中央にあるのはおしゃれな暖炉です!温かい火を囲んで、じっくりとブレストができる空間。ここ、とても落ち着きます。
南国風のハンギングチェアも味があって良いですね。リゾート気分に浸れます。
こちらの一角には、芝生調のソファーエリア。その名も草原をイメージした「Green」。
ここでは、草原で寝転がるようにリラックスしながら、仕事仲間と談笑ができるスペース。資料をじっくり読み込んだりする時に、こういうスペースは助かりますね。
窓際に目を向けると…バルコニー風のオフィススペースが広がる、「Garden」と呼ばれるテラス。晴れの日などは多くの人たちに活用されています。美味しいコーヒーを飲みながら、事業のアイディアを練る、というような時には最適の場所です。
次に、常時水が流れ落ちる透明のガラス壁で仕切られた会議スペース、水と海がテーマの「Sea」へ。
設置されているスタンディングチェアは、まるでバランスボールのように、腰を掛けてもあえて安定せずに、360度ぐるぐる揺れる仕組みになっていて、体にリズムを与えるとともに、打ち合わせを短時間で終わらせ、効率を高めることができるように設計されているそうです。
常時水が流れ落ちる透明のガラス壁。じっと見ていても飽きません。
次に現れるのが、洞窟「Cave」です。
⽯の洞窟を連想する、6名分の集中席。これまで見たスペースとは打って変わって、シックな雰囲気です。壁のコンクリート打ち放しの雰囲気に溶け込む、クールなトーンに仕上げられています。イヤホンでBGMを聴きながら、一人の世界にこもって、クリエイティブな発想を研ぎ澄ますことができそうです。
そして、筆者の興味を最も惹いたのが、宇宙「Space」です!
ここはいま流行りの瞑想ができる”メディテーション・ルーム”なんです。銀河をイメージしたもので、等⾝⼤のクッションが置いてあり、⼀休みすることもできます。
集中力や論理的な思考能力を高め、自身の心の奥を探求する「瞑想」は、米スタンフォード大学では通常授業となっていたり、FacebookやGoogleなどの社内研修で取り入れられていたりと、学問研究や仕事の生産性を追求する人たちの間で大人気なのだそうですよ。
「Eden」で働く人たちが、ちょっとした空き時間に気軽に瞑想に入れるようにと、この部屋が用意されました。北欧のオフィスなどには、こうしたメディテーション・ルームが整備されているらしいですが、日本ではなかなか聞いたことがありませんね!
”近未来”をテーマとした執務スペース「Cloud」
次に向かったのが、「Eden」と同じ1階に設置されている「Cloud」と呼ばれるエリアです。
ここは、白を基調としたオフィススペースで、椅⼦・デスク・PCなどがセットされています。このほか大会議室もあります。
(現在は、いわゆるコワーキング用途ではなく、RSSに関わっている士業の方々の作業スペースとなっている)
「Cloud」内にはライブ配信スタジオ、「Frontier」(新天地)の「Wind」も。
本施設は2020年4⽉に開設され、米・LA発のライブ配信会社Mobeon と提携し、最先端の機材を取り⼊れているとのこと。世界最先端の技術を駆使した、多種多様な様々な配信が可能だそうです。
”アジト”がテーマのイベントスペース「Soil」
階段で地下に降りてみましょう。
そこに広がるイベントスペースがこちら。音楽系のイベントやセミナーなどが開催できるコミュニケーションエリアとなっています。
現在は、新型コロナの影響で、イベントやセミナーの開催がハイペースではできなくなっていますが、今後またタイミングを見て「Soil」の活用を活発化させる計画が進んでいます。
「Soil」での実際のイベント・セミナーの様子(コロナ前)
ファウンダーに聞く「想い」
飲食やITビジネスなど多くの分野で活躍。現在、R-StartupStudioのファウンダーである大森 寛之 さんにお話をお伺いしました。
「2014年から2018年にかけて、クリエイターが集まるオンラインサロンを運営していました。クリエイター1人ひとりには、優れた能力があるが、お互いに得意不得意があり、それぞれがサポートを必要としています。そこをコミュニティで支え合う形を作った。それが原点です。
クリエイターの仕事は、その多くがリモートで完結します。ただ、オンラインとリアルの違いというのはやはりある。リアルでないとやれないことがどうしても出てきます。リアルでしか得られない、雑談や自然なコミュニケーションから生まれてくるものを大切にし、"共感をベースにしたムーブメント"を起こしていこうと考えるようになりました。そして、2019年1月にR-StartupStudioを創業することに。
7年で2000の持続可能な事業を創出することを目標に掲げ、クリエイターと仕事が出会う場を生み出し続けています。現在は、3Dプリンターの会社を支援する動きなどもあります。世界中の二酸化炭素の排出量を圧倒的に減らすプロジェクト。気候変動に関心があるデザイナーやクリエイターが集結し、その会社のビジョンに共感しながら、プロジェクトの進行を支えています。
全てのプロジェクトはSDGsを軸に考えられていて、我々はそれを支えながら、壮大な社会実験を続けている感覚です。ベーシックインカムを実現するような取り組みもやってみたいですね。
全員が主役になれる社会の実現を目指し、多くのプロジェクトをさらに加速させてゆきたいです」(大森さん)
* * *
「日本の各地に眠る革新的な技術やアイデアを世に送り出したい」
オンラインでも完結させようと思えばできてしまうクリエイターのお仕事。それでもリアルに徹底的にこだわり、自然なコミュニケーションが取れる場を提供し続ける大森さん。その強い思いが、本日見学させていただいた施設全体にしっかりと息づいていました。
R-StartupStudioの役割は、その言葉に凝縮されています。
優れたアイデアを持つ起業家・クリエイターに寄り添い、コミュニティで支え合いながら、誰もが存在意義を感じられる、全員が主役になれる社会を実現する。
日々、進化を続けるR-StartupStudioの動きから、目を離せません!
Information | 株式会社R-StartupStudio https://r-startupstudio.com/ *規模:全フロア合計約161坪 *設計施工:株式会社L&B |
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ライタープロフィール
2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。
ライタープロフィール
2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。
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