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オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

2011.12.14

藤川網司:株式会社カヤック/ギブ&ギ部 CREATOR
「面白法人流の会社づくり」

 “面白法人”という社名の通り、これまでに無かったユニークなアイデアでWebサイト・アプリを生み出し続けているカヤック。絵画の測り売りサイト「ART-Meter」や声で遊ぶコミュニティサイト「こえ部」などを中心とした自社サービスを運営し、また、クライアントからの受託制作においては、東京インタラクティブ・アド・アワードやカンヌ国際広告賞など国内外を問わず数々の賞を受賞し、注目を集めている。
 一方で、同社が導入する 「サイコロ給」や「旅する支社」といった独自の組織づくりや経営手法は、各種のメディアに取り上げられ、多くの経営者から一目を置かれる存在となりつつある。その独自の経営方針は、オフィスづくりにも反映されており、鎌倉本社や同オフィス内に開発された“クリエイティブを誘発する会議室”「閃考会議室」はグッドデザイン賞も受賞している。
 今回は、そんなカヤックにおいて、ファシリティを含め、財務や人事までバックオフィス業務全般を担う「ギブ & ギ部」を統括する藤川氏に、同社のユニークな経営を支えるファシリティ戦略について伺った。

■株式会社カヤック
http://www.kayac.com/

社員全員がクリエイター

 「私がカヤックに参画したのは、元々合資会社として立ち上がったカヤックが株式会社へ法人格を変更した第二創業期と呼んでいる時期になります。
 その時からカヤックのメンバーとして、一般的で言うところのバックオフィス業務を中心に行ってきました。
 弊社の組織体制を大きく分けると、前線に立ってユーザー様、クライアント様への価値発揮を担う制作系スタッフが9割、それを支える管理系スタッフ1割という構成です。役割分担はしているものの、社員全員が“クリエイター”だという姿勢で業務に取り組んでいます。
 もちろん全員がWEBサイトの企画などをする訳ではありません。決められたことだけをやるのではなく、自分や相手が面白いと思える工夫やアイデアをプラスするのです。それは、業務と特性に関わらず誰しもが実行可能です。
 そのため、弊社では役割に関わらず全員の名刺の肩書に“クリエイター”の文字が入っています。」

オフィスも面白く!

 「そのような社風であるため、オフィスについても、弊社らしく“面白いオフィス”づくりをしていきたいと常に思っています。
 結果的にグッドデザイン賞を頂くことが出来、様々なメディアにも取り上げて頂いたこの鎌倉本社オフィスも、そんな思いから設計会社の実績をみてフィーリングの合いそうなクラインダイサムさんにお願いをしました。
 コンペや入札を行ったわけではないので決してコスト面でメリットがあったわけではありませんが、そのおかげで満足のいくオフィスが出来たと思っています。  というのも、私たちからクラインダイサムさんに出した要望は本当にシンプルで、「仕切りがなく見通し、風通しがよいこと」や「鎌倉という立地だったこともあり日本的なデザインを取り入れること」、そして何より「面白いこと」の3つぐらいです。この非常に大まかな要望をクラインダイサムさんが見事に形にして下さったことでこのオフィスが出来上がったのです。」

自社の風土に合ったオフィス環境をつくる

「今年の2月に、自由が丘支社を移転する形でつくった恵比寿オフィスについても、同様の経緯で、トラフさんに設計をお願いしました。
 ただ、鎌倉オフィスが管理系や自社サービスを制作、運営する社員が多いのに対し、恵比寿オフィスは受託制作を行う社員が多く集まるオフィスになるので、その点で弊社側からの要求が多少異なるものになりました。
 受託制作については、プロジェクトごとにチーム編成も変化するため、集散がすばやく出来て様々なレイアウトがつくれるようなオフィスという要望を提示しました。
 そこでトラフさんから提案頂いたのが、学校スタイルのオフィスです。教室の机サイズで足にキャスターのついたものを一人に一つ与え、自由度の高いオフィスです。

 現在では、その時その時の業務に合わせた日々の細かな席替えと共に、2ヶ月に1度ぐらいのペースで全体のレイアウト変更も行っています。ともすると、このような運用は、直接業務に関係しない作業が発生することから敬遠されがちですが、弊社では社員が楽しんで毎回の新しいレイアウトを提案してくれており、それがオフィス内の活性化に繋がっています。
 正に、弊社の風土に合ったオフィス環境をつくって頂いたおかげだと思います。」

イベントを通して自社の文化が浸透する

 「逆に、現在課題となってきたと感じるのは、拠点間のコミュニケーションです。組織の拡大と共に拠点が増え物理的な距離が離れていると、どうしても大切にしたい文化や風土にずれが生じてくるため、それをどう解消していくかを考えていかなければと考えています。
 現在では、年に2回のイベントとして、社員全員が集まって2日間の合宿を行っています。
内容は自社の理念や文化を再認識することを目的として、カヤックが大切にしたいことや、今後の方針などを座学形式で共有したり、カヤックについて改めて考えるきっかけとして、チームに分かれてのワークショップなどを実施しています。
 ワークショップで特に印象に残っているテーマは、「カヤックなりの解散の仕方とは」というものです。解散という状況でも“面白法人”をいかに貫けるかを考えることで、自社の貫くべきスタイルや文化を認識する良い機会になりました。」

面白法人としての仕事環境をつくっていきたい

 「現在は喜ばしいことに業績も伸びている状況ですので、今後の人員増加を見込んで、増床や、新しい拠点の開設も検討している状況ですが、その分、文化を浸透することも難しくなることが予想されるため、それを解決していく方法を提示していかなければと思っています。
 会社の成長を支える拠点であるはずのオフィスがネックとなって、会社の成長を止めてしまうという本末転倒にならないよう気をつけたいです。
 もちろん私自身の立場としては、オフィスに限らずバックオフィス業務全般を通して、カヤックが面白法人として居続けられる、また、今後成長し続けられる仕事環境をつくっていくことが使命であり、当面の目標にもなっています。」

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 私が面白法人カヤックを知ったのは、あるWebサイトで同社の鎌倉本社オフィスを見たことがきっかけだった。それを見て、思わず「ここでどの様に働くのだろう。」と考えてしまうほど斬新な空間が印象に残り、その後も、書籍やWebサイトで同社に関する記事を目にする度に関心が高まり、一度お話を伺ってみたい企業の一つであった。
 今回、ついにその場が実現し、実際にインタビューを通して私が感じたことは、同社では“自らが面白いと思えること”そして“受け手を楽しませること”にこだわったモノづくりを全社員が貫いていることである。
その身近な例として同社のホームページをご覧頂きたい。掲載されている内容自体は他社と同様であるものの、一つ一つの情報が細部までこだわって表現されており、正にカヤックらしさを体現するオリジナリティ溢れるメディアに仕上がっている。
“面白い”モノをつくることに対してこれだけのこだわりをもって取り組むことが出来るからこそ、同社から生み出される斬新且つ革新的なサービスは、社会に必要とされ貢献し続けているのだろう。

プロフィール藤川網司:株式会社カヤック/ギブ&ギ部 CREATOR

大学卒業後、某金融機関勤務を経て、2005年にカヤックに入社。
ギブ&ギ部という、いわゆる管理系の部署に所属。
主に総務、人事、経理を担当。
面白法人を“つくる”ことに尽力中。
2011年3月より、同社取締役に就任。
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