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気になるこの人!
オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

2015.06.11

大島正幸:木工房ようび/代表取締役・職人
「29歳。貯金28万。森林再生に人生を賭けた男」

「用美=使うことで美しい未来に導く」これが、木工房ようびのネーミングの由来です。

最近ではオフィスの床に間伐材が使われるケースが多くなってきました。森を守るための活動が活発化し浸透してきた証拠ですね。私たちにもできることがある、そんな気付きを与えてくれます。

今回お話を伺った、木工房ようびの代表、大島さんはこの道13年の家具職人。たった一人で西粟倉村に移住したのは29歳のとき。こんなに行動力のある人を見たことがありません。こんなに言葉に自信がある人も、そしてこんなに謎がある人も…

なぜ家具職人になったのか、なぜ名も知らぬ村に移住したのか、なぜ東京に進出するのか。大島さんの内側から溢れ出るワクワクと情熱を、たっぷり伺ってきました。

明るいひきこもり。一通のメールが人生を変えた。

出身は栃木でして、西粟倉には縁もゆかりもないんです。祖父がとび職で幼い頃から職人に囲まれた環境だったので、中学2年の時にはもう「手に職」と考えていました。大学は金沢で建築を学びました。そのとき、いくら設計図を描いてみても、全然その空間の絵が浮かんでこなかったんです。それじゃダメですよね(笑)。家は一生の買い物、なんていうのにこれじゃ責任が取れない!と思い、もっとプロセスの短い、家具の道に進むことにしたんです。

卒業後、岐阜の「森林たくみ塾」に入塾、2年間家具作りを勉強しました。その後家具メーカーに就職してからは、ひたすらデザインし、ひたすら家具作りに没頭して4年半。娯楽施設が周辺にないことも手伝って、寝る間も惜しんで家具作りです。言ってみれば“明るいひきこもり”でした。そんなとき、交際中の彼女に一通のメールが届きました。彼女は大学で森林関係を学んでいたこともあり、岡山県の「森の学校」の関係者の方から「西粟倉村で森林再生をするので、遊びに来ないか」というお誘いがあったんです。

西粟倉で見た、二つの森。

その方は一緒に働くスタッフを募集していたそうです。僕は片道6時間のドライブを楽しむつもりで行ったんですが、、、

二つの森に案内されました。荒れている森を見てショックを受け、きれいな森を見てもっとショックを受けました。今までの自分は、いかに良い形の家具にするか、完成品の出来の良さばかりに注目し、“素材”のことを全く気にしていなかったことに気づかされました。

50年前、日本中で作為的な植樹が行われたために、今ちょうどその木々があふれているんです。特にヒノキは膨大。ヒノキは柔らかいため、太ければ柱などに利用できますが、細い間伐材はどこにも使い道がない。では家具はどうかというと、建築と違って細かな接合部が多く、強度を上げるためには硬い木材で作るのが常識と考えられていて、だからヒノキで家具を作ったという歴史もなかったんです。

当時29歳。貯金28万。西粟倉村に単身移住。

木を大事に育ててきたおじいさんが、その木を前にして困っている。木が過剰に増え活発化しすぎた森は、切って使って鎮静化するしかない。でもその方法がわからない。バトンを渡された気がしました。家具職人として、なんとかこの有り余る資源を活かさなければ。家具を作らない理由が見つからなかったんです。猛烈に気持ちが動かされて、帰って翌日には辞表を出しました。

次もしこの話を聞くときは自分は70歳になっているかも知れない。当時29歳の僕がこの話を聞けたのはチャンスだと思いました。貯金は28万しかなかったけれど、単身で西粟倉村に移住しました。

木を乾かす機材もない、不動産屋もなくて家探しもできない、工房もない。それどころかその予定地すらも決まらないような状況なのに、行ったんですよね。今考えると恐ろしいですね(笑)。

ヒノキへの挑戦、未来の育成。

何もないけど木だけはある。とにかく、ヒノキのような“ソフトウッド”でも家具を作れる技術というのを開発しなければならない。当然娯楽施設なんかもないですから、引きこもるにはうってつけです。何度も何度も試行錯誤を繰り返して約1年半、とうとう、技術開発に成功しました。それも北欧家具のようにスタイリッシュ。これが僕らのストロングポイントです。実用新案をとっているものもあります。

その後、妻となった彼女も合流し、いま年に一人ずつ採用できるほどに会社は成長しました。木はある。あとは技術者を育てるだけ。

私は即戦力ではなく、「育成」を念頭に置いて採用しています。ソフトウッドでの家具作りはとても手間がかかるので、ハードウッドの家具製作を経験した人より、何も知らないほうが、結果的に良いものを作れる可能性があるんです。ただ育成は大変ですけど(笑)。

また、家具作りには難しいと言われる、女性の採用も積極的です。通常家具を作れるようになるのに6年、一人前といわれるまで10年かかるという世界なので、結婚・出産を控えた女性には無理、ということなんですね。それでも、女性でも家具職人を目指せるようにしたいというのが私の夢です。うちはメンバー半分が女性、工房長も女性です。とってもパワフルですよ。

もうひとつ、オーダーを受けてから届けるまで同じ担当者が担当します。これがどうしてもやってみたかった。ただ作るだけが職人じゃない。技術にプラス、ホスピタリティを持ち合わせているというのが、うちの職人の定義です。

「やがて風景になるものづくり」

間伐材のプロダクトはカッコ悪い、ださいものが多かった。私は同情で間伐材を買ってもらうのはどうしても嫌で、いい家具が実は間伐材だった、「これ好き」と思ったものが実は森をきれいにするために作られたものだった、そんなものを作る会社にしたいんです。

理念は「やがて風景になるものづくり」。自分が作った家具が目の前にあって、振り返るとそこに母なる森がある。これってすごい夢のあることですよね。

いざ、東京進出。

そんな考えをもっと広め、「共に作る」という新事業に挑むべく、東京へ進出することにしました。ずっと村にこもっているので十分技術は蓄積されました。今後はこれを発信してもっと知ってもらうことが課題です。

ということで今年2月、東京の奥多摩に西粟倉と同じ設備の工房を作りました。でも職人はいません。現時点では職人を雇うという考えはなく、年に二回、7月と2月に全社員で出張して奥多摩でモノづくりをしようという計画です。

私も知らなかったのですが、実は東京には広大な森がたくさんあります。この木を使って森がきれいになれば、空気や水もきれいになっていきます。そうすればもっと東京をいい環境にできるんじゃないか。東京の資源で東京の暮らしを良くする、それを実現する可能性が木にはあると思っています。

オフィスでは、今後の未来について話し合っている、そのテーブルが未来の森づくりに貢献している、今と未来をつなげている、なんて夢がありますよね。東京のオフィスに東京の木を使った家具を、そんな夢のようなクリエイティブワークが始まります。期待していてください!

プロフィール大島正幸(おおしま・まさゆき) 株式会社ようび 代表取締役
http://youbi.me/about/
http://youbi.me/ec/

1981年栃木県生まれ。とび職だった祖父の影響から大学より建築の道へ進むが、卒業後「森の匠塾」(岐阜県)にて家具職人の技術を学び、家具メーカーに就職。2009年、「森の学校」との接点から岡山県西粟倉村の森を見て現実を知り、退職して単身移住。木工房ようびを設立し、檜を使った家具技術を開発。そのプロダクトは日本国内にとどまらず世界からもオファーを受けるほど。今年2月東京奥多摩に工房を作り、技術やプロダクトの伝承に勤しむ。

【株式会社ようび 主な受賞歴】
2010年7月 日経オフィス特別賞を受賞
2011年2月 「NIPPON MONO ICHI 第6回」「ちゃぶだい」で準グランプリ受賞
2013年8月 「福武文化奨励賞」受賞
2015年3月 「がんばる中小企業300社」受賞
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