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気になるこの人!
オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

ライター:セッキ―

2015.05.01

平井雅也:セイエンタプライズ/代表取締役社長
「“備えて暮らす”ことで得られる“安心”を伝えたい」

株式会社セイエンタプライズは、1978年創業以来、NASAも認めた本物の備蓄食「サバイバルフーズ」をはじめ、多種多様な防災グッズを販売し続けています。2001年にネットショップをオープンし、今年で15年目を迎えましたがさらに今年4月、実際に防災グッズを見て触って、購入することのできるリアルショップ「SEI SHOP」をオープンしました。

今回は、1995年の阪神淡路大震災で被災した経験を持つ、代表の平井雅也さんにお話を伺ってきました。

(いきなりサバイバルフーズ/野菜シチューとクラッカーをいただきました!)
―いただきます!美味しいですね。 このたびはSEI SHOP新店オープン、おめでとうございます。どういった経緯でオープンされたのでしょうか。

ありがとうございます。インターネットショップを立ち上げて今年で15年目を迎えますが、やはり実際に手に取って実物を見てから購入したい、というお客様の声がありまして、実店舗を構えることになりました。特に自転車などは、乗り心地も試していただけますし、そのまま乗って帰りたいというご要望もありますので、実現できてよかったと思います。

―防災用品は特殊な使い方をするグッズも多いですから、実店舗は助かりますね。

なかなかいまはスーパーなどでも防災用品コーナーというのは少ないですもんね。東日本大震災が起きた2011年は経済がすごく冷え込んでいましたが、それにもかかわらず大型スーパーでは軒並み防災コーナーを作っていました。防災グッズのように回転の悪い商材をコーナーを作ってまで売る、というようなことは非常に稀だったんです。しかし今そのコーナーはないわけですよね。防災意識がまた薄れているなと実感しますが、そうなるとなおさら手に取って見る機会がなくなります。

3.11以降、防災に目覚めた方も多いのではないかと思いますが、買いたいと思った人がいつでも見て買いに来れる場所を提供したいという思いもありました。

―和風の落ち着いた内装で、雰囲気もとてもいいですね。

ありがとうございます。実はここは、「方丈庵」を再現しているんです。「世は無常」という考え方を綴った鴨長明の『方丈記』に出てくる、「方丈庵」と同じ大きさなんですよ。

いつどこで天変地異が起こるかわからない、その「無常」の考え方の中で、どうやって「常」の状態を維持するか、普段と同じ環境を作れるか、というコンセプトなんです。置いている商品もそういった視点で作られたものばかりです。

―そんな意味が込められていたのですね。すごく重みがありますね。 ところで平井さんは、なぜこの「防災」という道に進まれたのですか?

セイエンタプライズはもともと父が経営していた会社です。私が前職を退くころ、後継者を探していたタイミングだったこともあり、既に父から引き継いでいた当時の社長からお声がけいただき、96年に入社しました。私が代表に就任したのは2001年のことです。

―96年といいますと阪神淡路大震災の翌年ですね。世間では防災の意識が高まっているころでしょうか。

そうですね。私自身も、当時前職で神戸に赴任しており、寮生活をしていたときに実際に震災を体験しました。2週間ほど交通機関が復旧せず、会社に行けない状態でした。たまたま私が寮長をしていたので、安否確認をしたり、避難所に避難していた人を呼びに行ったり、というようなことをした記憶があります。

震災を体験したことがきっかけで現職に就いた、というわけではなかったですが、この体験は防災のことを考える際の軸となり、今でも非常に役に立っています。

父の影響で、普段からサバイバルフーズを部屋に保管していて、私にとっては非常食という感覚はなく、“常食”となっていました(笑)。震災に遭ったときは3缶で30食分ありました。ですが、寮にいた人数は90人。まるで足りません。まさか自分だけ食べるわけにもいきませんでした。そのときの教訓から、周囲の人まで助けてあげられる量を備蓄することにしたんです。今自宅では600食分を備蓄しています。

―それはだいぶ大量ですね!

災害の時の助け合い精神はとても重要なんです。災害というのは一瞬で、その後続く生活のほうがずっと長い。あの時助けてくれた/くれなかった、という事実はずっとついて回ります。もちろん各個人がきちんと用意すべきなのですが、、、周囲への配慮、これも備えの一つと考えています。

―なるほど。本当はそれぞれが平井さんのような気持ちを持って、多めに備えているというのが理想ですね。
さてこれまで非常食といえば乾パンが代表格でしたが、先ほど試食させていただいたサバイバルフーズ、とても美味しかったです。非常食とは思えないですね。


ありがとうございます。よく、人参やグリンピースといった具材のみをフリーズドライしているものがありますが、お湯を入れただけでは味がしみ込まないんです。サバイバルフーズはすでに調理済で味がついたものをフリーズドライしているので、実は乾燥したまま食べても美味しいんですよ。数種類の具材を一緒にフリーズドライにするということで、技術的にも非常に難しいものです。

「非常時こそ、美味しくて栄養のある食事を」というのが私たちの考えです。それはできれば普段と同様の食事ということです。なるべく普段通りの生活を送り、ストレスを感じないことが理想です。そうできるためにはどうするか、それは備えですよね。

―非常用持出し袋など最近ではよく売られていますが、どんなものを用意したらいいのでしょう?

何を用意するか?というと、自分の「普段」を用意する、ということになります。人によって「普段」は違います。売られている非常用持出し袋には画一的なものしか入っていませんから、ご自身で補う必要がありますね。

たとえばスマホの充電が切れたらどうしますか?非常時はリアルタイムの情報をキャッチすることがとても重要になってきますので、スマホの予備バッテリーは特に必需品ですね。普段はどこでも電源をとれますが、電気が使えない場合を想定したソーラーなどのものを用意しておく必要があります。こちらは手のひらサイズの充電用バッテリー、一度完売した商品で好評ですよ。
<ロールアップミニ(太陽発電パネル)>

ただ思うのは、防災グッズを普段の生活から切り離して別だてにしてしまうと、保存スペースの確保や期限管理も手間ですし、そもそも存在の認識が薄れてしまいがちです。「防災」という特別な枠にはめてしまわずに、いかに普段の生活に取り込めるかがポイントですね。

―ひとり一人の意識はだいぶ高まっているように感じますが、いかがでしょうか。

そうですね。3.11以降、防災意識は一層底上げされたと思います。今までは国がやってくれるもの、会社がやってくれるもの、という考え方であったのが、今では個人レベルで備えるようになりました。「備えて暮らす」というライフスタイルが浸透して、ひとり一人の「自助」が増えると、それは「共助」になり、「共助」ができる場が増えていくと、いずれは“国全体の防災力”が上がることにつながります。

私たちは、例えばサバイバルフーズによって得られる「食の安心」、あるいは機能の優れた寝袋によって得られる「睡眠の安心」など、「備えて暮らす」ことで得られる安心感を、モノを通して伝えていくのが使命だと思っています。そしてさらには、そういった「備え」が、普段の生活に無理なく取り込まれている状態がもっともっと広まるように努めていきます。

―喉元過ぎれば…とならないように、普段から備える気付きをいただきました。今日はありがとうございました。

プロフィール平井 雅也(ひらい・まさや)
株式会社セイエンタプライズ 代表取締役社長

大学卒業後、大手繊維メーカーに入社、大阪市梅田に勤務。1995年1月17日、兵庫県南部地震(M7.3・震源:北緯34度35.9分、東経135度2.1分、深さ16km)の時、神戸市東灘区の社員寮に居住。震度7の揺れと、その後の人命救助、避難生活(阪神淡路大震災)を経験した。1996年東京へ転勤となり、25年保存食サバイバルフーズの輸入卸元株式会社セイエンタプライズに入社、2001年にインターネットショップを開設、同年代表取締役就任。2012年に防災用品全般を紹介するセイショップ事業部を立ち上げ、現在にいたる。今年4月、市ヶ谷に防災グッズの実店舗「SEI SHOP」をオープン。
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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