2016.10.11
世界初の完全後付け型スマートロックロボット「Akerun」を開発・提供する株式会社フォトシンス。
今回はフォトシンスの共同創業者で代表取締役副社長でもある渡邉宏明氏に話をお伺いいたしました。
―まずはこれまでのご経歴について教えてください。
2011年に大学卒業後をして大手通信業者に入社しました。
法人営業を経て、ジョイントベンチャーの立ち上げを行う部署で働いていました。
元々、起業志向が強かったこともあり、仕事とは別で、大学時代に同じサークルだったメンバー3人ともう一人を加えた4人で、定期的に飲み会を開き、ビジネスプランのアイデアを話合っていました。
次に来るのはIoTだろうという共通の認識の中で、身近なものでIoTの活用をできないかと考えたときに、鍵=スマートロックのアイデアを思いつきました。
2014年1月から試作品の開発を開始しました。
当初はメンバー全員がそれぞれ別々の会社に勤めていましたが、仕事の合間を縫って、半年間試行錯誤を繰り返しながら試作品を完成させました。
このことが日経新聞に取り上げられたり、堀江貴文さんのTwitterでも紹介されたことをきっかけで、製品に自信を持ち起業を決意しました。
2014年9月にフォトシンスを創業し、半年後の2015年3月に
世界初のスマートロックロボット「Akerun」をリリースしました。
この間、2014年7月に大手通信会社からベンチャー企業に転職をしていたのですが、半年で退職をすることになりました。
―半年で試作品の開発、その後、半年でプロダクトを正式リリースとは動きが早いですね。
4人が別々の業界に勤めていたことが大きかったと思います。
ロボット開発には、ソフトとハードの両方が必要で、またそれを連携するシステムも必要です。
我々は、まだ20代後半くらいの若手でしたので、4人だけで対応できるわけではありませんでした。
ただ、様々なバックグランドを持つメンバーが集まっていたので、それぞれの同僚・知人に相談をして、専門家を紹介いただき、アドバイスを頂いてきました。
周りの方々の協力がなければ、このスピード感での対応は難しかったと思います。
また、試作品開発時には、世の中に3Dプリンターが普及していたのもプラスに働きました。
―リリース後の評判はどうでしたか。
「Akerun」のリリース時に開いた記者会見では、50社を超える記者の方に集まっていただき、TV、新聞、オンラインメディアなど併せて150を超える媒体にご掲載いただきました。
2015年度のグッドデザイン賞や2016年のリアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤーなど数々のイベントでも受賞をいただきました。
(受賞歴)
■グッドデザイン賞2015受賞
■HEADベストセレクション賞2015受賞
■Tech Crunch Tokyo2015 CTO Night ノミネート
■第3回CNET Japan Start up Award CNET Japan賞受賞
■リアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤー2016受賞
―「Akerun」とはどういう製品なのでしょうか。
世界初の完全後付型の鍵ハードウェアです。
スマートフォンと「Akerun」をBlutoothによって通信させ、スマートフォンアプリで鍵を開閉できる製品です。
設置は簡単で、室内側についたサムターンに「Akerun」を挟むように取り付けるだけです。
当時海外には似たような製品がありましたが、その製品はサムターンを交換するなど、工事して設置をする必要がありました。
海外のようにDIYが当たり前でない日本の事情を考えて完全後付けを実現した「Akerun」は、鍵を交換することなく設置ができます。工具すら必要とせず、貼り付けるだけという手軽さが大きな利点になっています。
鍵のシェアも簡単で、スマートフォンアプリ経由で権限を付与したり、専用URLにアクセスするだけで鍵の権限を受けることが出来たり、指定日時のみ特定の人に開閉の権限を付与することが出来ますので、指定したアカウントや日時以外の解錠を防ぐことができます。
家事代行を利用する時など、毎回鍵を渡す必要がなくなり、鍵の盗難や合鍵を作成される等のリスクの防止することができます。
また、2016年にはオフィスユーザー向けに「Akerun PRO」をリリースしています。
―「Akerun Pro」と「Akerun」の違いは何ですか。
NFCカード(Suica、PASMO等)での施錠・解錠が可能になりました。
NFC Readerを内外に設置いただくことで、より確実に入退室の記録を取ることも可能になっています。
また、ドアセンサーも進化しており、オートロックに加え、ドアが開放状態になっていることを検知し、警告ブザーを鳴らすことができるようになっています。
基本的には1か月単位のレンタルでご提供していますので、短期間での設置が可能で電話サポートや故障時の無料交換などの保守、定期的に交換用の電池を郵送サービスがあります。
―最後に今後の展望についておしえてください。
IoTプロダクトとしての特徴を活かし、入退室のデータを利用して心地よい空間を創造できればと思っています。
例えば、誕生日の方が扉を開けるとハッピーバースデイのメロディが流れるようにするということも技術的には可能です。
また、勤怠状況の分析を可視化することで、スタッフの状況がわかるなど、ちょっとしたきっかけがあることで、声をかけやすくなり、コミュニケーションが生まれます。
家やオフィスから全員がいなくなったことを確認したら、お掃除ロボが自動的に動き出す。
家やオフィスの近くに来ると、自動的に照明が点く。
現在よりも、もっとワクワクする環境は作れるはずです。
まずは「鍵」をキーとして、ワクワクできるプロダクトやサービスをつくっていきたいと考えています。
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